なあなあ、おかあさん、ちょっと想像してみてよ!

医療機関

先日、旅立たれたお祖母ちゃんの、

ご主人は脳腫瘍で透析患者さん。

1年以上入院中で、コロナやから、

オンライン面会のみ。だ。

お祖母ちゃんのザイタクが優先だったので、

それは致し方ない。

 

お祖母ちゃんは胃がんで、ターミナル。

ザイタクは無理かもって、主介護者の娘さんも、

不安がいっぱいの中、自宅に戻られ、

8ヶ月もザイタクを満喫された。

娘さんも適度にお仕事も継続されながら。

 

その間、曾孫さんもベッドに上がって、

一緒に寝たりする時間だって、あった。

もう3世代どころか、4世代交流だった。

 

訪問に行くたびに、

こんなコロナのせいもあって、

お孫さんは学校もお休みで、

コタツで寝転び寝入っていた。

 

あ~イマドキの子なんやな~、しゃあないな~、、、

挨拶一つできひんのかな~頭またいで部屋入るけど堪忍な~

なんて感じで、8ヶ月が過ぎ、

お祖母ちゃんはとてもとても穏やかに旅立たれた。

 

 

そのお看取りの時、お孫さん、

メッチャしっかり動いている。

娘(お孫さんのお母さん)さんにも、

しっかりしいやと言わんばかりに、

タナカの一言一言に耳を傾ける。

 

いつもように、心音聴く?って訊くと、

まっさきに彼女が、いいの?!って、

傍によってきて、僕の聴診器を耳にはめ、

 

「あ~オバアの最期の声やねえ!ありがとう。」

 

 

彼女、いつもコタツで寝てたんは、

夜中にお祖母ちゃんのお世話をしてたみたい。

娘に言えん悩みを、仲良しお祖母ちゃんやったから、

たくさん話を聴いてあげてたみたい。

 

 

その彼女が、帰りがけに、娘さんにこう言った。

 

「なあなあ、おかあさん、ちょっと想像してみてよ!

お祖父ちゃんだって、お家に帰れるよ。そう思わん?!」

 

 

お祖母ちゃんが、世代を越えて、

お孫さんに残したものは、

あまりにも素晴らしい、

そして、それは、

とてもとても優しい想像力だった。

 

彼女の言葉から、、、

僕らの見ている世界なんかより、

もっと素晴らしい世界なんだ。と思えた。

 

僕らだって、まだ間に合うよ。

若い奴らに負けてらんないやん。

もっと真剣に想像してみようや。

 

『あなたの家にかえろう』

 

 

 

お家に帰ろうプロジェクト

玉手箱研究会 田中章太郎

 

 

 

 


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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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