広島 平和記念公園(爆風で死した御霊より)

その他

広島へお伺いする際、わたくしが必ず訪れる場のひとつに「広島 平和記念公園」がございます。

ここは、原爆死没者の慰霊と世界恒久平和を祈念して開設された都市公園で、緑豊かな敷地のなかに、原爆ドーム、平和記念資料館、そして、平和への願いを込めた数々のモニュメントなどが随所に配置され、全体は相当な広さです。

公園を訪れる顔ぶれも様々で、地元の方々や学生さん、観光客も比較的外国人の方々が多く、この公園が過去の戦争を物語る、世界的にも貴重な場なのだろうと思います。

元安川と本川の、二つの川に挟まれた三角州の形状は綺麗に整備されていまして、ちょうど敷地の中央部あたりにございます、「原爆死没者慰霊碑」で祈らせていただいた際に、かつて原爆にて死した御霊より頂戴した御言葉をお伝えさせていただきます。

慰霊碑の前でわたくしと対面してくださった御霊は男性で、原爆の日は、外で木材などの運搬作業をされていたそうです。当時の周辺の状況を、天はわたくしに(映像として)お見せになり、ぐるりと掘っ立て小屋のような建物が並び、コンクリート剥き出しの壁も粗く、当時の日本の戦局の悪化を物語っていました。

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「(原爆投下までの)戦時下、私もまた人々と同じように、“お国のため”という一心で、日ごと勤労(勤労奉仕)に励んでおりました。

食糧のほか、着るものも無いーーー 何もかも不足する戦局のなかで、私たちは老若男女問わず、今そこにある“暮らし”を続けるため、身近な物を寄せ集め、工夫し、少しでも贅沢を除け(避け)命をつないでいたのです。

自分の身体がどうの、などとは考える余地はありません。身に着けるもの(衣服)も、薬などもまた不足の一途を辿っていましたから、自身の姿(見た目や健康状態など)はとくに考えたこともありませんでした。

・・・(原爆のあの日。

私は、“初めて”自分の身体を意識した、と言っても過言ではありません。

目に(その光景が)飛び込んできた、という表現が正しいかもしれません。

私は、ふと空を見上げた瞬間、(爆発の)熱風で吹き飛ばされ、近くの(コンクリートの)壁にぶち当たりました。

今まで感じたことのないほどの、とてつもない衝撃を受けて、意識が朦朧(もうろう)としたさなか、そこで初めて、己の身体から飛び散った“肉片”と、そして・・・バラバラに砕けた“骨”を目(ま)の当たりにしたのです。

(あまりの衝撃で)痛みはすでに通り越し、私は、視界に入る自身の肉や骨に、“自分の身体はこんなもの(=体内組織)でつくられていたんだ”ーーー そう思いました。

これが、私が“自分”を意識した瞬間です。

(しばらく間をおきました。)

私も含め、当時は“自分”などというものは本当にありませんでした。

国が総当たりで敵国へめがけ突進していく、それは言い換えれば“お国のための、みんな”であり、自分がどんな姿で、何をしたいのかなどと思いを巡らせる余裕など無かったのです。

ただ、目前に繰り返されたのは、命を懸けて戦う兵隊さんの勝利を願い、“心は一つ”ーーー そう、みんなで気を奮い(敵国に)向かっていった、そのうねりのような“連帯感”です。

・・・皮肉なものですね。

自分の身体が爆風で砕け、(私という)命が今まさに“閉ざされ”ようとした瞬間が、私が初めて“自分を見た日”です。

“自分は一人の人間なんだ”と気づきが芽生えたその日・・・私は、人間では無くなりました(=死んでしまいました)。

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上記の御言葉を頂戴して、わたくしは、なぜ、このようなお話を聞かせてくださったのですか、とその御霊にお伺いしました。きっと、いまだに無念の想いがあるはずで、言葉にするのも苦しいのでは、とも思ったからです。

そうしますと、その方は、当時の被爆地で実際に起こった人々の様子をお話してくださいました。

原爆を受けた方々は、爆発の威力や爆風で、“目玉”が(被ばくの衝撃で)ボロっと飛び出してしまった人がかなり多かったのだそうです。

「自分の姿さえ、もはや見ることのできない人々が大勢いた状況下では、私は、たとえ肉片が飛び散り、骨が砕け剥き出しになっていたとしても、己の姿を、(自身の)この“目”で見ることができた、それだけでもきっと“幸せな”ことだったのでしょう」と、自らに言い聞かせるようにおっしゃいました。

今のわたくしたちからすれば、とても想像できない壮絶な世界です。

悲惨な戦争を経たゆえに、幸せを問い、その実現に向け互いに歩んでいく、それも大切です。

ですが、惨禍は二度と繰り返したくはありません。

わたくしたちの普段、不足無い生活を送るなかで、幸せをつぶさに感じ、そのありがたさを心から思える、そういった自らの在り方こそを、一人ひとりが今一度見つめ直していかなければと思います。

以上。

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Source: 神々からのメッセージ

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