おはようございます。
私自身は、インデックス投資は老後に向けた資産形成の方法として万人向け・かつ最適な手法の一つだと思っています。
一方で、アーリーリタイアを目指しているような人にとってはインデックス投資は適さないでしょう。
何かを達成しようとする時には、その目的に合致した手段を選ぶことが重要です。
目的と手段が合致していなければ、その手法でいくら努力を重ねても望んだ結果は得られません。
インデックス投資だけでアーリーリタイアというのは厳しい
アーリーリタイアを考えるならば毎月の安定したキャッシュフローが重要
アーリーリタイアを考えるうえで最も重要になるのは、毎月の安定したキャッシュフローです。
仮に手元に5,000万円のキャッシュがあったとしても、それが毎月安定したキャッシュフローを生み出さなければ、安心して生活ができません。
長年サラリーマンをやっていると毎月の給与収入というのは「もらって当然」という気分になりますが、毎月20万~30万の安定収入を得るというのは実は非常に大変なことです。
キャッシュは新たな富を生み出さず、インフレに対して脆弱
5,000万というと大きなお金に見えますが、それをキャッシュで保有している限り、キャッシュ自体は新たな富を生み出さず、どんどん減っていきます。
生活費として消費すればその分減っていくのは当然ですが、将来インフレが進めば実質的な価値は毎年目減りしていくことになります。
一方、その5,000万円が4.0%の利回りのある高配当株であれば見える景色がちがってきます。
毎月のキャッシュフローを優先するという意味においては、アーリーリタイアと高配当戦略というのは比較的相性がよいからです。
5,000万円の4.0%は200万円/年となりますが、実際にはその20%は税金で引かれますので、約160万円/年となります。
ただ、160万円/年でもギリギリの数字です。
まず、サラリーマンと異なり、株価の変動によって収入が大幅に減りうるのが大きなリスクですね。
配当収入は株価の変動よりは安定的ですが、それでもリーマンショック級の大暴落が訪れればそれなりのダメージを受けることになります。
また、160万円ですと一人暮らしならば不可能ではありませんが、配偶者・子持ちであれば生活が成り立ちませんね。
こうしてみると、株式投資だけでアーリーリタイアというのが思いのほか難しいことがわかります。
インデックス投資であれば主要なETFの配当利回りは2.0~3.0%に過ぎない
次に、なぜインデックス投資だけでアーリーリタイアというのが非現実的かという点についてです。
インデックス型の商品の場合、VT(全世界株)、VTI(米国株)、VEA(米国を除く先進国株)、VWO(新興国株)といった商品が代表選手になります。
それらの商品は広範囲に分散されているがために、その分配利回りというのは2.0%~3.0%程度にすぎません。
もちろん、これは税引前の数値ですので、国内および外国税を考えますと実質利回りは1.5%~2.4%まで下がります。
つまり、インデックス投資で狙える配当利回りというのは2.0%前後です。
2.0%ですと、1億円を積み上げて年間200万円のキャッシュフローを得ることになります。
先ほども述べたように、年間200万円では配偶者・子持ちであれば生活が成り立ちません。
現実的には、2億円くらい積み上げないとインデックス投資でアーリーリタイアというのは厳しいのではないでしょうか。
アーリーリタイア狙いならば不動産などの現物投資も検討しよう
アーリーリタイア狙いならば、不動産などの現物アセットを組み合わせる方が現実的かと考えます。
特に、不動産の場合は融資を得ることでレバレッジを効かせられることが大きいです。
もちろん、裏目に出れば身を滅ぼす可能性もありますので、万人におすすめできる投資ではありません。
しかし、アーリーリタイアを本気で狙うならば毎月の安定したキャッシュフローを稼ぐ必要があり、その中で比較的再現性のある投資となりますと、やはり不動産が王道ではないでしょうか。
太陽光も時代を選べばよかったのでしょうが、今はすでに旬を過ぎ、門が閉じられかけている状態ですね。
株式投資だけでアーリーリタイアを狙う、特にインデックス投資だけで狙うよりはよほど目的と手段が合致しているように思います。
まとめ
インデックス投資だけでアーリーリタイアというのは非現実的です。
高配当株戦略でアーリーリタイアは独身・一人暮らしならば可能かもしれませんが、少なくとも5,000万円以上の資産は必要ですね。
【SBI証券】
VT・VTIなどの外国株投資ならば、為替コストを考えますとSBIを利用するのが最適でしょう。
こんな記事も書いています。
高配当株が実を結ぶのは、資産が数千万円単位になってからです。資産が少ないうちに高配当戦略をとっても得られるものは少ないです。
アーリーリタイアを本気で狙うならば、毎月の支出レベルを抑えることが重要です。
仮にVYM、HDVといった高配当株ETFを選択したとしても、その実質利回りは2.5%、せいぜい3.0%が限界です。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
コメント