先生な、ワシラの時代はな、若いもんの意見なんて
誰も聴いてくれんでな、年寄り絶対の時代やったな。
そんな時代にな、こいつはな、ホンマよおやってくれたんやで。
ワシラが一緒になった時はな、ワシの両親とその上の古い両親と、
六人で暮らしとったんや。四人の年寄りな、みんなこいつが家で看てくれたんや。
畑もな、トマトや野菜だけやないで、お米も出しとったからな。
年寄り世話しながら、畑やってな、二人してホンマよおやってきたんや。
そんなときにな、こいつな、ワシに言っとったんや。
「死ぬまでにな、一度だけでええから、二人だけの時間作ってぇなぁ。
そしてなアンタ以外なんも要らんからな、二人で静かに過ごしたいなあ」
って、よお言っとたんやで。時代も変わったな。
ホンマ、今はわな、息子らにも叱られるしな。でもな。
こうやって、あの時出来へんかった二人の時間な。
静かな時間、たっぷり手に入るんや。これでええんやと思う。
骨、折れてもな、こうやって、二人して暮らすのがエエんやと思う。
遠い昔を思い出し、少しハニカンだ顔をして
昨日も妻のパンツを洗ってくれたお父さんが
しみじみと語ってくれた。
二人のこんな時間、数十年前には
きっと、想像できなかった。はず。
昔も今も、やっぱり素敵だ。人生だ。
今のうちさ 笑えばいい。今のうちさ してきた全てを笑え。
カッコいいこんな歌が聴こえてきた。良かったら聴いてください。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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