おはようございます。
当ブログの読者の方から、米国株式へ投資するファンドのうち、楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)かeMAXIS Slim米国株式(S&P500)への投資はどちらがベターかというご質問を頂戴しました。
ちゅり男さん、おはようございます。
ご相談がございます。
これから楽天証券で楽天カ-ドを使って、つみたてNISAを始める予定です。クレジット1%が魅力です。
そこでファンドを悩んでいるのですが、楽天全米式株式とeMAXIS slim S&P500とどちらがベタ-でしょうか?
とりあえず月に1万円、慣れてくれば3.3万の満額積み立てていきたいと思います。
ブロクを拝見すると、迷ったら両方ともやるとありましたが、出来ればシンプルにどちらかに統一していきたいなと考えております。
厚かましいお願いで申し訳ありませんが、アドバイスの程、宜しくお願い致します。
つみたてNISAで楽天VTIとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)のどちらを積み立てるべきか?
結論から書きますと、
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が2018年7月に設定されたばかりのファンドであり、決算運用報告書が発表されていないため、現時点で両者の優劣を結論づけることは困難だと思います。
そのうえで、楽天VTIとSlim米国株式(S&P500)の優劣について検討してみたいと思います。
VTI vs S&P500 ETFではどうか?
楽天VTIとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)はベンチマークが異なります。
そもそも、VTIとS&P500のリターンに差があり、明らかに片方が優れているのであれば投資先を選ぶのは簡単です。
そこで、まずはVTIとS&P500の過去のリターンを見てみます。
5年リターンはほぼ同じです
まずは、2013年〜2018年の5年リターン(配当込)です。
緑がVTIで青がIVV(S&P500)です。
VTIが+94.1%、IVVが+96.8%とわずかにIVVが上回っていますが、5年間で3%弱のリターンの差というのは無視してよいレベルでしょう。
つまり、この5年はVTIとS&P 500は互角と言えます。
10年リターンもほぼ互角です
次にVTIとIVVの2008年〜2018年の10年リターン(配当込)を見てみます。
VTIが+158.8%、IVVが+152.3%となっています。
10年間で6.5%のリターンの差しかありませんので、こちらもほぼ互角と申し上げてよいでしょう。
VTI設定来の2001年〜2018年のリターンではVTIが上回る
最後に、VTIが設定された2001年から2018年までの長期リターン(配当込)を見てみます。
このチャートでは、明らかにVTIの方がIVVを上回っているように見えます。
VTIが+259.8%、IVVが+224.1%で約35%の差がついていますので、まずまず大きな差と言えるでしょう。
2000年代後半、およびリーマンショック後の回復過程において、小型株を含むVTIのパフォーマンスがS&P500をやや上回ったと言えそうです。
ファンドの運用の優劣も重要となる
以上より、18年間の長期チャートになるとVTIの方がやや有利という結論が導き出されました。
しかし、これはあくまで過去のことですので、この傾向が将来にわたって継続するかは分かりません。
一方で、両者は5年程度ではほとんど分からない程度の差しかありませんから、VTIが有利かS&P500が有利かという問題よりも楽天VTI、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のファンドの運用に問題がないかどうかの方が大きな差になりえます。
先日の楽天バンガードファンドの初回の決算運用報告書において、楽天VTIの実質コストは0.3%程度という事実が判明しました。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)はそれを若干下回るのではないかと推察しますが、そこまで大きな差にはならなさそうです。
繰上償還などのリスクも考慮して投資方針を決めよう
楽天VTIとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)はどちらも同じレベルで優れた商品と言えますが、まだ発売されて歴史の浅い商品です。
繰上償還などのリスクを回避する、また、どちらの商品の運用に致命的な問題が出てきた場合のリスクヘッジとして両方とも保有するのも悪くない選択肢かと思います。
両者ともノーロード型(買付手数料無料)のファンドですので、両方とも保有したとしても手数料がかさむことがないからです。
そのうえで、私がどちらか一方だけ購入するとすれば、やはり超長期チャートでリターンが高かった楽天VTIでしょうか。
まとめ
楽天VTIとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は正直申し上げて好みで選んでよいレベルの差しかありません。
しかし、どちらも日の浅いファンドであり、両者の長期の運用実績が判明するまでは両者を保有する選択肢もありだと思います。
こんな記事も書いています。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の発売が発表された直後に両者を比較した記事です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が他のSlimシリーズと同様の運用成績を残せるならば、実質コストは0.25%程度に落ち着く可能性があります。
低コストで米国株投資が可能な投資信託ベスト3です。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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