イラン人30代男性 「イスラム教徒辞めました」

バカじゃ無ければ気づきますね。

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● 「大事なのは人間性であって、宗教ではない」と考える若者たち 

 今回は「宗教の弱体化」、つまりイランでイスラムが求心力を失いつつある現状について見てみよう。 

 私の肌感覚では、10年くらい前までは、ほとんどのイラン人がムスリムとしてのアイデンティティを、多かれ少なかれ持っていたように思う。もちろん今でもそうした人たちは一定数いるものの、近年、とくに目立つのは、イスラムを世界に数多ある宗教の一つとして相対的にとらえようとする若者たちの存在だ。

  イスラムでは、ムスリムの子は生まれながらにしてムスリムであり、棄教が明るみに出れば文字どおり死罪とされるため、簡単にムスリムをやめることはできない。

  だが、若い世代に共通するのは、「自分はたまたまムスリムに生まれただけだ。大事なのは人間性であって、宗教ではない」という考え方である。そんな彼らにとって、イスラムはもはや自己のアイデンティティではなくなっている。

(略)

 初めて非イスラムの国を目の当たりにしたタハ君は衝撃を受ける。町では治安と秩序がイランよりもはるかによく保たれていた。何よりも驚いたのは、そこに暮らす人々の民度の高さだった。英国人は、ムスリムであるイラン人よりもずっと誠実で、信頼でき、そして勤勉だったとタハ君は言う。

  社会の隅々までイスラム化することを目指しながらも停滞するイランと、イスラムはもちろん、一切の宗教に頼ることなく繁栄を謳歌する英国──。

(略)

 イスラムに対する彼の漠然とした疑念はしかし、のちにテヘランで一人の女性と恋に落ちたことで確信へと変わっていく。 

 コーランでは、女性の価値は男性の半分と明確に規定されており、男性に従わない女性は殴ってもよいとする記述すらある。だが、タハ君の彼女は、彼自身が恐れ入るほど聡明で忍耐力があり、自分の半分どころか、その何倍もの価値があるように思えたという。

  「コーランは神の言葉じゃない。そのときそう確信したんだ。もし、それが神の言葉なら、現代にも通用する真理を語っていなければならないだろう? 現代は男女平等で、男性よりも優れた女性だってたくさんいるのに、コーランでは一貫して男尊女卑が説かれているそれはこの本が、未来を予見できなかった昔の人間の手によって書かれたものであることの、何よりの証拠だと思うんだ」

  なるほど。でも、はっきり言って、それってムスリムでない日本人なら最初からうすうす感じていることなんだよなあ。

  私が率直にそう言うと、彼は大きな目をぱちくりさせていた。

(略)
 タハ君は、今ではもうコーランを開くことはないし、礼拝や断食をすることもない。週末の彼のルーティンは、私のような友人を招いてワインやビールを飲み交わすことだ。 

 「宗教がなくても、僕たち一人ひとりが人間性を身につけて、清く正しく生きる努力を続けていけば、世の中はきっとよくなる。宗教側は、それじゃカネにならないから、絶対にそんなこと言わないけどね(笑)
(略)

 一方、イスラムのより本質的な「欠陥」を指摘するのは、前回(https://diamond.jp/articles/-/348561)も紹介した30代の友人レイラさん(仮名)だ。

実はイラン人の「リア充アピール」は日本人の比ではない。現代のイラン社会で人物を評価する基準は、子どもならば学校の成績と習い事。大人になれば、学歴、収入、家、車、そして容姿と、相場が決まっている。SNSは、イラン人にとってそれらを見せびらかすための格好の場なのだ。 

 そんな社会では「目に見えるもの」がすべてなので、じわじわとにじみ出る人徳とか、ちょっとはみ出した個性なんかは、どうでもよいことだ。

  そして、「嫉妬心から対抗意識を燃やすこと」を意味するペルシア語「チェシモ・ハム・チェシミー」ほど、イラン人の日常でよく使われる言葉はない。個人的には、この言葉こそイラン社会を理解するためのキーワードだと思っているくらいだが、これについては別項で詳述する。

 「イスラムという宗教は、人間の内面よりも外面に重きを置いていると思うの。このイラン社会と同じようにね」

 「結局ね、イスラムが私たちの一挙手一投足にまで口を出す宗教として成立したこと。それが、そもそもの過ちだったのよ。もしこの宗教が人間の心だけを問題にしていれば、今のように内面が軽視され、外面だけで人間が序列化されるような世の中にはなっていなかったと思うの」

取り敢えずこの辺で。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2

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