おはようございます。
昨日に引き続き、楽天・バンガード・ファンドの第1回決算報告書で明らかになった実質コストについて取り上げます。
楽天VTの実質コストは0.502%でしたが、もう一つの売れ筋商品である楽天VTIの実質コストは0.311%と発表されました。
楽天VTIの直接的なライバルはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)ですが、この結果を踏まえてどちらを購入すべきか検討してみます。
楽天VTIの実質コストは0.311%、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に追い風か?
VTIとS&P500のパフォーマンスはほぼ等しい
まずはVTIとS&P500 ETFのパフォーマンス差がどの程度あるかです。
実質コストの差以上にパフォーマンスに差がある商品であれば、比較することはできません。
当然、パフォーマンスのより優れた方を購入するのが最適となるからです。
さて、以下の10年チャートを見れば一目瞭然ですが、VTIとS&P500(IVV)の値動きはほぼ同じと言ってよいです。
(Yahoo financeから引用)
実際には10年間のリターンはVTIが+134.15%、IVVが129.38%と5%程度の差がありますが、この傾向が将来に渡って続くかは不明です。
運用額が億単位ならば話は別ですが、運用額が数百万円程度の個人投資家が気にするほどの差はないと言えます。
パフォーマンスが近似しているためコスト差がより重要となる
VTIとS&P500のパフォーマンスに大差がない以上、コストの差はより重要になります。
運用成績は将来になってみないと分からない不確定なものですが、コストに関しては毎年確実に支払う必要があるものだからです。
VTIとIVVの経費率は0.04%と肩を並べており、0.01%を争う水準まで低いわけですから、その努力を無にするようなファンドは購入すべきではないでしょう。
実質コストの差によってはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を選んだ方がよい
楽天VTIの信託報酬は0.1696%と十分に低い水準ですが、実質コストは0.311%で、信託報酬以外の隠れコストが0.142%あることが分かりました。
一方で、eMAXIS Slimシリーズは、信託報酬と実質コストの差である「隠れコスト」が比較的小さいことで有名です。
上のしんたろうさんの記事を見ていただければわかりますが、eMAXIS Slim先進国株式の信託報酬は0.11826%、実質コストは0.198%ですので、隠れコストは0.08%です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の信託報酬は0.1728%で、実質コストがどれくらいになるかは正確には分かりませんが、他のファンドと同レベルの運用が可能ならば0.25%程度に落ち着く可能性も考えられます。
そうなれば、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を選ぶ人も増えるかもしれませんね。
まとめ
楽天VTIの実質コストは0.311%で、信託報酬以外の隠れコストが0.142%あることが分かりました。
楽天VTと異なり、楽天VTIは米国株式にのみ投資をしますので、三重課税によるロスが少ない分、隠れコストも小さくはなっています。
とはいえ、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が安定した運用を見せれば実質コストで十分に上回る可能性があると思います。
こんな記事も書いています。
長期のインデックス投資のようなプラスサムゲームに参加するのが資産形成の鉄則です。VTもしくはVTIが最適解だと思います。
永久ホールドに値しない銘柄を「バイ&ホールド」し続けるのは無駄です。さっさと売って、気持ちを切り替えて次に行った方がよいでしょう。
楽天VT、楽天VTIのこの1年間の純資産総額の伸びは素晴らしいものでした。今回の実質コストの発表を受けて、今後の売上がどうなるか注目しています。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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