健康な日本人の腸内細菌叢の特徴解明、約500万の遺伝子を発見 平均寿命の高さや低肥満率等との関連も示唆
早稲田大学理工学術院先進理工学研究科の服部正平(はっとりまさひら)教授と東京大学大学院新領域創成科学研究科の西嶋傑(にしじますぐる)博士課程学生らを中心とする共同研究グループ(#後述参照)は、日本人を含めた12カ国のヒト腸内細菌叢データの比較解析を行い、腸内細菌叢の菌種組成が国ごとで大きく異なることや日本人の腸内細菌叢の特徴を明らかにしました。
共同研究グループは、106名の日本人の腸内細菌叢※1の大規模なメタゲノム解析※2を行い、
①日本人腸内細菌叢に約500万の遺伝子を発見し、外国も合わせて少なくとも1,200万の遺伝子をもつこと、
②同じ国の被験者間の細菌叢の類似性が他国の被験者間の類似性よりも有意に高い、すなわち、国ごとに特徴的な細菌叢が形成されること等を明らかにしました。
さらに、日本人データと欧・米・中国等の外国11カ国データとの比較解析から、
日本人腸内細菌叢は、
①ビフィズス菌やブラウチア等が優勢し、古細菌が少ない、
②炭水化物やアミノ酸代謝の機能が豊富である一方で、細胞運動性や複製・修復機能が少ない、
③他の11カ国ではおもにメタン生成に消費される水素が日本人ではおもに酢酸生成に消費される等の違いや特徴が明らかとなりました。
このほか、
④海苔やワカメ(の多糖類)を分解する酵素遺伝子が、約90%の日本人に保有されるのに対して、他の11カ国では〜15%となり、本酵素が日本人集団に特徴的に広く分布していることも明らかとなりました。
以上のような日本人腸内細菌叢の特徴には、生体に有益な機能が外国よりも多く含まれ、その総合的な有益性は日本人の世界一の平均寿命や低い肥満率等と関連することが示唆されました。
https://www.waseda.jp/top/news/39021
腸内細菌叢の菌種組成は国ごとに有意に異なっていることが明らかとなりました。この国特異性は、菌種組成からその被験者の出身国を推定したときの平均正答率が87%となったことから、きわめて高いことがわかりました。日本人データの場合、100%の正答率となり、きわめて特異的な腸内細菌叢であることが示唆されました。
しかしながら、この食事情報からの12カ国の関係と今回の腸内細菌叢データからの12カ国の関係は必ずしも一致しませんでした。つまり、食事以外に、腸内細菌叢の形成に大きく影響する別のファクターの存在が今回の研究から示唆されました。
12カ国の中で日本人腸内細菌叢にもっとも多い5菌種(Bifidobacterium, Blautia, Collinsella, Streptococcus, Unclassified Clostridiales)と
もっとも少ない6菌種(Clostridium, Alistipes, Dialister, Butyrivibrio, Unclassified Firmicutes, Methanobrevibacter smithii)を主要な26優勢菌種中に同定しました。
国民の腸内細菌の特徴として極めて異質な存在かもですね。
日本人を含めた12カ国のヒトの腸内細菌26種の構成を調べたところ、日本人には他の国民に比べて
放線菌門ビフィズス菌(Bifidobacterium)、
フィルミクテス門クロストリジウム綱ブラウチア(Blautia)、
放線菌門Collinsella、
フィルミクテス門バシラス綱レンサ球菌(Streptococcus)、
未分類のクロストリジウム綱の菌(Unclassified Clostridiales)
が最も多く存在していた。
また、日本人の腸内細菌は、炭水化物の代謝能力が高く、海藻類の食物繊維の代謝能力が高く、産生される水素をメタン産生よりも酢酸産生に利用するなどの傾向が高かった。
ということで、、
これらが死亡者の少なさに関係しているとみて良いと思います。
クルーズ船とかの場合、
長期にわたって日本にいる時と食事が違っていたことは感染に負けやすかった要因かな?と思います。
この論文は2016年3月に発表されているみたいです。
気が付きませんでした。
ヒト+腸内細菌=特定の各国人
正に各国のヒト科分類は「食い物」から出来上がっています。
取り敢えずこの辺で。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2
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