おはようございます。
新NISAは非課税期間が「無期限」になったため、若い人ほど非課税で運用できる期間が長くなり有利です。
生涯にわたって投資を続けるための制度とも言えますが、私たち人間の脳のスペックややる気が加齢とともに落ちていくことには注意が必要です。
新NISAは非課税期間が「無期限」になったので、生涯投資を続けるための制度です。
若い時は投資に割くエネルギーも知力もありますが、年とった時にどうなるかは別の話。
私がオルカンやS&P500の全力買いを勧めるのは、年とった時の取り崩し戦略をシンプルにする意味もあります。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) June 15, 2024
若い時には投資熱に溢れ、いろんな投資手法を実践して利益をあげることができたとしても、高齢者になった時に同じことができるかは不明です。
その点、オルカンやS&P500などの投資信託を中心としたポートフォリオであれば、必要な時期に必要な金額を取り崩すだけで済むので取り崩し戦略も簡単ですね。
eMAXIS Slimや楽天・オルカン、S&P500のインデックス投信全力買いは出口戦略も簡単!あなたのポートフォリオは投資経験ゼロの家族も理解できるか?
自分に万が一があった時、残された家族も運用できるポートフォリオになっているか?
投資に興味があり、投資熱が強い人ほど、自分のポートフォリオにいろんな戦略を取り入れ、ポートフォリオ自体も複雑になりがちです。
そのお金が完全に自分のものである人はそれでよいですが、ファミリーの世帯主の場合、投資に回しているお金は自分だけではなく家族のものでもあります。
毎日平穏に暮らしていると健康のありがたさには気が付きにくいですが、急な事故や病気というのは誰にいつ訪れるか分かりません。
自分に万が一の事態が発生した時、残された家族がそれを速やかに理解し、適切に運用、取り崩しができるポートフォリオになっているか検討しましょう。
自分に万が一の事態が訪れた時、残された家族にも理解できるポートフォリオになっているかという視点は重要です。
投資好きの人はPFを複雑にしがちですが、投資経験のない人には大抵理解できません。
何事もシンプルに長く続けることが重要です。— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) June 17, 2024
投資好きの人にとって「当たり前」のポートフォリオは、投資に不慣れな人にとっては全然「当たり前」ではありません。
せっかく優れたポートフォリオを組んでいても、それが家族全員に理解できるものでなければ真に完璧とは言えないのです。
eMAXIS Slimや楽天・オルカン、S&P500を中心にシンプルな投資を長く続けよう
私がブログでeMAXIS Slim オルカンやS&P500などの投資信託を中心としたポートフォリオを推奨しているのは、初心者にもリバランスなどのメンテナンスが容易だからです(下図参照)。
拙著『世界一やさしい投資信託・ETFの教科書1年生』から引用
金融理論上、時価総額加重平均型のインデックスファンドが他の金融商品と比較して最強に近いこともちろん重要です。
しかし、それ以上に投資経験がゼロに近い初心者の人でもすぐに理解して取り扱えるという利点が大きいです。
投資というのは面白いもので、ポートフォリオを複雑にすればするほど得られるリターンがあがるとは限りません。
あれこれリサーチを繰り返して米国株30銘柄から成る自前のポートフォリオを組んだとしても、
その自慢のポートフォリオがS&P500という指数に勝てる確率は低いんですね。
実際、SPIVAスコアカードのデータによれば、過去15年でS&P500をアウトパフォームしているファンドはたった12%しかありません。
もちろん、個別株にはエヌビディア株のように当たれば一攫千金という夢があります。
個人のお金であれば仮に失敗しても完全自己責任なのでOKですが、家族のお金で博打を打つことはできないですよね。
投資信託メインのポートフォリオは取り崩し戦略もシンプルで高齢者でも対応可
eMAXIS Slim オルカンやS&P500を中心としたポートフォリオの場合、その出口戦略は簡単です。
おおざっぱで申し訳ありませんが、
1) 金額が十分大きい場合、必要な時期に必要な金額だけ取り崩すだけ
2) 金額がギリギリの場合、投資信託定期売却サービスで計画的に取り崩す
くらいでOKでしょう。
新NISAの生涯投資枠1800万円を使い切って、さらにiDeCoや特定口座でも投資する余力のある人は、
高齢者になる頃にはオルカンやS&P500だけでも相当な金額のポートフォリオに成長しているはずです。
その場合、必要な時期に必要な金額だけ投信を売るという適当な戦略でも資金がショートする可能性は低いです。
そこまでの規模ではない場合、投資信託の定期売却サービスを使って計画的に取り崩しましょう。
配当金のように毎月定額で取り崩せますし、取り崩す金額も状況に応じて変更可なので大変使いやすいですね。
以下が投資信託定期売却サービスのイメージ図になります。
SBI証券はNISA口座内の商品には対応していないので、NISAでも投資信託定期売却サービスを使いたい人は楽天証券がよいでしょう。
まとめ
投資好きの人はポートフォリオを複雑にしてしまいがちですが、自分に万が一の事態があった時に残された家族が理解できる内容になっているか確認しましょう。
家族のお金で投資をしている場合、単なる「自己満足」は万が一の時に致命的になる可能性があります。
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これから投資を始める方が絶対に知っておくべき知識だけを厳選してこの1冊に盛り込みました!
豊富な図解入りで文章も分かりやすく書き上げたので、コスパ、タイパともに抜群だと思います。
ぜひ本書を手にとっていただき、絶好の投資スタートを切っていただければ嬉しいです。
ブログとともによろしくお願いいたします。
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投資信託の質が急速に上がっているため、昔のように米国ETFに投資する必要性がなくなりました。
私の個人的な経験から、インデックス投資のフルインベストメント継続はリスクが許容できる方にはかなり強力です。
VTやVTIのインデックス型商品は地味ですが、株価成長も配当成長もバランスがよく秀逸ですね。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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