「函館に行ってみたい」
というのが、昔からの希望
“同じ北海道”といっても
道東に住んでいる私には、
北海道、縦半分から向こう（西側）は
なかなか行けない遠いところ
過去に就いていた仕事は、
休日は週に1度
連休はほぼなし
それどころか、
盆・正月、
ゴールデンウイークや祝日は働き通し
毎日、職場と家との往復だ
こんな生活じゃ、
どこへも行けるはずがない
今思えば、
「よくこんな働き方していたなぁ．．．」
と、思う
出かけられるようになったのは、
乳がんになってから
なんだか皮肉なものである
そんな私にとって“函館”は
憧れの地のひとつ
やっぱり夜景は
生きているうちに一度は観てみたい
が、北海道は本当に広い
私が住んでいる街から函館までは
600㎞はあるだろうか
休憩をとりながら、
車で9～10時間はかかるだろう
なので、ほぼ諦めている
しかも、
こんな身体になってしまったのであれば、
歩くことはできない
夜景を観に行くのにも、
きっとかなり歩くはずだ
「行こう、函館！！ 来年の夏！！」
「え？」
「車椅子、安いのあるし。
コンパクトな車椅子もあるし。
車に車椅子積めるし。
りかが歩けるところは、
私が車椅子持って歩くよ。
歩くのがしんどくなったら
車椅子使えばいいじゃん」
確かに、全く歩けないわけじゃない
そんなに立派な車椅子は必要ない
ちょっとした階段は
自分の足で上ればいい
“来年の夏”か．．．
今よりきっと進行している
上れるだろうか、階段．．．
で、長距離は歩けないので車椅子――
．．．いや、車椅子なんて無理だ
確かに今、ペンギン歩き
歩くスピードも、
たぶんこれまでの半分以下
でも、全く歩けないわけじゃない
うーん．．．考えとこ――
たぶん、お断りするかな
ありがたいけれど
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Source: りかこの乳がん体験記
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