先日ダウンロードした、
“接触確認アプリ COCOA”
あれからすでに27日
“濃厚接触の可能性あり”――
「万が一、そんな通知が来たら...」
と、内心、少しビビる
そんな中、数日前、スマホに、
『COVID-19接触のログ記録』
というお知らせが来ていた
「ん? とうとう濃厚接触か!?」
と、不安に駆られながら開いてみると、
“接触チェックの記録”というものだった
そこにはBluetoothでつながった人との接触履歴なのか、
大量の時刻が羅列されていた
「なんだ。陽性者と濃厚接触があったわけじゃないのね」
と、安堵したのだが、
それより気になったのが、その下の項目、
『ヘルスケア』
そういえば以前、
身長や体重、病歴やアレルギーなどを
入力したことがあるのを思い出す
...で、開いてみた
そこには、過去に入力した体重の履歴が、
上書きされずにそのまま残されていた
「4年前は42㎏あったんだ...」
私の体重変遷は、けっこう激しいものがあった
子どもの頃から細かった食
幼稚園、小学校と、
体重は普通の子より軽かった
「もっと太ってね」
と、周囲からはいつも言われていた
あの母の手料理じゃ、
それも仕方ないか...
中学の頃の些細な夢は、
“体重が40㎏になること”
ちなみに、私の身長は低い
中学3年でも僅かに39㎏しかなかったが、
高校に入学し、
4月の健康診断ではぎりぎり40㎏を越える
“夢の40㎏台”である
が、3時限目の早弁
4時限目が終わるお昼にはパンを買い食い
下校時には喫茶店でパフェを食べ...
そんなことを繰り返し、
高校時代は見事に44㎏にまで“おがった”
※“おがる”・・・北海道弁で、
“大きくなる”、“成長する”こと
それでも“ダイエット“なんて、
世間ではまだそれほど認知されていない時代
この期に及んでも“細い”と思っていたから、
なんとも若気の至りである
高校を卒業し親元を離れ、
憧れの都市部で下宿生活
「下宿の食事は不味い」と聞いていたが、
ここの食事が素晴らしくおいしく、
入居者がまだ食べ盛りの大学生ということもあり、
量もすごい
お蔭で1か月で5㎏太る
それでも“太っている”という自覚はない
が、さすがにスカートのファスナーがきつい
「これではいかん」と、一念発起
1か月で太った分の5㎏を落とす
りかこ、19歳のときだった
下宿で1年間お世話になったあと、
一人暮らしをはじめる
同居する親もいない
誰にも気兼ねなく、
好きな時間にシャワーを浴び、
誰にも気兼ねなく、
食べたいときに食べたいものを食べられる
“素晴らしき、一人暮らし”――
...が、これがマズかった...
仕事から帰宅後、
夜遅いにもかかわらず、食べまくった
しかも、
“バランスのいい食事”とはほど遠いものばかりだ
もちろん、見事に5㎏増える
...いや、体重計に乗っていなかったが、
少なくとも6㎏は重くなっていただろう
りかこ、二十歳
体重、50㎏――
しつこいようだが、私の身長は低い
このとき、
職場の上司からは「デブ」と呼ばれる
今なら確実に“問題発言”である
その後も10年ほど、2~4㎏の増減を繰り返す
「これじゃヤバい」
と、真剣に思ったのは、過食を繰り返したとき
食品の栄養などを自分なりに学習し、
『バランスよくしっかり食べて痩せる』ことに成功
その後はリバウンドなく、
乳がん告知まで至る
もちろん、何度か1~2㎏の増減あり
私は過去に39㎏まで体重が落ちたことがある
1度目は、20代の頃
痩せるのが面白くて、
ちょっと落とし過ぎたとき
そしてもう1度目が、乳がん治療中、
同居していた両親に、
「出ていけ!!」と怒鳴られたとき
このときは食べるものもなく、
“家庭内サバイバル”であった
乳がんのホルモン療法は、
「太る」と聞く
が、どうも私の場合は痩せる方だったようだ
副作用で6年間、
胸がむかつき、食べ物もおいしくなく、
食欲があまりなかったことも原因かもしれない
そんな長年の少食に胃袋が慣れてしまったせいか、
年々体重が落ちている
本当に食欲がないときは40㎏を切ることもある
3度の食事だけでは、
生命を維持するだけの充分な熱量が足りないらしい
間食で体重を維持しているのが現状なのである
まぁ、そんな私の体重変遷
食べることは生きること
そして、
“食べる楽しみ”がある
仲間と食事をすること
様々な料理が食べられること
そこには感動もある
それは、
“人間だけに与えられた喜び”なのだと思う
亡くなった母と私の口癖は、
「食べられなくなったら終わりだ...」だった
そんな思いもあったのだろう、
母は息を引き取る数時間前まで、
自分の口から食べ物を摂っていた
それは、生きるため
生きたいという希望
決して、“楽しむための食事”ではなく
食べられることはありがたいと思う
「おいしい」と感じられることは、
しあわせなことだと思う
昔、こんな質問があったっけ
「あした死ぬとしたら、最後になに食べたい?」
がんを経験した今、答えに窮する質問である――
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Source: りかこの乳がん体験記
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