おはようございます。
当ブログの読者の同業の先生から以下のご質問をいただきました。
ちゅり男先生、突然のメール失礼致します。
私は地方在住の勤務医です。
預貯金がある程度の額になってきたので、何か投資をと考えていたところ先生のブログにたどり着きました。
投資の素人である私にもわかりやすい内容で、とても勉強になっております。
様々な書籍やブログを参考にして、現時点では、投信もしくはETFの積立てを考えています。
早速質問なのですが、
1. 月に30万円を積立に回せる場合、楽天VTと本家VTどちらが良いか。
2. 楽天VTでの積立を開始して、途中で本家VTに乗り換える場合にどれくらいのコストがかかるか、長期のリターンで差が出るか。
確定申告に関しては毎年行っているので抵抗はないのですが、投資は初めてなので手軽な楽天VTをと考えておりました。
しかし、先生の過去記事である程度の投資資金があれば本家VTの方が良いとの記述もありどちらにしようか迷っています。
純資産や流動性の差も気になるところです。
素人の質問で申し訳ございません。
ご多忙の中恐縮ですが、お時間あるときにご教授いただければ幸いです。
以下、属性です。
私:31歳 勤務医(年収1400万)
妻:32歳 事務(年収250万)
子供:3人(4歳、2歳、1歳)
預金:3000万
借金:無し
その他資産:無し
子供が3人おり教育費がかかるので、住宅は購入せず一生賃貸を考えています。
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと、月に30万円の投資ならば本家VT一択です。
楽天VTを月に30万円も積み立てるという選択肢はありえません。
以下でその理由について考察します。
月30万円の投資であれば楽天VTと本家VTどちらがよいか?
月に30万円ならばVT一択でしょう
月に30万円の投資がコンスタントに継続できるならば、VT一択だと思います。
米ドルを仕込んで透明性・流動性に優れた米国の優良ETFに直接アプローチした方が絶対によいです。
理論上は楽天VTと長期リターンは大差ないと思いますが、まだ発売されて2年弱で将来どうなっているか分からない楽天VTよりも、バンガード社の本家VTを積み立てた方がよいのは明らかです。
米国株購入の最低手数料が0.1ドルへ下がればVT購入のハードルは下がる
なお、先日マネックス証券が米国株購入の最低手数料を0.1ドルへ引き下げる方針を発表しました。
しかも、2020年1月までは通常25銭かかる為替コストも0銭にするとのことです。
これが実現すれば、仮に毎月の積立が少額であってもETFを直接買い付けた方がよいことになります。
マネックスだけでなく他社も同様の手数料体系になると、楽天VTの存在意義自体が怪しくなると思います。
その意味でも、やはり王道の商品を保有するのが安心・安全です。
楽天VTを積み立てて、利益が大きくなったらVTに乗り換えるのは愚策です
とにかく、途中で本家VTに乗り換えるというのはやめましょう。
特に、乗り換え時に含み益が膨らんでいる時には、利益確定時の税金の大きさを目の当たりにして躊躇すること間違いありません。
先日のご質問にも同様の内容がありましたが、利益確定時の20.315%の税金こそが問題です。
長年コツコツと継続して1000万円の利益が出たとしても、利益確定すれば200万円が税金でとられてしまいます。
これでは長期投資のリターンを大きく毀損することになります。
投信積立の最大のメリットの一つは、利益確定せずに保有し続けることで、含み益部分にも複利の効果が期待できることにあります。
そのメリットを自ら捨てるような行為は厳に慎むべきです。
なお、NISAのように非課税枠であれば、利益確定時に税金がかかりませんので、 いったん利益確定して別の商品に乗り換えるというのもありでしょう(ただし、一度利用したNISA枠は再活用できませんので特定口座での買い付けになりますが)。
初心者の方はVTの株数を増やすことに集中するのがベストです
私は投資初心者の方には、シンプルに「日本円+VT」というポートフォリオを推奨しています。
日本国内に住み続ける以上、日本円で生活するわけですから、無リスク資産に関してはシンプルに日本円で保有すればよいという考えです。
債券や金などのアセットクラスも分散投資の観点では面白いと思いますし、実際に私も少額保有していますが必須ではありません。
株式クラスに関しては、やはりVTが万人におすすめしやすい商品だと思います。
月に30万円も投資可能であれば、コツコツとVTを購入し続けるだけで20年後の50歳時には相当な成果が出ていると思います。
VTをひたすら積み立てることなど誰でもできるだろうと思われるかもしれませんが、シンプルなことを初志貫徹して最後までやり抜くこと、これが簡単そうに見えて意外に難しいのです。
まとめ
VTをひたすら積み上げるという投資法自体はなんの面白みもありませんが、投資が趣味という方でなければそれで十分だと思います。
最低コストで十分に分散の効いた金融商品を購入し続けるという極限までシンプルな投資法です。
【マネックス証券】
マネックス証券は米国株の購入時手数料を最低0.1ドルへ引き下げることを発表しました(0.45%は変わらず)。
もともと時間外取引や逆指値注文などの優位性はありましたが、少額決済で米国株に気軽にアプローチ可能になるのは大きいですね。
こんな記事も書いています。
楽天VT・楽天VTIは優れた商品ではありますが、可能ならば本家VT・VTIを直接購入した方がよいです。マネックスのように手数料が下がれば誰でも可能となります。
万人におすすめ可能という意味でVTは最強です。
脇役的な存在ではありますが、BNDやAGGも使い方によっては面白いです。ただし、今現在は債券バブルの印象があります。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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