新型コロナウイルス感染症の軽症患者を対象に、抗寄生虫薬「イベルメクチン」の効果や安全性を調べる臨床試験(治験)を国内で始めると、医薬品を手がける興和(名古屋市)が1日、発表した。2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授の研究をもとにした薬で、国内では消化管の寄生虫が引き起こす感染症やダニによる皮膚感染症の治療薬として承認されている。新型コロナの治療薬としては承認されておらず、北里大病院などが主に軽症の患者を対象に、医師主導の治験を昨年9月から続けている。だが、医師らは日常的な医療活動を優先せざるを得ない事情もあり、予定よりも遅れているという。大村さんらが興和に依頼する形で治験が実現する。
新型コロナに対するイベルメクチンの治療効果については、重症化の予防効果がある可能性が指摘される一方で、世界保健機関(WHO)は3月、推奨しないとするガイドラインを発表している。効果が不確実で、メカニズムにも不明点が多いとした。国内での薬の適応拡大にあたっては、製薬企業が厚労省に販売承認を申請する必要がある。だが国内に流通するイベルメクチンの製造を子会社が担う米製薬大手メルクは、適応拡大に向けて動いていない。現在承認されている用法以外の安全性と治療効果は示されていないという分析結果をこの春公表した。
このため北里大は、これまでに別の共同研究の経験もあった興和に治験を持ちかけた。治験で効果が実証され、承認されることになれば、同社が国内の製造も担う予定だという。
厚労省は「コロナ治療に対するイベルメクチンの保険適用」を認めており、すでに現場ではイベルメクチンを投与している医師もいる。先駆けて100人近くの自宅療養者にイベルメクチンを処方してきた兵庫県尼崎市の「長尾クリニック」院長・長尾和宏医師が、イベルメクチンについて見解を語った。――これまでに何人ほどのコロナ患者にイベルメクチンを投与してきたのでしょうか。
処方したのは100人ほどで、実際に飲んでいただいたのは50~60人の患者さんです。重症化してからの処方では遅いので、第4波からは陽性が判明した時点でほぼ全員に処方しています。中等症2以上の方には最初から飲んでもらうし、軽症または中等症1の方には、中等症2になった時点で飲めるように、最初から手持ちにしておきます。一人暮らしの高齢者の方、特に認知症の方は飲むのを忘れてしまいかねないので、私が実際に家に行って、目の前で飲んでもらっています。
イベルメクチンは一方的に処方するのではなく、患者さんに説明して、事前に承諾を得た上で出しています。「賛否両論あるけれど、インドでは飲んで良かったという報告がある」「一般の薬のような副作用はあるけれど、この量だったらまず大丈夫だと思いますがどうですか」と伝えています。
当院ではイベルメクチンを配布していません
「死亡者数が劇的に減少」提言では、日本での感染者数の増加を「数日以内に抑え込める可能性がきわめて高い」という方法を、こう説明している。
「イベルメクチンを中心としたプロトコル(手順)にビタミンを加えたものによって、この病気のすべての段階を予防、治療できることが、何十もの査読ずみの研究成果として明らかになっています。この非常に安全、効果的、かつ安価で広く入手可能な薬剤は、ノーベル賞を受賞した優秀な日本人研究者によって、約50年前に世界に与えられたもので、今回のパンデミックにおいて、何十万人もの新型コロナ患者とその家族に救命効果をもたらしたことは、世界的に評価されるべきです。イベルメクチンが広く配られると、プログラム開始後、10日以内に感染者数と死亡者数が劇的に減少します。これはメキシコ、インド、ペルー、ブラジルなどの国々で実際に起きた成果です。(中略)世界の目が東京に向けられているいま、日本のリーダーたるあなた方にとっては、パンデミックから抜け出し、当初意図されたように開催することで五輪の栄光を世界に示すチャンスです」
「FLCCCの発表では、感染後1週間以内の軽症時に服用すれば76%、中等症以降の後期治療でも、46%の有効性が確認され、70%で死亡率も改善しています。さらに85%の予防効果も確認され、実際、インドやペルーでは予防のために服用した州とそうでない州で、感染者数に大きな違いが見られます。インドでは同国出身のWHO女性主任研究者が、SNSでイベルメクチンを使うなと発信し、それを受けて使用を禁じた州がありましたが、結果的に感染者数と死者数が増加し、インド弁護士会が彼女に警告を出す事態になったそうです。FLCCCの提言に“10日以内に感染者数と死亡者数が劇的に減少”とありますが、85%の予防効果を考えれば、非現実的な話ではありません」その作用機序だが、「大きく分けて三つあります。一つに、ウイルス表面のSタンパクや細胞の受容体ACE2に結合し、ウイルスの細胞内侵入を妨げます。二つ目は、ウイルスタンパクを核内に運ぶ移送物質インポーチン等にも結合し、ウイルスの複製(増殖)を阻害します。最後に、イムノモデュレイターとして免疫を調整することで、炎症や免疫の暴走であるサイトカインストームを抑制し、重症化を防ぎます」
Source: 身体軸ラボ シーズン2
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