本当は、病気にならない方がいい
本当は、乳がんになんてならない方がいい
がんになって、失うものは本当に多い
これまで続けていたものも、
これからやりたかったことも、
すべて奪われる
なんなら、命まで脅かされる
でも、きれい事を言うと、
病気に気づかされたことは多い
がんにならなかったら、気づかないまま、
今日まで過ごしていたかもしれない
病気は、ひとを成長させてくれると思う
誰かの痛みも、
感謝の心も、
きっと、病気が与えてくれた感情
優しさも、
思い遣りも、
がんにならなければ、きっと、蔑ろにしていた
そんな思いを知ったからこそ、
今が大切だと思える
一時間一時間、一日一日が、
「生きている」と思える
ごはんがおいしいと嬉しい
笑えることが楽しい
美しい景色を観ると涙があふれる
優しい言葉が心に沁みる
乳がんにならなかった人生と、
乳がんになった人生
どっちがいいかなんてわからない
乳がんになってしまったのだから、
比べることもできない
身体が2つあれば、
どっちの人生も試すことができたのかもしれないけれど
ただ、乳がんになったのは事実で、
今、私は乳がんになった人生を歩いているということ
だから、受け入れて生きてゆくしかない
そんな私は、きっと、しあわせなのだ
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Source: りかこの乳がん体験記
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