奥さんとご主人のことを振り返る。

医療機関

あ~先生、ちょっと待ってくださいな。

どうぞ。どうぞ、お入りください。

 

年末に、旅立たれた患者さん。

その奥さんのお話が聴きたくて。

 

看取りの医療ではなく、暮らしを支える医療の

『ザイタク医療』をどうすれば、患者さんのもとに、

お届けできるのか、教えていただきたくて、

ご主人にお線香を上げさせていただくとともに、

お話を伺いに。近くを通ったので、立ち寄った。

 

 

ザイタク医療の並診って、ホント大切って実感したのよ。

でも、そこに繋がるにはやっぱり、外来の看護師さんよ。

話してくれたあの婦長さんのあのなんだろう、、、、

優しさと経験と知識と、そうね、、生活感と言うか、、

そうそう『暮らし』や『地域』がわかってると言うか、、、

あ、それから、そうそう彼女のふくよかさ🧡も、かしら。

 

奥さんは、並診になるメリットをすごく理解されていた。

最後の日まで暮らしていく上で、専門病院の医療だけでは、

こんな素敵な最後の暮らしは出来なかった。と理解できた。

問題は、専門病院と在宅医療が並走したら良いと言うことの

導入が、一番大切で難しい。と言うことまでも理解されていた。

 

 

一番厳しく難しく感じたのは、どんなところでしょうか?

 

化学療法ができなくなって、途方に暮れている時に、

人生の最終段階のことを考えろ。と言われた時です。

やっぱり、先生、私ね主人に生きていて欲しかったのよ。

 

こう、ハッキリとおっしゃった。

そして、こうも続けられた。

 

在宅医療は『暮らし』を支える医療。

お看取りの場所を決める為の医療ではない。

そのことが、今回、お父さんのことで、

こうして、皆さんに関わって頂けて、

先生とこの看護師さんやリハビリさんが、

お父さんのお風呂とかに挑戦してくれて、

ホント、看取りの為やないんだって、わかったの。

これを最初に教えてくれたのが、あのふくよかな、

専門病院の外来の婦長さんよ。ありがたかったわ。

 

やっぱり、市民の声が一番、だ。学びが多い。

『ザイタク』医療は、暮らしを支える医療。

在宅看取りは、その延長線上にただあるだけ。

目先の営業で、在宅医療がねじまがりつつある昨今。

そこに関わる一員として、責任を感じている。

 

市民とともに、今こそ『ザイタク』医療を

今一度洗濯し直して、もう一度創造したい。

 

 

気がついたら2時間((笑))も、

ご主人の遺影の前で正座してたし、

途中、足が痺れちゃって、お尻を動かしたら、

後ろにあった白いユリの花瓶をこかしちゃって、

畳の上が水浸し。奥さんと一緒に、慌てて拭きながら、

 

先生、でもやっぱり、こんなにも可愛い私を、

こんなにも早く一人にしちゃって、この人の、

ここのお部屋に夜、電気消しに来るたんびに、

「もうお~~ホンマに~~~アンタ~~~」って、

大好きやけど大っ嫌いの気持ちで口尖らせてるんよ、私。

って話された奥さんは、ご主人のことを愛されているんだなあって、

しみじみ思いながら、今日の学びに感謝を述べ、家を出た。

 

『ザイタク』医療は、暮らしを支えるため。

僕はこれからも、ここに拘り、学びを進めたい。

 

 

市民とともにあれば、50年後、

ザイタク文化はきっと育っている。

良かったら聴いてください。

 

 

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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