おはようございます。
当ブログの読者から以下のご質問をいただきました。
40前の外科医です。
いつも情報発信をありがとうございます。
株式(非課税枠を最大限に利用)+キャッシュでポートフォリオを構成しておりましたが、 ゴールドをポートフォリオに組み込むか思案しております。
理由は、金融緩和政策が続きそうなことと、株価上昇が著しいため弾けた場合のクッション形成の2点です。
以下の点についてちゅりお様のご意見を伺えれば幸いです。
①ポートフォリオにゴールドを組み込む意義はあるか、割合としてどの程度が適正か
②ゴールドの位置付けはどう考えるべきか (キャピタルゲイン or 株価暴落時のクッション長期積立)
③投資を実施するのであれば、どの形態で投資するのが最適か
・金貨/金地金 ・純金積立 ・投資信託 ・金ETF ・金先物/CFD
あれこれ手を加えすぎると結局、パフォーマンスが悪くなるとわかっていながらも、ちゅりお様のご指摘の通り、不安心理というものは中々消えないです。
やや抽象的な質問で恐縮ですが、屈託のないご意見を伺えますと幸いです。 宜しくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと以下の通りです。
1) 長期投資のコア資産は株式です。金そのものは株式のように配当などの新たな価値を生み出しません
2) 金の値動きは株式と逆相関の傾向がありますので、その値動きに魅力を感じるならば投資対象としてアリです。ポートフォリオのバランサーとしての役割を期待します
3) 金投資は私ならば金ETFを選択します。私自身が米ドルでポートフォリオを組んでいることと、金ETFは純資産総額も潤沢で流動性に問題がないからです
以下、1つ1つ掘り下げてみていきます。
ポートフォリオに金(ゴールド)を組み込む意義
長期投資のコア資産は「株式」で決まりです
投資のリターンはあくまで「株式」で追求するのが本流です。
よって、株式以外のアセットクラスに求めるのはポートフォリオ全体で見た時のリスク低減効果です。
以下のチャートはリーマンショック前〜現在の長期チャートで、青がGLD(金)、ピンクがVTI(米国株)、水色がBND(米国債券)です。
ひと目で分かる通り、金は株式と逆の値動きをしています。
株高局面(ドルが好調)では金は売られ、株安局面(ドルが不調)では金が買われる傾向にあるからです。
BND(米国債券)は長期でみるとゆっくりと上昇していますが、そもそも株式や金ほど値動きが大きくないので現金に似た役割が期待されます。
ゴールドの値動きに魅力を感じるならば投資対象としてはアリ
このように、株式と逆の値動きを示すというゴールドの特性に魅力を感じるならば、GLDに少額投資をするのはありでしょう。
ただ、金そのものは株式のように配当などの富を生みださないという大きな欠点があります。
あくまでポートフォリオのバランサーとしての役割にとどめるべきでしょう。
GLDを30〜40%も保有するのはちょっと違うかなという感じがします。
一方で、GLDを5%少々保有したところで、投資割合が少なければ株式の値動きを抑えるようなクッションとしての役割が期待できませんので、難しいところです。
つまり、クッション役としての働きを十分に期待するとなると、GLDを相当な割合で保有する必要がありますが、長期投資の主役は「株式」であるべきなので矛盾が生じます。
また、金ETF(GLD)の経費率が0.40%と割高なのも見逃せません。
GLD自体は配当などの富を生み出しませんから、GLD自体の値上がりがなければ毎年0.40%ずつ損をすることになるからです。
金に投資するならば金ETFを選択します
上記の理由から、金ETF(GLD)への投資は必ずしも必要ありません。
シンプルに、
1) キャッシュ+株式
もしくは、
2) キャッシュ+債券+株式
でもよいでしょう。
特に、投資総額の小さいうちは1)のキャッシュ+株式で十分です。
少額のキャッシュをわざわざ債券にかえるだけ余分な手間がかかるからです。
一方、投資スケールが大きくなってきますと、キャッシュをそのまま寝かせておくよりもポートフォリオのバランサーとしてBND、AGG、BNDXなどの債券ETFやGLDを保有する選択肢もあります。
最後に、金をどのような手段で保有するかですが、米ドルでポートフォリオを組んでいる方であればシンプルに金ETFをおすすめします。
GLDをはじめとした金ETFは純資産総額も申し分ないですし、流動性も保たれているからです。
ETFを利用して投資をするならば、
「GLD:SPDR Gold Shares ステートストリート社の金ETF」
「IAU:iシェアーズ ゴールド・トラスト」
あたりが候補になるでしょう。
経費率の点ではIAUの方が0.25%と優秀ですね。好みでよいと思います。
まとめ
金(ゴールド)は株式と逆に動く値動きが魅力で、ポートフォリオの組み込むことでバランサーとしての役割が期待できます。
一方、金自体は配当などの付加価値を生まないこと、金ETFの経費率がやや割高であることに注意が必要です。
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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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