おはようございます。
私の好きな格言の一つに、中村勘三郎さんや坂東玉三郎さんの以下の言葉があります。
「型破りな演技は、型を知らずにはできない。型を知らずにやるのは、形無しというのだ」
「若い人はすぐ型破りをやりたがるけれど、型を会得した人間がそれを破ることを『型破り』というのであって、型のない人間がそれをやろうとするのはただの『形無し』です」
変化の流れがますます速くなっている現代社会においては、昔からの伝統というのもは時に軽視されがちです。
しかし、日本語に「守・破・離」という言葉があるように、まずは型を守ることから始めてみるのがよいのでしょう。
投資も型がある人が型を破ると「型破り」、型がない人が型を破ったら「形無し」
投資も型を身につけずに型を破るとただの「形無し」になる
投資も歌舞伎と同じで、型を身につけずに型を破ろうとするとただの「形無し」になる可能性が高いです。
自力で貯めた貴重なキャッシュをリスク資産に投入するわけですから、それ相応の事前学習は欠かせません。
投資をするからには爆益を狙いたい、市場平均を出し抜きたいという気持ちが芽生えてきますよね。
特に、株式市場が好調な時は市場平均を上回るパフォーマンスを上げている個別銘柄がゴロゴロ転がっていますからそういう気持ちになりやすいです。
しかし、一方で、20年〜30年の長期に渡って市場平均を上回り続けられる銘柄というのは驚くほど少ないです。
そう考えますと、まずは市場平均をトレースするという「基本型」から始めてみてもよいと思うのです。
投資でもまずは型を守ることから始めよう
これからの人生でずっと投資を続けていくのであれば、おそらく20〜30年、それ以上の付き合いになるはずです。
初めの数年間くらいは型を身につけるための勉強期間にあててもよいと思います。
ろくに勉強せずにいきなり大金を突っ込んで大きな成果が得られるほど株式投資の世界は甘くありません。
それであれば、退職金で資産運用を始めた方の大半はハッピーな老後を過ごしているはずですが、実際にはそうなっていません。
何も勉強せずにリスク資産を大量に購入するという行為はありえないことです。
歌舞伎の世界で型を身につけるには相当な時間と努力が求められると思いますが、幸いにも株式投資の世界ではインデックス投資の型というのはほぼ定まっています。
1) 自らのリスク許容度や目標に応じたアセット・アロケーションを組むこと
→主に株式と債券、キャッシュの比率を決めること
2) 十分な銘柄数、国・地域に分散されたポートフォリオを組むこと
3) 各家庭の事情にあわせて十分量の生活防衛資金を確保すること
このあたりを守っておけば十分ではないでしょうか。
本当に優れた型というのはシンプルなもの
私自身は、本当に優れた型というのはシンプルなものになると思っています。
シンプルで特別な才能を要するものでなければ、数多くの人にその型を身につけてもらうことができません。
誰かにモノを教える時も同様で、教える側の知識や経験が十分であればあるほど、よりシンプルで明快・簡潔に教えることができますよね。
では、インデックス投資における誰でも実践できる基本型を考えてみます。
究極にシンプルな型は「VT+キャッシュ」だと思う
私個人としては、究極的には、
1) ポートフォリオの株式部分はVT・もしくは楽天VT一本で済ませる
2) 外国債券の部分はBND・BNDX、もしくは外国債券インデックスファンドを購入する
→新興国債券は無視する
3) 無リスク資産はキャッシュで十分量を確保する(日本国債でもよい)
これがインデックス投資の最も基本的な「型」になるのだと思います。
2)はおまけみたいなもので、「VT+キャッシュ」でも十分にありですね。
型通りの投資を1〜2年経験したうえで型を破る
初めの1〜2年は型通りに投資をしてみて、経験を積む中で、
・米国株オーバーウェイト
・新興国株オーバーウェイト
・高配当株戦略
・グロース株戦略
などのオリジナリティを少しずつ発揮していけばよい気がします。
型を知らずにオリジナリティを出そうとすると、そのオリジナリティによってどんなプラスリターンを狙っているのかが理解できません。
そうしますと、自分の選択している戦略が基本型と比べてうまくいっているのかどうかよく分からず、いつまでたっても投資の軸が定まりません。
長期投資においては軸のしっかりした投資方針を堅持することが重要ですので、まずは「型通り」にやってみるのも手でしょう。
やってみると分かりますが、株式投資の場合、長期になればなるほどこの「基本型」が意外に強いことが分かると思います。
まとめ
投資も初めの数年間は勉強だと思って「型通り」にやってみるのも一手です。
「VT+キャッシュ」というのはものすごくシンプルに見えますが、長期になればなるほど強みを発揮します。
下手な売買を繰り返して手数料がかさむ投資家よりも高いパフォーマンスを発揮するでしょう。
【SBI証券】
VTなどの外国株投資ならば、為替コストを考えますとSBIを利用するのが最適でしょう。ETFの定期積立サービスにも唯一対応しています。
こんな記事も書いています。
インデックス投資は10年〜15年くらい経過しますと、徐々に本領を発揮してきます。
バイ&ホールドは、ホールドし続けるに値する銘柄でのみ成立する戦略です。
債券は株式と比べると地味な存在ですが、長年にわたって生き残っているのにはそれなりの理由があります。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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