昨年の11月8日に母が旅立った。
母の遺言の中にも、
もちろん書いてあった、
母の生前から何度も聞かされてきた、
母方の祖父母の大切にしてきた家と土地。
この相続の手続きが、概ね完了となった。
あとは、9月8日までに相続税の納税をするだけ。
母の『遺言信託』の顛末を報告がてら、
祖父母が眠る墓の掃除に出かけた。
11月8日に、母が旅立ち、
四十九日法要もされないうちから、
信託銀行の担当者から、信託執行の連絡が入る。
彼らは、人の話や家の苦しみを聞くプロと自負する。
なんでも、お困りのこと話してくださいね。と、
悲しみと怒りに暮れる母の死後二週目に、
話を聞こうとしたり、こちらに押しかけようとしてきたり、、、、
母の遺志を知りたくて、苦しみを話すも、、、
執行のためで、苦しみを癒すためではもちろんなくて、、、、
あ、、、この光景、心当たりがある。
そう、自分自身がしている仕事だ。
病気で、終末期を告げられ、
悲しみと怒りに暮れる患者さん宅に、
どかどかと、無礼にも訪問するタナカ。
そして、自分勝手に苦しみの話を伺う、、、、
その苦しみを打ち明けること自体が、
今もこれほどの苦しみの連鎖を生むなんて、
正直知らずに、僕は在宅医療に関わり、
患者さんの苦しみに寄り添おうとしていた。。。
人が苦しみを話す時、
人に話すことそのこと自体、
ただそれだけでも苦しみが増すことだってある。
この学びは大きい。当事者でなければわからなかった。
僕が、勝手に天職だと自負する『ザイタク医療』
人生をかけて学び続ける意味がまた一つわかった。
そのことを、祖父母の墓に話しかけたら、
「そう良かったね。そんな気持ちで、ちゃんと、
患者さんの話を聞いてあげてね、章ちゃん。」
大好きな祖母に頭を撫でられた気がした。
50前のオッサンだが、まだまだ、青い。
今日の墓掃除も、素晴らしい時間だった。合掌。
帰りに、愛車を洗車して、スッキリした。
空を飛ぶことよりは地を這うために
口を閉ざすんだ臆病者として
越えて行けそこを それを
今はまだ、人生を語らず。
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