神の詩 第四章八節

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神の詩 第四章八節

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「善人を救済するため、悪人を倒すため、法(ダルマ)を再び確立するために、私はいつの時代にも現われる。(八)」

ここでクリシュナは、
アヴァターの二つの目的を
明確にしています。

善なる人を救済することと悪を絶やすこと。
この目的のために、
身体を持って地上に来ることもあれば、
肉体を持たずに活動することもあります。

ここでいう善人sadhunamとは、
意識が神に向いている人、
クリシュナ意識で満たしている人を言います。

悪人duskrtamは、
意識が神に向かうことなく、
世俗的な物を崇拝し、
神意識を嫌う人のことを言います。

神社などでの神頼みを見る限り、
多くの人は
このアヴァターの働きを
誤解しています。

本来は、
お賽銭にしても、
礼拝作法にしても、
その行為の背後に隠れた
エネルギー世界での影響を考えた所作
であったものが、
いつのまにか物質的な部分だけが残り、
多くの人にとって
神頼みも
現世の利益優先という俗物的なものに
なってしまっています。
第二次世界大戦中に、
米軍と日本軍は南太平洋の島々で
激しい戦闘を繰り広げていました。

今まで
戦闘も無く平和に暮らしていた島の住民たちの土地に、
世界中から軍隊が入り込み、
島民の生活は一変しました。

空には
見たことも無い巨大な鉄でできた鳥が飛び、
地上では
大音響で自然を破壊する爆弾や銃器を持つ人たちが
島民よりも多い数で集結しました。

島民たちが驚いたのは、
巨大な鉄の鳥から放出される
大きな袋が
ゆっくりと降りてくると、
その中には
兵士たちの食べ物がたくさん入っていることでした。

時に、
兵士たちは、
その美味しい食べ物を
島民たちにも分け与えていました。

兵士たちは、
狩りもせず、
食べられる植物を採取することもなく、
人が作った大きな鳥から
すべての食べ物をもらっていたのです。

戦争が終わり、
すべての兵士が島から撤退すると、
大きな鳥も来なくなりました。

すると、
島民たちは小高い丘の上に
見よう見まねで、
藁で実物大の飛行機の像を作り、
竹で管制塔を組み立てて
滑走路も作りました。

そして
兵士がやっていたように
松明で飛行機を誘導する動作を完璧に真似したのです。

島民たちは、
兵士と同じ儀式をすれば、
空から美味しい食べ物が降ってくると信じていたのです。

でもいくら形と所作だけを、
軍の兵士たちと同じことを忠実に再現しても、
食べ物は空から降ってきません。

島民たちは、
飛行機がどんなものなのか把握していなかったのです。

この話は
決して
昔の南太平洋の島だけのことではありません。

現代社会でも多くの人が、
さまざまな儀式の本来の目的と儀式の所作の真の意味を忘れてしまい、
形骸化しています。

儀式や所作の形ばかりを真似て、
その動きの意味や
心構えなど
眼に見えない部分にある本質を忘れてしまっています。

中身が伴っていなければ、
目的の達成には程遠い結果となります。

老師は、
この世界を
「神器」
と呼びました。

「天下は神器なり」
老子第二十九章

これは
この世界すべてが
神の領域に在ることを意味しています。

善悪を超越した大きなエネルギーによって作られ、
物質化された世界においては、
超越したエネルギーのバランスに従って、
善と悪が絶えず優劣を繰り返しています。

その中で、
いつの時代にあっても、
無智の闇を取り払い、
光をもたらす神の力が、
地上の人々の霊的進化に大きく役立ってきました。

次は

「私の聖なる誕生と行動の超越性を正しく知る者は、肉体を捨てた後に再生せず、私のもとに来る。(九)」
君が代から神が代へ 下巻
森井 啓二
きれい・ねっと
2018-12-18


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Source: ひかたま(光の魂たち)

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