おはようございます。
私がメインで投資をしているVTやVTIといったETFは、あくまで全世界株や米国株の市場平均を狙った商品なので、分配金利回り自体は高くありません。
その時点での株価にもよりますが、大体1.3%〜2.2%程度でしょうか。
配当金って毎回少額ずつ利益確定しているのと同義なので税効率は悪いんだけど、
何もしなくても勝手に振り込まれるからリタイア後の生活には大変ありがたいよね。投資信託を売ればいいんだけど、含み益が育ってくると愛着が湧いちゃうんだよなー。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) April 7, 2024
正直、VTやVTIへ積立投資を始めたばかりの頃は、保有している株数が少なかったこと、1株あたりの配当が今よりだいぶ少なかったこともあり、数十ドル程度の配当しかありませんでした。
今では、四半期ごとに税引き後で2,000ドル以上の配当がもらえるようになり、随分成長したものだと思います。
配当金の成長は株価の成長よりも安定していますので、株価を増やしていけばかなり安定して増えていくのが長期投資の大きなモチベーションになりますね。
配当金の積み上げは長期投資のモチベーションに!eMAXIS Slimオルカンや楽天・オールカントリー主力ならVTの分配金利回り分は売るのもアリ?
長年積み上げたインデックスファンドをどう売るか問題を真剣に考える
これから投資を始める人には、正直言ってVTやVTIなどの米国ETFではなく、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)やS&P500といった投資信託がオススメです。
投資信託の場合、
・外国株に投資する商品でも日本円のまま投資が可能
・投信積立で毎月定額の積立が可能(ETFだとVOO1株でも450ドル以上する)
・クレカ積立のポイント還元など有利な制度がある
などのメリットがあるからです。
拙著『世界一やさしい投資信託・ETFの教科書1年生』P.50から引用
eMAXIS Slimシリーズなどの低コストインデックスファンドは、ファンド運用効率を上げるため、あえて分配金を払い出さない方針で運用されています。
分配金はファンド内で再投資され、それは基準価額の向上という形で反映されるため、投資家自身は何もやる必要がなく、資産形成期には大変便利です。
投資信託とETFの分配金の取り扱いの詳細についてよく分からないという方は、昨日の記事を参考にしてください。
一方で、資産取り崩し期に入った後は、それまで長年かけて積み上げてきた投資信託をどういうペースで売っていくべきかという問題と向き合う必要があります。
よほど巨大な資産を築き上げた人は、自分の使いたい金額だけ必要な時に適当に売ってもOKですが、
老後の資金計画ギリギリの場合、上手に売らないと予想以上に早く資産が減ってしまうというリスクがあります。
VTやVTIなどのETFなら、配当金だけ使って株数は減らさないのが最強
VTやVTIなどのETFの場合、老後資金の解決策は比較的簡単です。
「定期的に振り込まれる分配金をそのまま生活費に充て、VTやVTIはできるだけ売却せずに株数を減らすことなく運用し続ける」
のがよいでしょう。
もちろん、毎月の年金とETFからの分配金を合わせても生活費が足りなかったり、病気や怪我などで急な出費が発生した時はETF自体を売るのもOKです。
しかし、できる限り「年金や分配金だけで生活する」と考えておけば、VTやVTIの株数は保たれ、そのまま運用し続けられるため安心感は大きいですね。
実際、VTやVOOの過去10年間の分配金推移を以下の記事でまとめましたが、20年〜30年保有し続ければ分配金が3倍くらいに成長する可能性はあります。
老後に分配金がほしい人は、若いうちにこれらのETFを仕込み、配当を育てるという楽しみを加えるのもよいでしょう。
オルカンの場合、VTの分配金利回りである2%だけ毎年売るなど工夫を
投資信託のままずっと保有していると、資産自体は複利効果で成長し続けますが、最終的には投資信託を売って現金化しないと目の前の生活に役立つことはありません。
eMAXIS SlimオルカンやS&P500などの投資信託の場合、クレジットカードを利用した投信積立なども充実してきており、「買うのは非常に簡単」になっています。
一方で、長年積み上げた投資信託の「上手な売り方」というのは買いよりもだいぶ難しいです。
私が思いつく解決策としては、
1) 配当金の代わりに投資信託の定期売却サービスを活用して機械的に取り崩す
2) VTやVTIの分配金利回りと同じ割合を毎年取り崩すルールを作る
などでしょうか。
FIRE後の生活の目安として、毎年取り崩す金額を総資産の4%以内に抑えると長期的に資産が枯渇することなく生活し続けられるというデータがあります(4%ルール)。
VTやVTIなどの分配金利回りは2%前後ですので、毎年2%ずつの取り崩しというのはだいぶ保守的になりますが、その程度の取り崩しで済めば老後は万全と言えるでしょう。
まとめ
VTやVTIなどのETFと異なり、eMAXIS Slimシリーズなどのインデックスファンドは、売却して現金化しない限り生活の役にはたちません。
長年かけて積み上げてきた投資信託を老後にどう売るかというのは、よく考えておいた方がよいでしょう。
【オルカンを軸にした初心者におすすめのポートフォリオを紹介しています!】
3/15に発売した拙著『世界一やさしい投資信託・ETFの教科書 1年生』の中でも、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を軸にした、初心者におすすめのポートフォリオをご紹介しています。
投資で重要なのは、いきなりハイリスクな商品に手を出して一か八かの勝負に出ることではありません。
初心者にとっては、「堅実で手堅いポートフォリオをいかに長く保有し続けるか」が最も重要なのです。
自分に合った資産配分を決めるコツや、おすすめの投資信託やETFもたっぷりご紹介しているので、ご興味ある方はぜひ!
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楽天証券のNISA投資信託ランキングです。
積立件数ベースでインド株投信が1位というのは驚きですね。
まずは1つの指数、1つの銘柄(オルカンなど)に集中投資して、強固な含み益を築き上げることを目指しましょう。
自分が保有している銘柄に絶対の信頼が置けるのであれば、思い切って株式比率を上げると投資効率はよくなります。
私はほぼフルインベストメントに近い状態ですが、意外に快適にやれています。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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