飲み薬と座薬、どちらが「早く」効きますか?

小児の薬剤選択において、「剤形」の決定に悩む人は多いと思います。
粉末、シロップ、坐薬など、多様な剤形の中から、その子どもに合った最適な剤形を考えなければなりません。

今回は、小児科外来で最もありふれた主訴である「発熱」の症例を通じて、エビデンスに基づく剤形選択を学びましょう。

内服よりも座薬のほうが早く効く?

2歳男児。
昨日から発熱し、本日かかりつけ小児科を受診。
感冒としてアセトアミノフェン細粒10%を処方された。
母親は「内服よりも座薬のほうが早く効きますよね? 座薬に変更してもらえませんか?」と訴えた。

はたして、座薬のほうが早く効くのでしょうか?

効果の発現時間は変わらない

私は「内服も座薬も、効果の発現時間はほぼ変わりません。お子さんの飲みやすさや好みに合った剤形がおすすめです」とお答えします。

「座薬が内服より効果発現が早い」というは一般的な誤解です。

内服薬のほうが効果発現が早いとする論文1)や、どちらも差はないとする論文2)はあります。
「座薬のほうが早く効きそう」という誤解は、おそらく「座薬のほうが腸に早く届いて早く吸収されるはず」という発想から来るのでしょう。
実際のところは、薬剤の溶解速度の違いや直腸のバイオアベイラビリティの不均一性によって、座薬のほうが早く効くということはなさそうです。

まとめ

薬を処方するだけでは、効果は発揮しません。
体内に吸収されて、はじめて薬は効果を発揮します。
そのすごく当然のことが、小児では難しいときがあります。
子どもの体内に薬を届けられるよう、剤形や、味を学んでおくといいでしょう。

■参考資料
1) Antipyretic therapy. Comparison of rectal and oral paracetamol PMID: 332506
2) Effectiveness of Oral vs Rectal Acetaminophen: A Meta-analysis PMID: 18981352

Source: 笑顔が好き。

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