神の詩 第二章第十八~二十一節

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神の詩 第二章第十八~二十一節

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「この肉体は有限であると言われるが、ここに宿る者(アートマン)は永遠・不滅で無限である。だから戦え、アルジュナよ。(十八)」
「アートマン(真我)を殺害者と考える者も、殺されると考える者も、どちらも無智で
ある。アートマンは殺すことも殺されることもない。(一九)」
「アートマンは生まれることも、死ぬこともない。始まりも、終わりもない。不生・永
遠・不変であり、太古から存在する。肉体が殺されても、アートマンは殺されない。
(二十)」
「アルジュナよ、アートマンは不滅・永遠・不生・不変であると知る者は、誰かを殺し
たり、誰かに殺されたりすることができようか。(二十一)」
ここでクリシュナは、
真我は不滅であるから、
戦え
とアルジュナに言います。
クリシュナは
最初から戦えと主張していた訳ではありません。

今回の戦争の前に
クリシュナは、
カウラヴァ兄弟のいる都市ハスティナプラに入り、
和平交渉に尽力しました。

カウラヴァ兄弟たちは、
この時すでに戦争の準備をすべて整え、
戦争に参加する人々の準備も完了した状態でした。

クリシュナは、
カウラヴァ兄弟たちのいる宮殿に
和平交渉にいきます。

クリシュナは、
都に滞在中は
ドリタラーシュトラ王の宮殿ではなく、
宮殿内にある賢者ヴィドラの館に滞在しました。

宮殿では
クリシュナをもてなすための豪華な食事も用意されましたが、
クリシュナが口にすることはありませんでした。

同じく
ヴィドラも兄のドリタラーシュトラ王の宮殿にいながら、
宮殿の食べ物を
一切口にすることはありませんでした。

このような姿勢は
よく蓮の花に喩えられます。

蓮が
泥の中で育ちながらも、
茎も葉も泥水を弾き、
泥を一切植物体に入れることなく、
美しい花を咲かせる姿に似ているからです。

クリシュナもヴィドラも、
物質至上主義の場にいながら、
それを身体に受け入れることは無かったのです。

クリシュナが描かれるときには、
時に
手に一輪の蓮の花を持っていることもあります。

また
クリシュナの別名で、
アラヴィンダ(蓮の眼をした者)、
パドマナーバ(臍から蓮が生える者)
というものもあります。

これは
いかなる環境にいても、
自分の清らかな自主性を保てる見本となります。

ヴィドラは、
クリシュナに
「もう戦争は回避できない状態です。この国も国民も、そして属国もすでに戦闘態勢に入っています。私は、あなたに危害を加えるかもしれない悪い人々に会いに行くのは勧められません。」
と言いました。

これに対し、
クリシュナは
すでにすべての状況を把握した上で、
「平和を実現するためには、最後まであらゆる努力をしてみるべきだ。和平交渉が成功するか失敗するかに関係なしに、私は出来るだけのことを行う義務があるのだ。」
と言いました。

クリシュナは、
この和平交渉が決裂しても、
人々の心に平和の種子を植えることになる
と確信しています。

それは
今回の戦争が回避できないとしても、
輪廻転生していく中で、
平和の種子は発芽し、
育っていくからです。

翌日
クリシュナが
宮殿に近づくと
入り口の門の前には、
ドゥリョーダナとカルナが
クリシュナを歓迎するために待っていました。

周りには
女性たちが
クリシュナを歓迎するための花束を抱えていました。

カウラヴァ兄弟は、
女性や花束などの物質世界のおもてなしで
クリシュナの気分が良くなると考えていたのです。

クリシュナは、
宮殿に静かに入り、
集会場に到着しました。

クリシュナの到着を待っていた各国の王たちと属国の王たちは
敬意を表して席から立ち上がり、
お辞儀をして迎えます。

ドリタラーシュトラ王は、
クリシュナに近づき抱擁すると、
御者にクリシュナの席を案内させました。

そして皆が着席すると、
これからクリシュナが発する言葉をしっかりと聴くために、
静まり返りました。

続きます。

光の魂たち 植物編 人の霊性進化を見守る植物たち
森井啓二
きれい・ねっと
2018-11-11


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Source: ひかたま(光の魂たち)

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