薬剤師に救われたこと。

「お薬でアレルギーが出たことはありますか?」

そう聞かれて、

「“アセトアミノフェン”で副作用が出ます」

そう答えられるようになったのは、
ある若い薬剤師のお蔭だ――

以前から、風邪薬を飲むと
体調が悪くなった

「なんだかこの薬、
 身体に合わないみたいだな...」

そんな風に思っていた

もともと私は強い生理痛持ち

3日間、
痛みで日常生活もままならないほどだった

若い頃は鎮痛剤が怖く、
余程のことがない限り服用せずに過ごしていたが、
25歳を超えると、毎月起こるこの痛みに、
さすがに嫌気がさしはじめる

「鎮痛剤は、“身体に悪い”というイメージを持って、
 痛みを我慢している方が多いですが、
 鎮痛剤は、“炎症を抑える”という働きもあります。
 我慢しないで飲んでください」

そんな婦人科の女医さんの言葉を聴き、
毎月、鎮痛剤のお世話になることになった

が、もともと、局所麻酔が効きづらい体質

鎮痛剤も、効いても1日目だけ

2日目からは、
痛みの質も“神経性”...

  ...と、私は勝手に言っているが、

に移行するからか、
鎮痛効果はほとんど得られなくなるのだ

「それでも、少しでも痛みが軽減すれば...」

と、飲み続ける――

毎月毎月生理が来るたび、
その繰り返しだった

そんなある日、

「この薬、効きますよ」

と、職場でもらった市販の鎮痛剤

『“鎮痛剤”といえば、コレ』

というほど有名な商品名の、
“女性向けにつくられた新しい鎮痛剤”で、
有名女性タレントがCMをしていた

「もしかしたら効いてくれるかもしれない」

そんな一縷の望みを抱き、
私はその薬を服用した

が、30分後、体調に異変が表れはじめる

1時間...

そして、
薬剤の血中濃度が最高潮に達する2時間後には、
私は全く動けなくなってしまった

さらに、鎮痛効果は全く見られないどころか、
逆に痛みが増してしまうという状況

薬の効き目が薄まるまでの2時間、
私はただ、体調の悪さに耐えるだけだった

が、このとき、それでも私は、

「この薬のせいで体調が悪くなった」

と、思うまでには至らなかった

その後も、私はもらったその薬を飲み続けた

すると、やはり30分後から
体調に異変が生じはじめる

“服用から2時間後、そのピークを迎え、
 30分かけて少しずつ自分の身体に戻ってゆく”

というそのサイクルも、

“痛みが増幅する”という現象も、
服用するたび同じだった

「やっぱり、この薬が原因か...」

と、ようやくこの薬の服用を
やめることにしたのだが...

この現象は、“風邪薬”でも起こった

風邪薬には、“解熱鎮痛剤”の効能もある

おそらく、私の身体に悪さをする、
その“鎮痛薬”が配合されているのだろう

風邪で病院にかかり、
薬を処方してもらう際、医師に、

「鎮痛剤で体調が悪くなるものがある」

そう伝えても、医師にも
どの薬剤が副作用をもたらしているのか
わからないようだった

案の定、
処方された風邪薬は体調が悪くなった

その後、乳がんになる

身体に合わない薬剤が何なのかわからないのは
非常に怖いものである

あるとき、薬局に、
乳がんの治療薬であるタモキシフェンを
受け取りに行ったときのこと――

「鎮痛剤で、体調が悪くなるものがあるのですが...」

と、薬剤師の方に相談をしてみた

その際、激しい副作用が出た薬の商品名と、
疑わしい成分の名前を2つ伝えた

それまでも自分なりに調べてはみた

が、もらった市販薬も
すでに薬局には売られておらず、
成分も確認していなかったため、
自分で調べるにはすでに限界が来ていたのだ

若い男性薬剤師は、
分厚い“薬辞典”のようなものを取り出し、
その場で調べてくれた

が、その薬はやはり廃盤になっているらしく、
結局答えは出なかった

家に帰り、1時間ほど経った頃だっただろうか

家の電話が鳴った

「りか、薬局から電話」

と、父

『薬局? タモキシフェンもらい忘れてきたかな。
 いや、ここにある。

 じゃあ、お金払い忘れた?
 いや、たぶん、払ってきたはず...。

 じゃあ、なんだろう...」

嫌な予感を抱いたまま受話器を取る

「副作用の薬の件ですが...」

それは先ほど、
乳がんの薬とは全く関係のない薬のことで、
一生懸命調べてくれた薬剤師の方だった

「体調が悪くなったという鎮痛剤に、
 “アセトアミノフェン”が入っていました」

合致した

それは長年、私が思っていた薬剤だ

“乳がん”となれば、
この先、もしかしたら鎮痛剤を使うことがあるかも知れない

“アセトアミノフェン”は、
がんの鎮痛剤として広く使われているものだ

もし、知らずに、
この薬を身体に入れることになれば...

あの薬剤師の方は、
私が薬局から立ち去ったあとも、
ずっと調べてくれていたのだろう

全く関係のない仕事なのに...

感謝しかない

未だに忘れられない、
私にとっては、救世主のような存在なのだ

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Source: りかこの乳がん体験記

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