“実用化”という言葉に騙される。

  【実用】とは――

    実験や理論の段階ではなく、
    実際に使うこと

乳がんになって...

いや、乳がん告知を受けて、まもなく14年

これまで何度も“実用化”という言葉を耳にしてきた

たとえば、

  ○唾液でがん検査
  ○血液
  ○唾液
  ○尿1滴
  ○線虫
  ○がん探知犬――

そのたび、

「時間も費用も、
 そして身体に負担のかかる、
 部位ごとのがん検査からも解放されるかも...」

そんな微かな望みを抱いた

苦痛を伴うマンモグラフィ検査も、

『“痛みのない乳がん検査”実用化へ』

  ・がんを色で見分ける超音波検査
  ・無痛MRI検査(ドゥイブス・サーチ)など

...と、聞くたび、

「これで痛い思いをしなくて済む」

と、思うと同時に、

「乳がん検診率が上がり早期発見につながれば、
 乳がんで命を落とす人が
 少しでも減るかもしれない」

そんな希望も抱いた

『涙で乳がん検査』という話を聞いたときは、

「そんなに簡単にがんがわかるのか?」

と、疑問とともに期待を持った

が、この13年、
なにか変わった検査はあっただろうか...

相変わらず、がん検査は部位ごと

乳がん検査も、痛みを伴うマンモグラフィ

そして、超音波検査との併用

なに一つ、変わってはいない

“実用化”といっても、結局、
開発した大学や医療機関、
保険適用外の医療施設などでしか
行われないケースがほとんど

全国の全ての医療機関で
“一般的な検査”となるわけではない

  ※検査による健康保険適用は、
   自覚症状があって検査をする場合のみ
    (無症状の場合は、保険適用外)

  ○検査自体が恥ずかしい
  ○痛いのが嫌
  ○時間の都合がつかない

...というのが、
がん検診率を上げない要素であるが、

そこそこ高い検査費用も、その要因の一つだ

  しかも、
  “1年に1度受けなければならない”と思うと、
  精神的な負担も、かなり大きいものである

こうして、

『いついつ実用化――』

と聞くたび、一喜一憂するのだが...

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Source: りかこの乳がん体験記

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