おはようございます。
当ブログの読者の方から、「投資信託かETF、どちらをメイン運用すべきか?」につきまして、以下のご質問をいただきました。
はじめまして。
いつも新しい知見をいただきながら楽しく勉強させていただいております。
今回は、インデックス投資を購入する銘柄について決めきれずにいるのでご相談させていただければと存じます。
私は40歳で妻は31歳、現在妊活を始めておりますが、まだ子どもはいません。
今年から不妊治療も視野に入れなければならないかなぁとも話しています。
妻は妊活最優先なので仕事もしておらず、私の収入が1000万円程度です。
現在貯金が約1800万円あるのでこの分を投資にまわしたいと考えています。
勤め先が外資系企業なのですが、これまでリストラ等もあり自分自身が定年まで働けるかどうか危機感もあるため、今から投資で資産を増やしていければと思い、インデックス投資を検討しています。
現在は、つみたてNISAで
・楽天・全米株式インデックス・ファンド
・eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
・eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
に限度額を積み立てています。
この銘柄を選んだ理由はモーニングスターの朝倉さんが推薦されていたからです。
今回はまとまったお金なのでETFのほうがいいのではないかと考えています。
こちらにおいても朝倉さんの「ETFはこの7本を買いなさい」という本を読んで目処をつけようとしたのですが、どんどん新しいETFが出てきて、投資家によって嗜好が違うため、自分が何を買うべきなのか迷っています。
王道のVT、VTIなのか(もしくは楽天VTか楽天VTIなのか・・・二重課税の問題がわかるまではVT、VTIでいこうかと判断しています)
それとも高配当のVYM、HDVか(もしくはSPYDというのも知りどれがいいのか迷います)
はたまた増配のVIG等も検討すべきなのか・・・。
先日の「1800万円で時間の分散をはかりながら投資信託を買い付ける方法 」を参考にさせていただき、私もドルコスト平均法で数年かける購入方法を検討しています。
ちゅり男様も「ポートフォリオの構成は好みがある」とおっしゃっておりますし、今回のような判断基準が明確でない相談についてお答えいただくのも難しいかと存じますが、アドバイスいただけたら幸いです。
ご質問ありがとうございます。
・投資信託かETF、どちらをメインに運用すべきか
・VT、VTIがよいのか、それともVYM、HDVなどのスマートベータETFを検討すべきか
について、私ならば以下のように考えます。
手持ちの1800万円で投資信託かETF、どちらをメインに運用すべきか?
結論から書きますと、よほど配当金に対する強い思い入れがなければ、
1) VTI、VEA、VWO、VTなど市場平均に連動する商品がおすすめ
→投資信託ならばeMAXIS Slimシリーズを購入すればOK
2) 投資信託かETFかは好みの問題
→ただし、外国税額控除など確定申告の手間を考えると投資信託がおすすめ
となります。
以下でその理由を考察します。
王道はやはり市場平均を狙うインデックス投資
王道はやはりシンプルに「市場平均」を狙う商品になるかと思います。
よって、投資対象候補としましては、
1) VTI(米国) 経費率:0.04%
2) VEA(米国以外の先進国) 経費率:0.07%
3) VWO(新興国) 経費率:0.14%
の3つを組み合わせ、オリジナルで世界株式ポートフォリオを作成するのが一案でしょう。
米国一本でOKと考えるのならばVTIだけを買い付けることになりますし、新興国一本というのはさすがに危険かと思いますが、新興国をオーバーウェイトするなどの戦略も可能です。
もう1つは、思い切ってVTに一本化してしまう手です。
インデックス投資の王道は、時価総額加重平均で世界全体の株式市場をホールドすることですので、やはりVTが王道と言えるでしょう。
「高配当」などのスマートベータも面白いので明確な目的があるならアリ
VYM、HDVといった米国高配当株ETFも人気がありますが、長期保有を考えていらっしゃるならば、私はVTIが強いと思います。
株式のリターンの源泉には、利益成長と配当があるわけですが、VYMやHDVがターゲットとしている高配当の成熟企業の場合、期待される利益成長率が市場平均(VTI)よりも低いです。
配当の方が株価の動きよりも安定的とはいえ、20年〜30年を考えればVTIが強い気がします。
また、確定申告時の外国税額控除である程度取り戻せるとはいえ、配当金の約28%が税金で引かれてしまうのは痛いです。
スマートベータETFには、「高配当」以外にも「バリュー」「グロース」「小型株」「低ボラティリティ」などのファクターがありますが、各ファクターの強い時期・弱い時期というのが必ずやってきます。
であれば、特別な理由がない限りは何も考えずに市場平均でもよいのかなと思います。
ただし、「何があっても配当重視」など明確な目的を持ったうえでスマートベータETFに手を出すのはアリだと思います。
「VTI + VEA + VWO」もしくは「VT」のいずれかで十分
私もブログをやっている以上、様々なETFを調べたりしましたが、結局は
1) VTI + VEA + VWO
2) VT
のいずれかが最強で、他の株式ETFはオプションに過ぎないと思っています。
「米国株を多めに」とか「新興国を多めに」など、自分で調整する余地を残したい方には1)をおすすめします。
ただし、それがトータルリターンの改善につながるかは分かりませんね。
ゴチャゴチャ方針転換をして無駄な売買を繰り返した場合には、結局VTに劣後するという可能性も十分にあります。
当ブログとしても最適解は提示できませんが、1)もしくは2)が王道なのは間違いありません。
投資信託かETFかは好みで選べばよい
近年では、投資信託でも優れた商品が次々と出てきていますので、必ずしも海外ETFにこだわる必要はないと思います。
投資はあくまで資産形成の手段と割り切るのであれば、
「楽天証券で楽天カード決済で投信積立」
が最適解でしょう。
月5万円までと上限はありますが、1.0%の楽天スーパーポイントが付与されるのはやはり大きいです。
投資信託であればドル転の手間もありませんし、分配金も自動再投資されますから、はっきり言って楽ですね。
楽すぎるがあまり、私のような投資好きには物足りなさがあるわけですが、世の中の90%以上の人には投信積立が最適解なのだろうと思います。
海外ETFの最大の魅力は、世界最高レベルの金融商品に、ドル建てでダイレクトに触れられることで、流動性・透明性の高さは国内の投資信託とは比べ物になりません。
分配金に関しては好みが分かれますが、私自身は分配金という形でこまめに利益確定というのは肯定的にとらえています。
上記の点を踏まえまして、ご検討いただければと思います。
まとめ
私は、株式100%で運用するならば、
1) VTI + VEA + VWO
2) VT
のいずれかが最適解になると思っています。
VYMやHDVなどのスマートベータETFも悪くありませんが、あくまでオプションの1つという位置づけで考えています。
【当ブログへのご質問はこちらから】
こんな記事も書いています。
投資スケールが数千万円〜億単位の場合は、海外ETFメインで行くことをおすすめします。SBI証券の定期積立サービスが便利ですね。
この記事でも書いたように、3〜5年くらいかけて時間の分散をはかりながら資金を投入するのが安全かと思います。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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