先生、お力貸してください。
もうワタシら無理ですわ、、、
入院させたってくださいな。
そうやって、ご連絡を受け、お父さんを看に伺う。
伺うとちょうど、おむつ交換で背中の曲がったお母さんが格闘中。
僕やりますよ。って言いながら、
お尻がどれくらい上がるか、寝返りはどれくらいか、
尿の色や匂い、便の形状や色を確認しながら、
大好きなおばあちゃんの介護で学んだ
得意のおむつ交換を手際よくやっていく。
その時の、お父さんとの会話で、
ザイタクを続ける星々を探っていく。
おいおい、おちんちん痛いやんかあ、
ウンチも出てしもたわ、ほんまアンタやってえな。
オカンが替えてくれへんからこないなったんやわ。
お父さん、お尻浮かしてや。あ、挙げれるやん。
ちょっと待ってや、ササッとふいたるさかいにな。
あ、そっち寝返ってみて、そうそう、それでええ、ありがと。
おしっこも出とるな、おちんちん掴むけど堪忍な。
もっかいこっち戻って浮かしてみて、そうそう出来るやん。
予想してた以上の日常生活動作に安堵したと同時に、
今度は、ザイタクを粘れないか、タナカとしては探り始める。
お父さん、ほんでな、入院、嫌なんか?
お母さんも娘さんも、困っとるで。
ここのあたりで、お父さんマアマア体は動くし、
介助も覚えればなんとかなるなと想像する。
センセ、ワシな、もうな、大丈夫や。
綺麗にしてもろたら、もう寝るだけやし。
明日までな、こうやって、チンって寝とったらな、
もう明日は歩けるようになっとるさかいにな。
心配いらんねんって、ほんまもう大丈大大丈夫。
ここで、お母さんと娘さんのご希望の入院も選択肢に残しながらも、
お父さんの想いを聴いていただいたので、もう一歩手を差し伸べる。
今日は、日曜やし、明日朝また、
うちの看護師来た時入院するか決めましょか。
先生におむつ交換までしてもろて、
ほんで入院連れてって、また、お父さん怒って、
帰ってくるようになったら、先生の顔ドロ塗ってしいますやん、、
どうしたらええんやろか、、、
僕の顔のドロなんかどってこと無いけど、
それにしても、ようやってはりますね。
お母さんも、娘さんも、お孫さんも。
お父さんのおトイレのことで必死になって
ゴニョゴニョ喧嘩できるなんて、ホンマ素敵です。
すると娘さん、こんな質問。不安な気持ちが溢れ出始める。
先生、もしこのまま、そうなったら、どうしたらええんですか?
葬儀屋さんのことって、よおわからんくて。そん時の流れ教えてほしんです。
そうなったら、慌てず僕で大丈夫ですよ。と伝え、
その後の流れを説明した。このあたりの話が出てくると、
まあまあ、そこにむけての心の準備が始まってくる。
今日もザイタクは楽しかった。
だからやめらんない。日曜日のおむつ交換((笑))
入院を訴えるも、お父さんへの愛を
とっても感じるお母さんを見てたら、
この曲が浮かびました。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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