おはようございます。
今年から新NISAが始まったばかりであり、これから資産を積み上げる時期なので、「新NISAの出口戦略」についてはほとんどの人があまり考えていないかもしれません。
しかし、お金はきちんと使って物やサービスと引き換えなければ意味がなく、いずれは新NISA内の資産を取り崩す時期がやってきます。
投信積立などを利用すれば何もしなくても機械的に買うことができるので、資産を積み上げるのはそれほど難しくありません。
一方、資産を売るタイミングや金額を見極めるのは意外に難しく、一気に売りすぎてお金が足りなくなったり、逆に積み上げた資産を売るのがもったいなくて使えないといったケースが考えられます。
そこで本日は、新NISA内の資産の効果的な売却方法について検討してみます。
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新NISA内の投資信託は緊急でお金が必要な時には「必要最小限だけ」売却する
現役世代の方だと、子どもの教育費、車や住宅の購入などでまとまったお金が必要になる機会もあるでしょう。
このように用途が決まっているお金に関しては、必要な時期と金額を事前に想定し、毎月の貯金で対応するのが原則です。
しかし、突然の病気や怪我で働けなくなるなど、突発的なリスクは避けようがありません。
その場合、手持ちの預貯金や生活防衛資金の一部だけで対処できればよいですが、お金が不足する場合には投資した金融商品を取り崩す必要があります。
もし新NISAと特定口座の両方に金融商品を保有している場合は、先に特定口座内の商品を売却した方がよいでしょう。
新NISA内の商品は非課税のまま長期に運用することが重要であり、頻繁に売却してしまうと資産形成の効率が下がるからです。
新NISA内の商品を売却するのは最終手段と考えた方がよいのです。
お金に余裕ができたら復活した非課税枠を使って再度投資をしよう
また、新NISAでは売却した商品の分の非課税枠が翌年に復活します(下図)。
生活状況の立て直しが完了し、投資できるお金に余裕ができたら復活した非課税枠を使って再度投資しましょう。
現役で仕事を続けているうちは毎月の給料の範囲内で生活をするのが原則であり、新NISA内の商品にはできるだけ手をつけないことが重要です。
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リタイア後のインカム源として新NISAをどう使うか
老後のお金に関しては、家族構成や現役時代の職歴などによって、もらえる年金や退職金の金額が大きく変わります。
多くの場合、現役時代よりも毎月のインカムが減りますから、年金だけで不足する分のお金は預貯金や金融商品を取り崩して対応することになります。
新NISAは非課税で運用できる期間が無期限なので、理論上は老後になっても運用し続けた方がお金は増えます。
しかし、新NISAで増やしたお金は健康なうちに有意義に使わなければ意味がありません。
よって、自分の体が元気なうちに金融商品を取り崩して積極的に使い、豊かな老後生活が送れるようにしましょう。
さて、老後に新NISA内の商品を売却する時のポイントは、
1) 成長投資枠の個別株やETFから配当金がある場合は優先的に使う
2) 配当金で不足する分は、投資信託の定期売却で対応する
3) 一気に全資産を取り崩さず、必要な分だけ少しずつ取り崩す
ことです。
個別株やETFからの配当金・分配金は一番に使う
新NISAの成長投資枠で個別株やETFを保有している人は、定期的に配当金が振り込まれることが多いでしょう。
若い時は配当金を再投資に回すことが重要ですが、老後は配当金を生活費に回すのがおすすめです。
このように、株式から得られる配当金が真に活躍するのは、実は現役時代ではなくインカムが減った後の老後です。
金融商品を売却するわけではないため、売るタイミングなどを考える必要がなく、心理的な抵抗感も少ないのがメリットです。
投資信託(オルカンやS&P500)の定期売却サービスを使う
配当金や分配金だけで不足する分は、投資信託の「定期売却サービス」を使うのが正解です。
2024年1月現在、SBI証券と楽天証券で使うことができます。
しかし、NISA口座内の投資信託の定期売却や、定額だけでなく定率売却にも対応しているのは楽天証券のみです。
若い人にとっては、新NISA内の商品を取り崩すのは遠い将来の話なので、その頃には各証券会社が提供しているサービスの内容も大きく変わっているかもしれません。
一方、中高年の方がこれまでに貯めてきたお金を使って新NISAを利用する場合、売却戦略をあらかじめ考えておく必要があります。
投資信託の「定期売却サービス」を使い、年金のように毎月自動で現金化したい方は、本サービスが最も充実している楽天証券を選ぶとよいでしょう。
一気に全資産を取り崩さないことが重要
新NISA内の商品を取り崩す時の重要なポイントは、一気に全資産を引き出さないことです。
投資信託の定期売却サービスなどで少額ずつ引き出すだけであれば、残った資産は引き続き非課税のまま運用されます。
このように、新NISA内の資産はできるだけ多く運用し続け、毎月必要な金額分だけ引き出すことが重要です(下図参照)。
毎月取り崩しているのでお金が減っていくのは当然ですが、取り崩し期に入った後も運用を続ければ、お金が減っていくスピードを抑えられる可能性があります。
60歳からの新NISA「雪だるま式に増やす方法」と80歳〜100歳までの「取り崩しシミュレーション」【CFPが解説】|資産形成ゴールドオンライン60歳から資産運用をする場合、若い世代と比べると時間に限りがあります。そこで、CFPの藤川太氏は、新NISAの制度を上手に使って「使いながら増やす」ことにより、資産の寿命を延ばす工夫が重要だといいます。どのようにすればいいのでしょうか。藤川氏の著書『60歳からの得する! NISA大改正』(株式会社ART NEXT)から...
まとめ
新NISA内の資産の効果的な取り崩し方法について考察しました。
成長投資枠で個別株やETFを保有しており、配当金や分配金がある場合は最優先で利用しましょう。
オルカンなどの投資信託はに関しては、投信の定期売却サービスを使うのが効率的です。
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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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