おはようございます。
新NISAでインデックス投資をする場合、投資対象として考えられるのが「投資信託」と「ETF」です。
投資信託の代表例としては、弊ブログで何度もご紹介しているeMAXIS SlimシリーズやSBI・Vシリーズなどが挙げられます。
ETFは1655や2558(S&P500)、2559(オール・カントリー)などの国内ETFと、VT、VTI、VOOなどの米国ETFに大別されます。
S&P500やMSCI・オール・カントリー・ワールド・インデックスなど、同じ指数に連動する商品であれば、投資信託であろうがETFであろうがリターンには大差は生じません。
新NISAでは分配金再投資型の投資信託がベストです。
手動で再投資しなくてよいので、NISAの非課税枠を無駄遣いせずに済みます。新NISAでは、同じ指数(インデックス)に連動する商品なら絶対にETFより投資信託ですね。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) December 3, 2023
「同じなんだから新NISAでどちらを購入してもよいよね?」と思われるかもしれませんが、
分配金再投資の効率を考えた場合、新NISAを満額(1,800万円)埋められる資金力がある方であれば、絶対に投資信託を購入すべきです。
本日はその理由を検討します。
新NISAではETFではなく、分配金を自動再投資してくれる投資信託を選ぼう!
新NISAでは同じ指数(インデックス)に連動する商品なら投資信託がベスト
一口に新NISAで「S&P500に連動する商品を買う」といっても、実際には多数の選択肢が存在します。
1) 投資信託の場合:
・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
・楽天・S&P500インデックス・ファンド
2) 国内ETFの場合:
・1655 iシェアーズ S&P500 米国株ETF
・2558 MAXIS米国株式(S&P500)上場投信
3) 米国ETFの場合:
・VOO バンガード S&P500 ETF
・IVV iシェアーズ S&P500 ETF
・SPY SPDR S&P500 ETF
上記ですらあくまで一部の商品を紹介しただけであり、実際にはもっと多くの商品が存在します。
以前は国内の投資信託とVOOやIVVなどの米国ETFの間に大きなコスト差があったため、コストの点だけでも米国ETFを選ぶ理由がありました。
ところが、最近ではeMAXIS Slimシリーズなどの超低コスト投資信託が次々と登場し、両者のコスト差はほぼ無くなっています。
指数もコストも同じならどちらを選んでもよいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、少なくとも新NISAで購入する場合には投資信託がおすすめです。
投資信託の分配金再投資は自動であり、再投資にNISAの非課税枠を使わずに済む
新NISAの生涯投資枠は1,800万円です。
そのうち600万円が「つみたて投資枠」、1,200万円が「成長投資枠」になっています。
実際には、投資のプロではない我々個人投資家は、「つみたて投資枠」「成長投資枠」関係なくインデックス投資に徹するのが正解です。
さて、投資信託とETFの大きな違いは、
「投資信託の場合は分配金が自動再投資されるが、ETFの場合は分配金をいったん受け取り、その後手動で再投資をする必要がある」
ことです。
eMAXIS Slimシリーズなどの低コストインデックスファンドの大半は、分配金を顧客に支払うことなくファンド内で自動再投資し、基準価額の上昇という形で利益をもたらしてくれます。
つまり、1,800万円の投資枠すべてをオルカンやS&P500の購入に充てることができ、あとは放っておけば非課税のままどんどん複利効果で資産が増え続けてくれるのです。
しかし、ETFの場合は受け取った分配金を手動で再投資する必要があります。
再投資する時にも新NISAの非課税枠を使ってしまうので、投資資金に余裕がある人の場合、あっという間に1,800万円の非課税枠を使い切ってしまう可能性があります。
非課税枠をすべて使い切った後に振り込まれた分配金は課税講座(特定口座など)で再投資するしかなくなるため、超長期で見た場合には投資信託より資金効率が悪くなるのです。
配当を生活費に使うなら高配当株はアリだが、配当再投資前提の若年世代には不利となる
上記の理由から、シンプルにトータルリターンを追求する場合、高配当株はNISAとは相性が悪いです。
もちろん、本来なら配当に課税される約20%の税金がNISAであればゼロになりますので、受け取れる配当金の金額は大きくなります。
50代〜60代以降の方で、配当金を少しでも増やして、受け取った配当金を今すぐに生活費として使いたいという方はNISAで高配当株を買うのがよいでしょう。
しかし、20代〜30代の若年世代の方で、配当金が振り込まれても実際には将来のために100%再投資するという方は資金効率がものすごく悪くなります。
高配当株では株数を増やせば増やすほど振り込まれる配当金の金額もみるみる大きくなっていきますので、それをNISA内で再投資するとあっという間に1,800万円の投資枠を使い切ってしまう可能性があるからです。
配当金は欲しいけれど、今すぐに使う予定はないという方は、若いうちはシンプルにインデックス投資で資産をじっくり増やすことに集中したほうがよいでしょう。
結論としては、「初心者は何も考えず投信積立しておくのが吉」となります。
まとめ
インデックス投資では、同じ指数(インデックス)に連動する金融商品の場合、コスト差がなければどれを選んでも大差はありません。
しかし、新NISAで購入する場合は分配金が自動再投資される投資信託を選んだほうが圧倒的に有利でしょう。
あくまで新NISAを満額(1,800万円)使い切るのが前提にはなりますが。
【新NISAの理解を深めるためにおすすめの本2選】
1. 大改正でどう変わる?新NISA徹底活用術
NISAやiDeCoに関してどの本を選ぶか悩んだら、とりあえず竹川さんが書いた本を選んでおけばOKと断言できます。
2024年から始まる新NISAの理解を深めるため、ぜひ読んでおきましょう。
2. 図解 新NISA制度
こちらも新NISAに関するおすすめの一冊です。
豊富な図解と簡潔明瞭な文章で大変読みやすく、現行のNISAと2024年から始まる新NISAの違いがよく理解できます。
新NISAに関しては、ブログやSNSだけでなく、どれか1冊は本を読んできちんと網羅的に学ぶことをオススメします。
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投資人生を一変させうるのが「トマ・ピケティのr>g」と「シーゲル教授の株式長期リターンの凄まじさを示した図」です。
新NISAは初心者が思いつきのまま理由のわからないことをやらなければ勝てます。
まずはインデックス投資の古典的名著を読み込みましょう。
新NISA自体が難しいのではなく、実は新NISAをフル活用する種銭を貯めるのが難しいのではと思う今日このごろです。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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