おはようございます。
近年、FIRE(Financial Independent Retire Early)に関する書籍がどんどん増えており、一種のブームになっています。
これは2010年代の株式市場、特に米国株が絶好調であったため、米国を中心にブームに火がついたと考えられます。
日本は資産の大半が銀行預金という家庭が多いですが、米国では家庭資産の一部を株式で保有している人の割合が多いです。
本日はFIREムーブメントが生まれた背景や理由について考察してみます。
2010年代の好調な相場こそがFIREムーブメントを生んだ
本日の記事の要点は以下の通りです。
1. 2010年代の米国株の好調がFIREムーブメントを生んだ
2. 2000年代のような泥沼相場ではFIREムーブメントは発生しない
3. 次の10年間のFIREを後押しする相場が続くかどうかは不透明
以下1つ1つ掘り下げてみていきます。
1. 2010年代の米国株の好調がFIREムーブメントを生んだ
2010年代の10年間は株式市場、特に米国株が絶好調な期間でした。
以下がSPY(S&P500 ETF)の2010年以降の配当込みトータルリターンです。
トータルリターンが+384%ですので、S&P500に投資していただけでも4〜5倍に資産が増える相場であったということですね。
今回は載せていませんが、GAFAMなどのハイテク大手の割合が高いQQQ(NASDAQ 100 ETF)ですと、トータルリターンは+750%という信じられない数値でした。
株式投資にはホームカントリーバイアスというものがあり、どうしても自国の株を保有する割合が高くなると言われています。
米国人の場合は「ホームカントリー=米国」ですので、米国株を保有されている方が必然的に多かったことが他の国と比較してFIREブームがいち早く発生した原因と考えられます。
2. 2000年代のような泥沼相場ではFIREムーブメントは発生しない
次に、2000年代の10年間のS&P500の値動きを見てみます。
以下がSPY(S&P500 ETF)の配当込みのトータルリターンです。
2010年代以降の好調な相場しか経験がない方には信じられないようなチャートですが、S&P500を10年間保有し続けてもトータルリターンがマイナスという地獄です。
このチャートを見ればすぐに理解できますが、同じ10年間でも、2000年代のような泥沼相場ではFIREムーブメントは発生しません。
つまり、FIREがこのタイミングでブームになっているのは単なる偶然ではなく、リーマンショック以降の米国株の相場が絶好調であったので、
コツコツ投資してきた方の中からFIREできる体制が整った人がこのタイミングで続々と登場しているのを見ているわけですね。
3. 次の10年間のFIREを後押しする相場が続くかどうかは不透明
2020年代の10年間はどのような相場になるのでしょうか?
FIREを後押しするような好調な相場が続けばブームは続くでしょう。
一方、2000年代のような厳しい相場が再来すれば、「FIRE」という言葉を口にする人すらいなくなるかもしれません。
人の感情、記憶などは全くあてにならないもので、2〜3年前に○○という意見を述べていた方が、
その数年後には正反対の立場にすり替わっているということなど日常茶飯事です。
投資ブログを運営している私としては、インデックス投資を皆さんにオススメしている以上、
次の10年間も順風満帆な相場が続いてくれればよいと切に願っていますが、そう簡単にはいかないのが株式投資です。
どのような相場になっても対応できるよう、自分のリスク許容度を適切に把握し、その範囲内でルールに従って淡々と投資を続ける姿勢が重要でしょう。
まとめ
FIREがこのタイミングでブームになっているのは単なる偶然ではありません。
2010年以降の米国株が絶好調であったことから、その流れでFIRE可能な体制が整った方が続々と登場してきているのが今現在なのだと考えられます。
逆に言えば、今後の相場次第でFIREブームが終わる可能性もあるわけです。
【FIREに関するおすすめ本3選】
FIREに関するオススメ本を3冊紹介します。
実際にFIREを目指すかどうかは別として、経済的自立に一歩でも近づく考え方を身に着け、それを少しずつ実践することは人生を確実に豊かにしてくれます。
1. FIRE 最強の早期リタイア術
FIREブームの火付け役になった本で、絶対に押さえておくべき一冊です。
何も言うことはないので、とりあえず買って読みましょう。
2. FIRE 最速で経済的自立を実現する方法
グラント・サバティエ氏の書籍です。
他の本と異なるのは、副業や起業によって収入自体を底上げし、副業で得たお金は全力で投資につぎ込むことで、より早期のFIREを目指している点です。
考え方は非常に合理的で参考になります。
FIRE 最速で経済的自立を実現する方法 [ グラント・サバティエ ]
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3. 本気でFIREをめざす人のための資産形成入門
実際にFIREされた穂高唯希さんの書籍です。
日本版FIREならばこの一冊をオススメします。
この本に書かれているほどストイックに実践するのは困難かもしれません。しかし、FIREに対する考え方や生活態度は大変勉強になります。
こんな記事も書いています。
お金の使い方が上手な人は高配当戦略との相性が良いでしょう。
お金と時間のバランスがとれた生活が理想ですね。
FIREの中で早期退職はあくまでおまけであり、経済的自立こそに価値があると思っています。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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