結局、6時間。

「この数年、ゆっくり眠れていないから、
 たまに早く寝よう」――

襲ってくる睡魔に勝てず、
いつもより1時間も早く、ベッドに入った昨夜

...ということは、

“いつもより1時間多く、睡眠が取れる”

...ということになる

が、目が覚めたのは、
設定した携帯のアラームが鳴る1時間前

結局、睡眠できたのは、いつもと同じ6時間

「これが長年築き上げてきた、
 “体内時計”というものか...」

どうも自分が思っているより、
ひとの身体は精密にできているらしい

乳がんになってから、睡眠がとれなくなった

“がん”という病への不安

そして、

「このまま眠ったら、朝、目が覚めるのだろうか...」

という恐怖

多くのがん患者は「眠れない」と訴え、
長い間、睡眠導入剤を服用している

それほど“がん”は、
心にも影響を与える病だ

私の場合、そこに、
“不眠”という治療の副作用も加わっていた

手術から2年の間は、
おそらく3~5時間の睡眠時間

体調を保つにも、
がん細胞を復活させないためにも大切な“免疫力”

もちろんそれは、
“質のいい睡眠をとる”ことも一つである

が、大切な時に、睡眠がとれない...

痛いこと

食べられないこと

痒み...

と、つらいことはいくつかある

が、この時初めて、
“眠れないつらさ”を実感することになる

乳がんの手術をしたあの日から...

  入院中も、

  手術の傷の痛み、
  これからの不安、
   (それは、がんのことも生活のことも。
    ベッドの中で、夜な夜な涙していたっけ...)

  同室の入院患者の物音、

  看護師さんが忙しそうに
  廊下を行き来するサンダルの擦れる音、

  懐中電灯を持った、
  看護師さんの夜中の見回り、

  隣のベッドで寝ているおばちゃんの大いびきと、
  点けっぱなしのラジオの声...

  そんなこんなで眠れたものではない

  そもそも、病院のベッドでは、
  まともに眠れるものでもない

  「夜、眠れなくなるから」と、
  昼間は一切寝なかったが、
  それでも夜も眠れなかったものだ

...そう、手術をしたあの日から、
きっと私は、
ぐっすり、たっぷり、眠った日はないだろう

たまに、

「休みの日ぐらい、
 8時間くらいゆっくり寝ようか...」

と、思ってみる

が、結局、私の口癖、

「時間が勿体ない」

...という結果に至る

  朝寝坊をすると、
  あとで時間を取り戻すのも大変である

私は昔から、事あるごとに、

「時間が勿体ない」

そう言い続けてきた

そう言い続けてきたのには、
実は明確な答えがなかった

が、乳がんになってその答えがわかった

それは、

『命には限りがある』ということだ

どこかで、

「時間を無駄にしたくない。大切に遣いたい」

そう感じていたのかもしれない

「眠れない」

そう母に訴えたとき、

「今、眠れなくたっていいよ。
 そのうちずっと眠れるんだから」

そう言われたときは...

まぁ、ひとはいつか誰でも死を迎える

が、
こればかりは、ジョークにもならない

  眠れない夜は、
  要らないことばかり考える

  眠って意識がない方が、
  どれだけ楽だったか...

  涙を流した夜は、数知れず

  漆黒の闇は、
  ひとを孤独にさせるものである――

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Source: りかこの乳がん体験記

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