円高になったら投資は損?インデックス投資家が為替リスクとどう向き合うか

内科医

 

おはようございます。

弊ブログの読者から為替変動のリスクに関して、以下のご質問をいただきました。

 

こんばんは。いつもブログを楽しみに読ませていただいています。

10年くらい前から積立投資を開始し、旧積立NISA, ジュニアNISA, そして新NISAとインデックス投信でそれなりにリスク資産の総額も含み益も増えてきました。

そんな中、未だに色々な方のブログや記事を読んでもモヤモヤが晴れないのは為替影響についてです。

例えば将来急激な円高になったら、今までの含み益は吹き飛んでしまうわけで それってゼロサムのFXと大局的には変わらない!?といつも思ってしまいます。

とはいえ投資をやめたり手数料の高い為替ヘッジ付の投信に乗り換える予定はないのですが。。

現状はみんなで渡れば怖くないという非論理的な信じこませを自分にしているだけです。

ちゅり男さんはどのように納得されていますか。

ご意見お聞かせいただけると幸甚です。

 

オルカンやS&P500などの外国株に投資している人にとって外せない問題が「ドル円」の動き、つまり「為替」です。

今は「1ドル=140円〜150円」と円安が進んでいるため、古参の外国株投資家は大きく利益を伸ばしています。

しかし、円高が急激に進めば逆のことが起こるわけで、これまでの含み益が全て消える可能性もあります。

本日は、私たち個人投資家が為替変動の不安とどう向き合えばよいか考察します。

 

円高になったら投資は損?インデックス投資家が為替リスクとどう向き合うか

 

1. 円高になる=「円資産の価値が上がる」と捉える

仮に将来、急激な円高(例:1ドル=80円)が起きたとして、円ベースで見た外貨資産の評価額は下がります。

これだけ見ると「含み益が吹き飛ぶ」という不安に襲われるのは当然ですね。

しかし、円高というのは「日本円の購買力が上がった」とも言い換えられます。

 

極端な例ですが、今まで150円で1ドルのものが買えていたのが、80円で買えるようになるわけです。

つまり、同じ日本円でより多くの海外のモノやサービスが手に入る状態です。

「外貨資産は減ったけれど、日本円資産の価値は相対的に上がった」とポジティブに捉えるのがよいでしょう。

 

私たち日本人が国内で働く場合、毎月日本円で給料をもらいます。

給料の実質的な価値が上がってくれれば、外国株投資で円高で損をしてもカバーできるのです。

日本に住む私たちにとっての生活防衛という視点では、円建ての現預金や日本債券などの国内資産も立派なリスクヘッジなのです。

 

2. 円安が続くリスクに備えるには、やはり外貨資産を持つしかない

直近のように、長期的な円安(例:1ドル=150円超)が進行した場合、逆に日本円の購買力は大きく落ちます。

このとき、外貨資産を保有していない人は実質的に「目減りする円資産」しか持っていないということになり、気づかぬうちに資産全体の価値が下がってしまいます。

だからこそ、長期での資産形成には外貨建て資産(例:全世界株、S&P500など)を持つ意義があるのです。

 

私の個人的な経験では、通貨の価値は株価以上に予測が非常に難しく、政府・中央銀行の政策によってかなり変動します。

自分の資産を円のみに依存させず、円安にも対応できる「多通貨分散」が安心につながると考えています。

「儲け」だけを考えると円高が怖くなりますが、どのような事態が来ても対処できるよう、アセット(資産)も通貨も分散していると考えればよいのです。

 

3. 「為替ヘッジ付き投信」は不要、手数料と実質リターンの観点で不利

「だったら為替リスクを回避するために、為替ヘッジ付き投信を選べばいいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ここには落とし穴があります。

 

為替ヘッジにはコストがかかります

特に日本が低金利、米国が高金利という状況では、ヘッジコストが大きくなり、投資信託の実質リターンを大きく圧迫する可能性があります。

 

また、為替ヘッジは「為替の値動きを無効化する」ものであり、円安メリットも同時に消えてしまうことになります。

仮に為替が大きく円安に振れたときに、ヘッジ付きファンドはその恩恵を受けられません。

したがって、為替の上下動を想定内と考え、「長期で保有していれば自然に均される」という前提に立ったほうが、結果的に合理的だと思います。

 

まとめ:円資産と外貨資産をバランスよく持つことが重要

為替の将来を100%予測するのは不可能です。

だからこそ、どちらに転んでもいいように、「日本円で生活するための円資産」+「成長の恩恵を受けるための外貨資産」の両方を持つというバランスが非常に重要になります。

「為替で損した」と短期的に見るのではなく、「インフレにも円安にも円高にも備えられるポートフォリオを組めている」と考えることが重要です。

 

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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ

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