おはようございます。
当ブログの読者から以下のご質問をいただきました。
ちゅり男先生、はじめまして。
いつもブログを楽しく拝見し、また勉強させていいただいております。
最近、資産形成について情報収集をし始め、多くの方のブログ、youtube等を拝見していく中で、
ちゅり男先生のブログでの質問者さんへの回答がわかりやすく、素人の私も質問させていただきたい!と思いメールさせていただきました。
基本的なことかもしれないのですが、いまいち整理ができず、ご助言いただけますと幸いです。
●現在の状況
・夫婦(ともに30代半ば)、子供はまだ。
・50歳までに、5000万円の資産を作り、セミFIREを目指したい。
・私(夫)は会社員、年収700万。妻はパート、年収100万。
・企業型確定拠出年金あり(マッチング拠出とあわせて計2万/月)。こちらは外国株インデックス(MSCI-KOKUSAI)、国内株インデックス(日経225)を7:3の割合で運用中。
・投資は上記以外なく、これから本格的に始めようとしている。
・投資の方針としては、米国株(S&P500)に連動したインデックス投資をメインにして、利回り4%を目指したい。
●資産の状況
・預金が2000万円(私の口座に1200万、妻の口座に800万)
・妻名義の預金型の保険2種(各500万、元本割れしないタイミング(あと2年)でそれぞれ引き出し、投資に回す予定。)
・生活防衛資金として500万は残し、残りを投資で運用したい。
・毎月の夫婦の収入からも、投資に回せるお金として10万/月。
●お聞きしたいこと
・元手となる資金は、預金と解約予定の保険を合わせた3000万のうち、2500万です。
インデックス投資は資金を一つにまとめた方がパワーが出て複利の効果も最大化できると思うのですが、夫婦それぞれで資金を持っている場合、どのように運用をすることが最適解になり得るでしょうか?
やはりそれぞれの口座で運用することになりますでしょうか。
・ちゅり男先生なら、この資金をどのように運用されますでしょうか?
情報が整理されておらず、わかりにくいかもしれません。
ど素人の質問で大変恐縮ではございますが、アドバイスいただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。
これからも、応援しております!
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと以下の通りです。
1) 今後のお子さんの予定にもよりますが、インデックス投資のみで50歳までに5,000万円の資産を築くことは十分に可能です
2) 夫婦でつみたてNISAを満額(年間80万円/年)、夫は企業型確定拠出年金をこのまま継続します
3) 投資に慣れるまで時間を分散しながら投資するのがよいです
以下1つ1つ掘り下げてみていきます。
2,500万円の資金を活用してインデックス投資を始めたい
インデックス投資のみで50歳までに5,000万円の資産を築くことは十分に可能
今現在の年齢が30代半ばで、手持ちに2,500万円投資に回せる資金があれば、「50歳までに金融資産5,000万円」は達成可能だと思います。
毎月の収入から10万円/月の投資を継続することができればという条件はつきますが、貯蓄とインデックス投資のみで十分に達成可能です。
単に毎月10万円を貯金するだけでも年間120万円の貯金となり、それを50歳まで約15年継続すれば1800万円の上積みになるわけです。
今すでに3,000万円の金融資産をお持ちですから、貯金だけでも4,800万円になりますので、5,000万円が目標であれば株式投資で大きく無理をする必要がないことが分かります。
ほんの少しのプラスアルファがあれば達成可能な目標ですので、現実的な目標をたててコツコツ継続していくことが重要です。
つみたてNISAを夫婦で満額活用しましょう
次に、「インデックス投資では資金を1つにまとめた方がパワーが出て複利の効果も最大化できる」というのは勘違いですね。
資金を一箇所でまとめてもまとめなくても、トータルの金額が同じであれば変わりません。
以下の例を見てみましょう。
例1:500万円を1つの口座で保有し、年利5%のリターンがある場合
「500(万円) x 1.05 x 1.05 x 1.05・・・・」
例2:100万円ずつ5つの口座で保有し、それぞれの口座で年利5%のリターンがある場合
「100(万円) x 1.05 x 1.05 x 1.05・・・・」x 5
上の2つの計算式を比較すれば明らかですが、どちらも結果は同じになります。
よって、夫婦で別々の口座で運用してもかまわないので、つみたてNISAなど非課税口座を最大限活用することが重要となります。
インデックス投資の期待リターンは年数%にすぎませんので、運用益や配当金が非課税になるNISAやiDeCoの効果は絶大です。
パートタイムですとiDeCoの所得控除の恩恵はあまり得られませんから、まずは夫婦でつみたてNISAの口座を開設し、上限いっぱい(夫婦で80万円/年)活用することから始めましょう。
投資に慣れるまで時間を分散しながら投資する
手持ち資金が2,500万円と金額が大きいことと、50歳時に金融資産5,000万円というのは無理をせずとも達成可能な目標であることから、個人的には時間を分散しながら手持ち資金を株式に投入していくのがよいと思います。
インデックス投資の場合、期待リターンがプラスの物に投資をするわけですから、できるだけ早く市場に資金を投入して投資期間を長く確保した方が理にかなっているというのはその通りです。
しかし、株式投資はメンタルとの戦いという側面もありますので、理論と実践を切り分けて考える場面も必要です。
私個人の意見としては、手持ち資金が大きければ大きいほど、よりリスク管理を徹底して分散して資金を投入すべきだと考えます。
とはいえ、このあたりは各個人の投資に対する考えにもよりますので、絶対的な正解はありません。
例えば、初めに手持ちの2,500万円のうち500万円くらいを一括で投資し、その後2〜3年かけて資金を投入していくイメージでしょうか。
「S&P500に連動したインデックス投資をメイン」とありますので、投資対象はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)でよいと思います。
まとめ
自分の手持ち資金や収入、家庭環境、および達成したい目標を明確にし、それを達成するために現実的な戦略を練ることが重要です。
【おすすめ本】
これからインデックス投資を始める方は、実際に投資する前に山崎先生の以下の書籍を読んでおきましょう。
最も有名なFIRE本の1つです。この通りに100%実践するのはなかなか難しいですが、モデルケースとして参考になる点は多いので、FIREに興味ある方は一読をおすすめします。
こんな記事も書いています。
投資のコア部分にインデックスファンドを据え、サテライト部分で遊びの要素を残すのも面白いと思います。
他人の投資成績と比較するのではなく、自分の中で何が達成できれば成功と言えるかを明確にしてその目標のために努力しましょう。
インデックス投資家は、一日一日の株価の変動に一喜一憂するのではなく、もっと長期的な視点で物事を見る必要があります。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
コメント