おはようございます。
「オルカンを50万円買ったら、その直後に1万円損失が出てしまったんですが、このまま保有し続けて大丈夫か?」
といった内容のポストを見かけました。
「オルカンを50万円分買ったら、その直後に1万円損失が出てしまったんですが、このまま保有し続けて大丈夫でしょうか?」
という質問。
正直、このレベルだとオルカンを買う前に最低限の株式投資の勉強が必要ですね。バフェット曰く、「リスクは自分の行動に対する無知から生じる」とのことです。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) April 20, 2024
ネタであることを信じるばかりですが、このレベルの知識だと株式投資で勝つことはまず不可能です。
・オルカンは「株式100%」なのでリスクの高い商品であること
・投資の世界ではリスクとリターンは比例関係にあり、リターンを得るためにはリスクを引き受ける覚悟が必要なこと
などを学んでから投資を始める必要があるでしょう。
eMAXIS Slimオルカンや楽天・オールカントリーを買ったらすぐに損失が発生したので売るべき?→リスク・リターンの基礎勉強からやり直しです
eMAXIS Slimオルカンや楽天・オールカントリーは「市場リスク」をモロに受けます
eMAXIS Slimオール・カントリーや楽天・オールカントリーなどの全世界株インデックスファンドは、これ一本で世界中の株式市場に分散投資ができる商品です。
以下の図の通り、オルカンなどの全世界株インデックスファンドに投資することで、個別株リスクや、特定の国や地域に投資することによるカントリーリスクを回避することができます。
インデックス投資を理解する(5):リスクを怖がる必要なしの術! – アメリカ暮らしのファイナンシャル・プラニング Smart&Responsible
しかし、あくまでオルカンは世界中の「株式だけ」を集めた商品であり、市場リスクをまともに引き受ける商品とも言えます。
後に解説するとおり、この市場リスクを引き受けることが長期的なリターンの源泉とも言えるのですが、
過去の大暴落のデータや投資における「リスク・リターン」というものを正しく理解していないと、たった1万円損失が発生しただけでオルカンを売りたくなってしまうので注意が必要です。
過去の大暴落のデータから、最大40%〜50%の下落が起こり得る
株式市場というのは、短期〜中期的には株価の上げ下げを繰り返しながら、長期では右肩上がりに成長し続けてきました。
平常時の株価の上下動は±10%程度にとどまりますが、一時的に市場が極端に「楽観」もしくは「悲観」に傾くことがあります。
極端な楽観はバブルを生み、極端な悲観は大暴落を生み出してきたと言えるでしょう。
以下は過去100年間の主な大暴落を示したチャートです。
2000年〜2023年の間だけでも、
・2000年〜2001年のITバブルで-45%
・2007年の世界金融危機(リーマンショック)で-50%
・2020年のコロナショックで-20%
とたびたび暴落が訪れています。
これらのデータに基づくと、オルカンなどのインデックス投資であっても、一時的には50%弱下落する可能性を覚悟しておく必要があります。
投資の世界ではリスク無くしてリターンは得られない
最後に、投資の世界における「リスク・リターン」について解説します。
リターンはその投資から得られた収益の大きさを指し、言葉通りの意味なので理解しやすいです。
一方、投資の世界における「リスク」というのは「危険」という意味ではなく、その資産の価格の変動幅の大きさを指します。
以下の図で言えば、商品Aより商品Bの方がリスクが高い商品で、「大儲けできる可能性がある一方、大損する可能性も大きい」商品と言えます。
以下の図のとおり、投資の世界では、「リスクとリターンはおおむね比例関係」にあり、低リスクでハイリターンといった都合の良い商品は存在しません。
オルカンは「投資信託」の中でも100%株式に投資する商品なので、かなりリスクが高い商品に分類されることが分かるでしょう。
このような事実をきちんと勉強していれば、オルカンを50万円買って1万円損失が発生するなどしばしば発生することであり、これで一喜一憂していては投資にならないことがよく分かるはずですね。
まとめ
オルカンなどのインデックスファンドに投資しているにも関わらず、少し株価が下がるとすぐに売りたくなる方は投資の基礎知識が足りていません。
本を読むなどしてインデックス投資の知識を身につけてから相場に臨んだ方がよいでしょう。
【インデックス投資の基礎知識を今すぐ身につけたい方は拙著をぜひ!】
拙著『世界一やさしい投資信託・ETFの教科書1年生』では、これからオルカンやS&P500などの投資信託を買う方が、事前に身につけておくべき投資の知識を網羅しました。
「リスク・リターン」の正しい理解については2章で、インデックス投資に必要な基礎知識は3章でたっぷり解説しています。
投信の値動きに慣れないという方は、知識不足から来ているかもしれません。
大きな失敗をする前に本を読んでち
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オルカンやS&P500などのインデックスファンドの場合、株価が急落してもバイ&ホールドで問題ありません。
オルカンやS&P500などの超人気商品も、株式100%型なので実はハイリスクです。
リスクを抑えながら投資したい方はバランスファンドを検討しましょう。
フルインベストメントの是非についてです。
オススメできる人はかなり限られますが、私自身はここ数年フルインベストメントに近い状態を続けています。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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