“老衰”という人生の終わり方

その他

「そういえば最近、
 “老衰”という言葉、
 あまり聞かなくなったな」――

“死因”と言えば、なにかと病名がつく

先日亡くなった、
歌手であり、俳優であり、声優であり、
タレントであり、演出家でもあり...の、
多才なあの方...

2026/07/02 イラスト
  ※肖像権や
   著作権の侵害を避けるため、
   イラストはイメージです
   

死因は、“老衰”だった

  “老衰”とは――
   特定の病気ではなく、
   全身の機能がゆっくり低下して
   亡くなること

現代の診断書は具体的な病名を書くため
あまり“老衰”とはならないらしい

たとえば、
もうがん検診をしなくなった高齢者

“老衰”で亡くなったと思っても、
実際に解剖をしてみると
“がんがあった”ということがあるらしい

かなり古いが、
2013年の5月10日のブログに、
こんなことを書いたことがある

『乳がん以外の原因で
 死亡した女性を解剖したところ、
 6~18%の人に
 潜在的な非浸潤性の乳がんがあった』

というデータ

衝撃的だ...

こんなデータもある

 ○前立腺がん:解剖例の30~80%に
        “潜在的ながん”があった

    ※“潜在的ながん”とは、
     生前にはまったく症状がなく
     検査でもみつからなかったがんで、
     解剖で初めてみつかるがんのこと

 ○甲状腺がん:解剖例の5~30%に
        微小乳頭がんがあった

 ○大腸がんの初期病変
    :解剖例の20~40%に
     線種(がんの前段階)がみつかった

 ○腎臓、肺の微小がん
    :解剖で初めてみつかる微小腫瘍が
     一定数ある

 ※“解剖例”とは...
   ・死因がわからないときの解剖
    (司法解剖、行政解剖)
   ・医療機関でおこなわれる病理解剖
    (病死の原因を詳しく調べること)
    ・献体(医学教育のための解剖)
    ・研究目的の解剖
     (病理学の研究)

 ※数字の幅が大きい理由
   ○解剖された人の年齢が
    研究ごとに違う
    (若い人にはがんは少なく、
    高齢になるほどがんは増える)

    ◎ちなみに、前立腺がんの場合
     ・40代:20~30%
     ・60代:40~50%
     ・80代以上:60~80%

   ○解剖の目的が研究ごとに違う
    ・病理解剖:病院で死因を詳しく調べる
    ・司法解剖:死因不明、事故、事件
    ・献 体:医学教育
    ・研究目的の解剖:大学、研究機関

   ○“潜在がん”の定義が研究ごとに違う
     例:甲状腺の微小乳頭がんの場合
       ・1㎜以上をカウントする研究
       ・3㎜以上をカウントする研究
       ・非浸潤がんだけを
        カウントする研究
       ・微小浸潤性も含める研究

   ○解剖の方法や精度が違う
    ・断片の数
    ・顕微鏡の倍率
    ・病理医の判断基準
    ・臓器をどこまで細かく調べるか

    ◎特に前立腺と甲状腺は、
     細かく調べれば調べるほど
     “潜在がん”がみつかる臓器のため、
     研究によって数字が大きく揺れる

   ○対象者の地域や時代が違う
     がんの発生率は、
      ・食生活
      ・喫煙
      ・医療へのアクセス
      ・時代背景
      ・寿命
     などで変わるため、たとえば、
     1970年代の解剖研究と
     2000年代の解剖研究では
     当然のことながら数字が違ってくる

長寿となった今、
がんになる人は多い

がん以外にも病はたくさんある

死因に病名がつくのは、
今や当たり前

そして先日、
“老衰”という言葉を聞いて、

「本当はそれが理想なのだろうな...」

そう思った

苦痛なく、静かに逝く――

これが一番自然で
安らかな最期なのかもしれない

  “老衰”は...

  ・食事が少しずつ減る
  ・眠っている時間が増える
  ・会話がゆっくりになる
  ・身体の機能が
   全体的に弱くなっていく
      ⇩
   ある日、静かに息が止まる

  がんを経験すると、
  “最期”はどうしても壮絶なものを
  想像してしまうよね...

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Source: りかこの乳がん体験記

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