4月17日の土曜日,医師会役員優先枠で,待望の新型コロナワクチンの予防接種第1回目を受けてきました.
多少接種部位の自発痛がありましたが,翌朝は合気道の稽古も通常通り可能でした.スタッフも今月中に全員が1回目の接種を完了する予定です.
来月5月10日からは遅まきながらようやくわが国でも高齢者への優先接種が開始となり,神戸市でも4月19日から接種券が後期高齢者に送付されだしたのですが,実はこれが早くもおぞましい混乱を引き起こしています.
神戸市の広報には各区の集団接種会場と接種希望者をかかりつけ患者に限定しない医療機関のみが掲載され,予約センターかネットで事前予約することになっています.
しかし,接種券は来たものの,予想通り電話は全くつながらず,ネット回線もパンクしてしまっているとのことです.
それに何よりも高齢者にはこの仕組みそのものを理解しておられない方,インターネットなんて使ったことのない方も多く,困った人々が直接区役所に押しかけて「三密」になっているとか,苦笑しかありません.
また,当院のようにかかりつけ患者さんのみを対象する医療機関は,かかりつけ以外の人に接種予約されないよう敢えて掲載しないようにしてもらっていますが,広報にはそんな記載はないので,「電話も全然通じないし,名簿に載ってなかったけれど先生のところでは打ってくれないんですか?」と朝からひっきりなしに電話がかかってきて事務スタッフが対応に追われてしまっています.
さらに輪をかけて混乱させているのが,上記のような理由で当院は広報誌には載っていないのに,何故か神戸市の予約サイトには自由に予約できる医療機関として登録されてしまっており,驚くべきことにすでに勝手に何人も予約が入っている上,一部は全く受診歴のない方だということです.
このことを一刻も早く予約センターに伝えようとしても,全く繋がらず,診療の合間を縫って何十回もかけ直してようやくネット掲載を外してもらいました.
しかし,問題は,当院のようにかかりつけ患者さんのみ接種対象とするクリニックは,どのように予約を入れたらいいのか,自分たちで受け付けや電話で予約を入れて行っていいのか?という指針が行政から未だに全く示されていないことで,この件について行政に問いただしたら,それはまだ検討中ですとのこと!
つまり,接種券はすで見切り発車でバンバン配布されているのに,予約システムはまだ完成していないというわけで,空いた口が塞がらないとはこのことです.
患者さんたちには,ゴールデンウィーク明けくらいになれば多分はっきりするので,その時にまた問い合わせてほしいと,スタッフも私もオウム返しのような説明を果てしなくせざるを得ず大変ですし,今後が思いやられます.
医師会で情報交換しても当院同様クレームの嵐のようで,調べるてみると広報の内容も間違いだらけで,要するにもうぐちゃぐちゃになっているのです.
それにしても,手に取るようにわかる行政の混乱には,怒りを通り越して情けなくさえなります.
行政というのは,なぜいつもこんなに頭の悪いやり方しかできないのか?あの悪名高きアベノマスクと大差はないのでは?と思ってしまいます.
貴重なワクチンを無駄なく平等に配分する仕組みを作りたいというのは理解できます.
しかし仕組みが複雑であればあるほど間違いが増えるのはる当然ですし,コールセンターや予約サイトを作って一元管理しようとすれば,何万人ものアクセスがある訳ですから,今回のように大混乱に陥るのは火を見るより明らかです.
予約方法は各医療機関に任せ,そして必要な本数だけ予約サイトなりで行政のほうに依頼する,それだけで十分なはずです.広報を出すのなら,各医療機関の接種対象者の区別だけ分けて掲載してくれればれよく,あとは読者各自で医療機関に予約してもらう,それで十分でしょう.
どうしても一元管理したいのなら,上層部の化石みたいな人たちではなくて,若くて高度なIT技術を持つ専門家集団にアウトソーシングして作らせたほうが,よほどまともなものが出来ると思います.
前回のblogでも述べましたが,人類にとって未曽有のこの危機を乗り越えるには,少なくとも現時点ではワクチンの迅速かつ広範な接種こそ唯一無二の武器であるにもかかわらず,相変わらずこんな状態で本当にこのコロナ禍を乗り越えられのか?不安を感じていない国民はいないでしょう.
当院には外国人の方も大変多く訪れますが,日本はオリンピックを3ヶ月後に控えているにもかかわらず,なぜワクチン接種がこんなに遅いのか?日本は先進国ではなかったのか?という疑問をしょっちゅう投げかけられます.彼らの疑問はもっともですし,「That’s exactly Japan (それこそ日本なんですよ)」と苦笑して答えるしかなく,情けない思いでいっぱいです.
さてこのゴールデンウィーク明け,いよいよ本格接種が始まりますが,はてさてどうなっていることやら・・・(笑)
Source: Dr.OHKADO’s Blog
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