2022年の相場振り返り:為替変動と株安で激高難度の1年でした。来年は良い年を期待。

内科医

 

おはようございます。

2022年は株安と為替変動に振り回され、個人投資家にとっては非常に難易度の高い一年だったと思います。

・ロシアのウクライナ侵攻などの影響で燃料や原材料費が高騰し、インフレ圧が高まったこと

・インフレに対抗するため、米FRBが政策金利を4会合連続で0.75%利上げしたこと

・日銀が実質的な利上げに踏み切り、その影響で1日で約7円も円高になったこと

など、例年の相場では経験できないような異常事態が次々と起こりました。

最後に「新NISA」発足のニュースが飛び込んできたのはポジティブでしたね。

2023年はもう少し穏やかな相場を期待したいですが、あと1〜2年は厳しい相場が続くかもしれません。

 

2022年の相場振り返り:為替変動と株安で激高難度の1年でした。来年は良い年を期待。

 

ニュース1:米国FRBの金融引き締めの影響で日米金利差が拡大し急激な円安に

2022年一番のニュースは、やはり「米国FRBによる政策金利の大幅な上昇」でしょう。

今年11月まで4会合連続で0.75%の利上げ、12月に入って若干そのペースは弱まったもののそれでも0.5%の利上げというのは今までに聞いたことがないペースでした。

米国の急速な利上げで日米の金利差は急拡大し、その影響で一時期「1ドル=151円台」という円安水準になりましたね。

 

www.jetro.go.jp

 

通常時のFRBの利上げは0.25%幅ですので、4回連続で0.75%というのがどのくらい急速なペースかが分かると思います。

それまでの長期にわたる金融緩和政策により、インフレがとても容認できない水準に達してしまったため、インフレ圧を食い止めるための過激な措置でした。

金利上昇によって、特にGAFAMを始めとする米国大手テック銘柄の株価は急落し、米国を中心に世界中の株価が下落する結果となりました。

今現在、S&P500は3800前後で推移しており、最高値の4818から約20%低い水準になっています。

 

ニュース2:ロシアのウクライナ侵攻の影響などで燃料や原材料費が高騰、インフレ圧が強まる

2022年2月下旬に始まったロシアによるウクライナ侵攻作戦ですが、気がつけばもう10ヶ月近く続いていることになります。

ウクライナ軍の攻勢によってプーチン大統領の当初の作戦目標が達成されることはなく、まさに終わりが見えない泥沼の展開になっています。

 

www.businessinsider.jp

 

ロシアのウクライナ侵攻は世界経済へも大きな影響を与え、各種原材料費や燃料の高騰につながり、インフレ圧を強める結果となりました。

日本国内でも電気料金やガス料金の高騰は家計を圧迫しており、我が家の電気料金、ガス料金も3割くらい上昇した気がします。

 

FRBの急激な金融引き締め政策により、ようやく10月頃からインフレのピークアウトが見えてきましたが、金利上昇は世界中の企業業績にネガティブに作用しています。

2023年〜2024年には金利上昇はピークアウトする見込みですが、いったん冷え込んだ経済活動がどの程度回復するのか注目しています。

 

ニュース3:日銀が事実上の利上げへ。1日で7円近く円高に!

12月13日〜14日のFOMCの結果、米国政策金利が0.5%上昇することが発表されたのをきっかけに株式市場は冷え込んでいます。

12月に株価が下がると2018年の相場を思い出しますね。

その時は米中貿易摩擦の影響などで相場が冷えこみ、クリスマスショックと言える様相を呈していました。

 

さて、年末のビッグサプライズだったのは、日銀の黒田総裁が事実上の利上げに踏み切る決定を下したことです。

www.yomiuri.co.jp

 

米国と異なり、日本はいつもステルス的にいきなり爆弾を投下してきますので、市場参加者はいつもビックリさせられ過剰反応してしまいます。

このやり方で誰が得をしているのかさっぱり分かりませんが、今後も定期的に爆弾投下の可能性がありますので注意しましょう。

なお、この実質的な利上げ発表をきっかけに、わずか1日で7円も円高に振れるという異常事態が発生しました。

2022年は年始に「1ドル=115円」、10月には「1ドル=151円」、12月末に「1ドル=132円」とまさに為替に左右された1年でした。

ここまで急激に為替が変動した1年は珍しいと思います。

 

ニュース4:年始の「レバナス」ブーム到来→終焉へ

投資関連では2022年始に「レバナス」ブームが話題になりました。

2021年11月17日に新規設定され、レバナス投資家から歓迎された「楽天レバレッジNASDAQ-100」ですが、12月21日時点の基準価額が3,942円と悲惨なことになっています。

投資信託の基準価額は設定日が10,000円でスタートしますので、約1年で6割値下がりしたことになります。

 

「レバナス」の一件から我々個人投資家が学ぶべきことは、

1) 話題の中心になっている「ブーム商品」には乗っかってはいけない

2) 株式は現物でも十分にリスク資産であり、安易にレバレッジをかけてはいけない

3) レバレッジ型の商品は手数料が割高、ボックス相場に弱いという弱点があり、長期投資には元来向いていない

4) 話題になっている商品が投資信託化された時がその商品の天井である

などでしょう。

 

一攫千金を夢見たい気持ちはわかりますが、レバナスを買うだけで誰でもお金持ちになれるのであれば、世の中はFIRE民であふれているはずです。

実際には安易にブームに乗っかって失敗すると、その分資産形成のゴールが遠のくだけですので、とにかく一歩一歩地味な道を進むことをオススメします。

 

「ツミレバ」というパワーワードも登場しましたね。

聞こえはかわいいですが、実際には超上級者向けの投資法なので手を出さないようにしましょう。

www.churio807.com

 

ニュース5:2024年から新NISA発足へ!

最後はSNSでも話題になっている「新NISA」発足のニュースです。

まだ未確定な部分もありますが、ほぼ確定している情報としては、

・非課税で運用できる期間が恒久化されたこと

・つみたて投資枠と成長投資枠をあわせて年間360万円まで投資可能になること

・生涯投資枠も合計1800万円まで拡大されること

などが挙げられます。

いずれも今のNISAの不満点を大幅に解消するものであり、ポジティブなニュースと言えます。

 

新NISAに関してはすでにいくつか記事を書きましたので、そちらを参考にしていただければ幸いです。

 

【新NISAに関するオススメ記事

「新NISAってどういう制度?」という基本から知りたい方は以下の記事をどうぞ。

www.churio807.com

 

3回にわたり、各個人のおかれた経済状況別に4パターンに分けて新NISAのベストな活用法について考察しました。

www.churio807.com

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まとめ

2022年の金融ニュースと相場を振り返りました。

今年は為替変動や株安に振り回され、利益を出すのは非常に難しい1年だったと思います。

特に米大型テック銘柄の失速が目立ちましたね。

 

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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ

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