なにかと病院を受診することの多い子供たち。
先輩父母のはなしを聞いていると、子供が小さい頃には頻繁に入院したとか、病院に受診したなんていう話を聞きます。
ここでは医師世帯向けに、子供向け民間医療保険に加入すべきかどうかについて、考察してみたいと思います。
子供医療費は多くの自治体では補助される
なにかと病院にかかることの多い子供たち。多くの自治体では子供の医療費に関して助成がなされています。例えば大阪市を例にとりますと、以下のような記載があります。
病院・診療所などで、診療を受けた場合に、保険診療が適用された医療費及び訪問看護利用料の自己負担の一部を助成しています。
【一部自己負担額】
○ 医療費、訪問看護利用料
1医療機関ごと 1日当たり 最大500円(月2日限度)
- 3日目以降のご負担はありません。
- 複数の医療機関にかかる場合は、1つの医療機関ごとに1日最大500円のご負担となります。また、同一医療機関であっても、「入院」と「通院」、「歯科」と「歯科以外」はそれぞれ別計算となります。(1日のご負担が500円に満たない場合は、その額)
こどもの医療費を助成しますこどもの医療費の一部を助成することにより、こどもの健全な育成に寄与し、もって児童福祉の向上を図ることを目的として、こども医療費助成制度を実施しています。 お知らせと目次 ◎令和6年4月からこども医療費助成制度の所得制限を撤廃します。詳..
というわけで、大阪市では子供の医療費の自己負担分が1日あたり最大500円、3日目以降は負担ゼロになるようです。
診察や処置の内容を考えると、医療にかかる実費としては子供の医療費はほとんどゼロに近くなるといっても間違いではないでしょう。
このような医療費の補助は全国の自治体で行われています。
しかし医師家庭では補助を受けられないことが多い
このように子供の医療費には比較的やさしい日本なのですが、このような恩恵を享受できる世帯には制限があります。先の大阪市のサイトには、下記のような所得制限が設けられています。
ご覧の通り、扶養人員が一人の場合(おそらく奥様or旦那様が専業主婦という仮定?)でも収入額の目安は833万円とされていますから、医師のほとんどはこの制限をクリアすることができません。
もちろん自分が大学院生であると理由で、年収833万円いかなら助成は受けることができるわけですが…(これは悲しい)
したがって医師家庭が子供医療費の助成をうけるというのはほとんど難しいと言うのが実情なのです。
もちろんお金がある世帯はちゃんと医療費を払ってね、というのは合理的な制度ではあるのですが、確定申告で国庫に納入している税金の金額を知っている身分としては、なんとも言えない気分になるもの事実でしょうか…。
そのような背景があるからゆえ、民間保険に加入するのはどうか、というアイデアが浮かんでくるのです。
子供を民間医療保険に加入すべきかどうか
民間のがん保険となると、比較できないくらいにたくさんの保険会社が乱立しているのですが、民間の医療保険で子供を対象にしたものはほとんどありません。
これは上記のように、わざわざ医療保険に加入しなくとも自治体から手厚い医療費補助がなされているからでありましょう。
そんな数少ない民間保険の中から選ぶとするならば、こども補償でしょうか。これはちょうど成人の医療保険と同様に、入院や通院に際して給付を受けることができます。
月々の掛け金は1000円ちょっとですから、年末調整or確定申告による所得控除を考慮すると、自治体からの補助が受けられない医師世帯にとってはお得といえます。
したがって私たち世帯も、このような子供を対象とした民間の医療保険に加入しております。
医師世帯でも使える制度は?
自治体からの補助は難しいわけですが、まだ医療費を取り返すシステムはあります。それは確定申告での医療費控除ですね。
これは子供だけに限らず、一定額以上の医療費がかかった場合にその分を年収から差し引いて税金を計算してれる制度です(上記の場合10万円)
自治体の医療費助成ほどには金銭的なメリットは得られないのですが、少しでも税金を減らし金銭的なメリットを得るためには覚えておきたい制度です。
Source: 医者夫婦が語る日々のこと、医療のこと
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