全身の抗がん剤投与と動注化学療法

外科医

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みなさん、おはようございます
2代目ガンちゃん先生です

本日は、
岩本内科で
進行肝臓がんや
転移性肝がんに行う
カテーテルを使った抗がん剤治療
肝動注化学療法
について、

全ての癌は原則的に
動脈から栄養をもらって、
大きくなります

その動脈から
直接抗がん剤を流すのが
肝動注化学療法の
基本的な考えです

全身化学療法では、
静脈からの点滴や内服などで
抗がん剤を投与しますが、

点滴静脈から投与された抗がん剤は、
まず、心臓に入り、
肺を通過して、また心臓に戻り、
それから、全身に流れていきます

内服された抗がん剤は、
まず腸から、門脈と呼ばれる血管を通って、
肝臓に、そして、心臓に戻り
肺⇒心臓⇒全身に流れていきます

抗がん剤投与には、
初回通過効果(first pass effect)という言葉がありまして、
最初に薬剤が通過する臓器に薬剤が影響(代謝、分解)などされてしまうという現象ですが、

簡単に言うと、
全身の抗がん剤投与では、
癌に到達するときには薬剤の一部しか効果していないという事なのです

と言っても、全身の抗がん剤治療は
それでもちゃんと
効果が認められたので、標準的な治療として立証されているので
問題ない
のですが、、

それを、ちゃんと、癌の動脈に直接流せば、
少ない量でもしっかりとした薬効が出せるのではないかというのが、
動注化学療法の考え方
です

動注化学療法を適切に行うためには、
動脈にカテーテルを留置(安定的に設置)しまして、
太ももの皮下前面に、
ポートと呼ばれる接続部を埋め込みます

それで、そのポートに刺せば、
100入れた薬剤が、
100ちゃんと、無駄なく、
癌に行き届く仕組みを作る
のです

ですが、
このカテーテルを留置する手技も
なかなか難しく、
今では、大きな病院でも
行える先生が少なくなってきているのが現状です

カテーテルを留置する方法も
幾つかあって、

肝動脈投げ込み法、
胃十二指腸動脈固定法
コアキシャル法
 など、

これらのやり方を使えば、
基本的には、どんな血管でも
カテーテル留置を行う事ができます

(条件によってはできない事もあります)

先週も、
通常のやり方では留置が難しかったので、
コアキシャル法を使って留置しました

スライド2
スライド6

少なくとも、これまで私が留置できなかった症例は、
一例も無かったかな?・・
・・・いや、一例ありましたが、
その一例も、特殊型リザーバーの留置という別のやり方で
クリアしました

岩本内科では、
年間50から70件
カテーテル留置手術を行いますが、
おそらく日本でもトップクラスのはずです

これくらいの件数を行っていれば、
手技にも慣れますし、腕も磨けますので、
まったく抵抗なく(神経を使うのでとっても疲れますが・・・)
留置を行いますが

数が少なく、経験が浅いと
かなりハードルが高く感じてしまうかもしれません

点滴や内服の治療は、
投与自体は簡単に行えますので、
標準的な治療になりやすいのですが、

このように技術や経験が極めて必要な
手技や治療は、
なかなか標準化しにくいのです

これも動注治療の問題点の一つなのです

という事で、今日も
カテーテル留置が2件です

神経使ってへとへとになりますが、、
さて、ガンばりますか

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肝臓がん、転移性肝がんでお困りの方は、いつでも、どんな状態でも一度、岩本内科医院にお問い合わせください。
Source: ガンちゃん先生奮闘記

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