うるさい
とにかくうるさい
昨年10月12日に発症した、
突発性難聴
聴力が戻るとともに、
耳鳴りの爆音は小さくはなった
が、それでもうるさい
先生は、
「そのうち慣れる」
と、言った
『そんなの嘘だ』
そう思った
そう思った通り、
やはり未だに慣れることはない
が、最近になって、
先生が言った“慣れる”の意味が
わかってきたような気がする
それは、
“音が小さくなる”
“音が気にならなくなる”
...ではなく、
“音がしていることが当たり前”
...ということだ
うるさくて当たり前
音が聴こえて当たり前
“日常の中に当たり前にあること”――
それが“慣れ”なのかもしれない
思えば、乳がんの手術もそうだ
一生続く腋窩リンパ節郭清の痛みも
“痛みがあることが当たり前”になった
重いものを持ってはいけない
腕を締めつけてはいけない
術側の腕で血圧を測ってはいけない、
注射をしてはいけない
過度な日焼けも虫刺されも
土いじりも気をつけなければならない
それはもう、当たり前すぎて“慣れ”
ちょっとやそっとのことでは
ビビらなくなった
ホルモン療法の副作用である、
更年期様症状も、主治医に、
「そのうち慣れるよ」
そう言われたことがある
が、副作用があまりにもひどすぎて
いつまで経っても
慣れることはなかった
少し体調がいい日があれば、
「副作用軽くなってきたかな。
慣れてきたかな」
と、いつも騙された
そんなことを何十回と繰り返した
副作用があることが、
すでに日常となっていた
いや、副作用に振り回された日々
副作用中心の生活だった
あの副作用は、
なにも知らなかったからこそ
できた治療かもしれない
“がんをやっつけるため”――
その目標だけで
頑張っていた気がする
“再発はしたくない”――
その思いがあったから
頑張れた気がする
手術から19年
乳がんであることにも
もうだいぶ慣れたのかもな...
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Source: りかこの乳がん体験記


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