おはようございます。
当ブログの読者の方から、夫婦での資産形成について以下のご質問をいただきました。
いつもわかりやすく、ためになる情報ありがとうございます。
30代前半、医師夫婦で昨年からやっと資産形成をはじめたところで、
日々、先生のブログ、Twitterで夫婦で勉強中です。
色々調べても答えがでず、先生にぜひ教えていただきたいことがあります。
現在夫は毎月VTを積立しており、私はemaxis slimオールカントリーを積立しています。
まだ貯金をうつしている段階で、それぞれ毎月50~60万程度の額です。
貯金をうつし終わった後も、おそらくそれぞれ毎月20~30万程度は積立可能と考えられます。
20年後ぐらいに子どもの教育資金を作る目的ではじめましたが、長い目でみて、配当金なども考えると私もETFの積立の方が良いのか?と疑問が出てきました。
ただ、夫婦ともに同じ資産形成の方法をとると、万が一の時に二人で共倒れになる可能性もあるので、そういう意味で私は投資信託でも良いのか?と迷っています。
共働きの場合は夫婦での資産形成について先生はどのようにお考えでしょうか。
もちろん自己責任となることも重々承知ですが、ぜひご意見を伺いたいです!
どうぞよろしくお願い致します。
今後もブログ更新楽しみにしております。
ご質問ありがとうございます。
最近はご質問をいただくことが多くなり、回答までに時間を要していますが、目は通しておりますので、遠慮なくご質問ください。
結論は以下の通りです。
1) VTでもeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はどちらを選択してもOKです
2) あまりに人気がない商品ですと、繰上償還される可能性がありますが、この2商品ならばまず大丈夫だと思います(ただし、より安全なのは本家VTでしょう)
3) 理論的に間違った方法でなければ、夫婦ともに同じ金融商品に投資をするのは全く問題ありません
4) むしろ重要なのは、ご夫婦の資産状況を常に共有し、家計全体での「現金と株式のバランス」を意識することです
以下、詳細を見ていきます。
夫婦ともに同じ金融商品・投資手法を選択することはデメリットか?
VTとeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はどちらでもほぼ同じ
最近、投資信託かETFかどちらがよいかご質問をいただくことが増えてきました。
これに関しては、
「同じ指数に連動する商品であれば、投資信託でもETFでも大差はない」
と考えていただければOKです。
もちろん、投資信託には、
・ETFよりもわずかにコストが高い(昔と比べれば微々たるもの)
・分配金が自動再投資されるので税効率がよい
・日本円のままで外貨建資産を保有することが可能
・リアルタイムでの売買には向かない
といった特徴がありますし、米国ETFには、
・投資信託よりもさらに低コスト(VTIなどは0.03%という信じられないレベル)
・定期的に分配金が振り込まれる(税金的には非効率)
・リアルタイムでの売買が可能
といった特徴があります。
とはいえ、トータルリターンとしてはどちらを選んでも大きな差は出ないでしょう。
私個人は昔からの流れでETFを活用していますが、これからインデックス投資を始める方には投資信託をおすすめしています。
VT、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は繰上償還の可能性も低い
さて、次に繰上償還の可能性についてです。
あまりに売れ行きが悪い不人気な商品ですと、繰上償還といって、あらかじめ決まっていた信託期間が修了する前に、投資信託の運用が修了する可能性があります。
長年その金融商品を信じて積み上げてきたのに、ある日突然その商品自体が消えてしまうというイメージでしょうか。
繰上償還のリスクは投資家としてはできるだけ避けたいところですが、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に関しては、インデックス投資家から強い支持を受けていますので、まず心配ないと考えています。
もちろん、純資産総額1兆円を超える本家VTは言うまでもありませんね。
夫婦ともに同じ金融商品に投資することは問題なし
次に、夫婦ともに同じ金融商品に投資することについてですが、繰上償還のリスクや、手数料が割高であるなど金融商品自体に問題があるケースを除けば全く問題ありません。
夫婦ともに個別銘柄1点に全財産を集中投資というのは問題ありますが、VTの場合は、それ一本で全世界の約8000銘柄に分散投資できているわけですから、OKでしょう。
そもそも、インデックス投資、特にオーソドックスな全世界分散投資を検討した場合、ほとんどの方が最終的にeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)かVTに行き着くはずです。
となれば、同じ金融商品を購入することは全く問題ないばかりか、むしろ夫婦ともに同じ価値観を持って資産形成に望んでいることになりますので、長期的にみれば望ましい可能性すらあると思っています。
家計全体での「現金:株式」のバランスを意識すべき
今回のご質問の鍵は、ご夫婦がVTかeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)のどちらに投資するかではありません。
最も重要な点は、ご夫婦の資産状況を常に共有し、家計全体での「現金:株式」のバランスを保ち続けることです。
要するに、ご自身のリスク許容度を正確に見積もり、許容できる範囲内でできるだけ株式のバランスを高く保つこと。
そして、そのバランスが大きく乱れないよう、年に1回程度でよいのでリバランスを実施することです。
そこだけ間違わなければ、毎月20万〜30万円の積み立てが可能ということですので、将来の成功はほぼ約束されています。
まとめ
インデックス投資を前提とすれば、夫婦で同じ金融商品を購入することは全く問題ないと思います。
再三申し上げていることですが、「適切に分散された株式をできるだけ長く保有し続ける」ことが鉄則です。
【おすすめ本】
若いうちはほぼ全財産をVTSAX(ETFではVTI)に投資してあとはひたすら放置しろという内容の本です。
ものすごくシンプルですが、勝てる見込みの高い手法だと思います。
アドラー心理学の大ベストセラー『嫌われる勇気』の続編です。
対話形式なのでものすごく分かりやすくアドラー心理学について学ぶことができます。
こんな記事も書いています。
つみたてNISAなどの非課税口座のメリットを最大限に活かすには、株式100%で運用するのが正解です。
長期のインデックス投資であればプラスサムゲームになる可能性が高いです。
ジュニアNISAを活用する場合は、分配金が自動再投資される投資信託の方が効率的でしょう。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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