「“乳がんを受け入れる”って、
どういうことなのだろう...」
と、今でも思う
乳がん告知を受けて、
すぐにはじまる全身検査
それは、がんの広がりを確認するため
身体のどこかに転移がないか調べるためだ
転移の有無で治療法が変わってくる
病期(ステージ)も、
この時点でほぼ確定する
(術後に変更になることもある)
流れ作業のように進んでゆく検査
そして手術・治療への準備...
「ちょっと待って。
“乳がん”と告知されたばかりで、
まだ気持ちの整理がついていない」
...と、何度叫びたかったかわからない
でも、たぶん、
それでよかったのだと思う
待ってもらったところで、
気持ちの整理なんて、きっとつかない
おっぱいを切除する覚悟も
治療へ進む気持ちにも
きっとなれない
半ば強制的にベルトコンベアに乗せられ
進んでいく治療方針
この段階では、私は明らかに、
『がんを受け入れた』
とは言えない
「りかこさん、
私、まだ乳がんを受け入れられない」
そう苦悩をぶつけてきた女性がいる
彼女も私同様、治療のため
子どもが産めなくなったことに
大きな苦しみを抱いていたのだ
が、彼女はすでに手術を終え、
放射線治療、化学療法、分子標的治療、
ホルモン療法と進んでいた
「手術もして、つらい化学療法も頑張った。
ここまで治療を続けてきたのは、
乳がんを受け入れたからだと思うよ」
私は彼女の問いに、そう答えた
“本当に受け入れられなければ、
ここまでの治療を続けてはこられない”
それは、
彼女の踏ん張りを近くで見守ってきた、
私の思いだ
が、その答えが、
彼女が求めていたものかどうかはわからない
その答えが正しいのかどうかもわからない
「がんです」
と言われ、すぐに納得できる人は
おそらく、限りなくゼロに近いのだと思う
家に帰って病について調べまくり、
いいことも...
いや、“いいこと”はほぼないかもしれない
悪いことばかり目につき、
「私はいつまで生きられるのか...」
「私は死ぬのか...」
「家族は?」
「仕事は?」
「まだやりたいことがあるのに」
「化学療法をすれば髪が抜けるのか...」
「吐き気もひどいのだろうな」
「おっぱい切らなければならないのか...」
「治療にお金もかかるな」
そんなことばかりが頭の中を埋める
楽観的なことなんてなにもない
泣いて、落ち込んで、
ごはんも食べられず、夜も眠れず、
なにも手につかない
そんな状態が2週間続く
これは、
医学的に証明されている期間
たぶん、受け入れ態勢に入ってゆくのは、
そのあと
検査がはじまり、
手術、治療の具体的な話が進んでゆく
自分の症状を把握し、
納得して治療がはじまったとき、
たぶん、ひとは、病を受け入れている
ひとつひとつ治療が進んでゆく中で、
少しずつ
受け入れてゆくものなのかもしれない
そしてそれは、
“がんと向き合っている証拠”でもあるのだと思う
たぶん、“受け入れる”というより、
『受け入れざるを得ないもの』――
そんな気がする
本日、三日月
夕方の西の空
暮れてゆく空
月の陰影が神秘的で...
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Source: りかこの乳がん体験記
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