私たち夫婦にも子供が生まれ、子供の将来を考えるようになりました。まずは健康で順調に育ってもらうことが1番の願いなのですが、やっぱり将来のことも考えてしまいます。
勉強がんばった延長線上の最後にあるのは、やはり東京大学が医学部と言うことになるでしょう。今回はこの2点について考えてみたいと思います。
やっぱり医学部?
医学部は私たちが受験生のころまでは、憧れの学部でした。理系の中でも成績優秀な高校生が受験し、それでも熾烈な争いになることは間違いありません。
プレジデントや週刊朝日など、意識の高い大人たち向けの週刊誌にも医学部受験は特集されています。それだけ医学部=憧れのイメージがあるのでしょうか。さて、そんな医学部なのですが、未来は明るいとは言えないでしょうね。
医者の数が増え、人口が減る
2010年代頃から政策により医師不足対策として医学部の定員増となっています。つまり医者の数はどんどん増えています。一方で日本の人口はすでに減少に転じており、高齢化の進展による医療需要の増加もせいぜい2030-40年ごろまでと言われています。
もちろんこれは医師不足解消を目的とした政策であり、直ちに医者があぶれるということはないでしょう。医療はどんどん高度化しており、もしかしたら医者の数を増やしたところで実体の医師不足はあまり解消されないかもしれません。
一方で医師の増加・人口減少に伴って、外来患者を診療する開業医など経営は苦しくなるとされています。医師として長く働くためには、目の付け所も重要になってくるのです。
どこも病院経営は厳しい
また診療報酬の伸びを抑えるために、どこの病院も経営がどんどん苦しくなっています。私が勤務してきた病院でも病院でありながら収益のことをとやかく言われるのは珍しくなくなってきました。
例えば患者さんをもっと診療して入院させろとか、たくさんの患者さんを入院させるためにどんどん退院させるとかそんな感じです。大学病院でも地域の基幹病院でもはたまた地方の病院でも同じような感じなのです。
私は病院の上層部ではありませんので経営の詳細について知るところはありませんが、おそらくどこの病院でもかなり形が苦しいのではないかと推察します。
もちろん病院の経営が苦しい方に傾けば、人件費の削減が急務になります。すなわち今後は医者の給料が増えると言う可能性は決して高くなく、どちらかと言えば労働時間が長くなり給料が下がる傾向にあると言えるでしょう。
やっぱり東大?
医学部の将来が厳しければ東京大学に行けば良いのではないかそんな考えにもなります。
しかし東大に行ったからといって輝かしい未来が約束されているわけでもないでしょう。私の高校時代の同級生は、何人か東京大学に行き日本でも有数の一流企業に就職しました。しかしながらダイナミックに世界が変化する今、1つの企業が何十年も生き残るかどうかは誰にもわかりません。
例えば今現在世界のトップを走っているトヨタ自動車があって、蓄電池の機能が全てを決める電気自動車が主流になれば、その主導権が外に移ってしまう事は容易に想像されます。しかもそのような時代のシフトはそう遠くない未来のはずです。
銀行が合併しエレクトロニクス企業がが容易に外資に頼らなければならない現在、どこの企業も安泰とは言えないのです。
このように考えてみますと、東京大学に入ったからといって将来が約束されているなんて簡単な時代はとっくの昔に終わっているのです。
今後はもっともっと難しい選択になるのは確実
医学部に行くにしても東京大学に行くにしても明るい未来がなかなか見えてこない現在将来はどんどん難しくなってくるでしょう。
人口が減少していく日本においては、国内を主として企業活動を行っている会社の将来は概ね明るくないと言って差し支えないかと思います。 また医療業界においても医療費抑制の観点から、医者や医療関係者の給料が増えることもなかなか難しいでしょう。
このように考えてみると、本当に明るい未来のある分野はどこなのかについてはなかなか見つけ出すことが難しいのが現状です。解雇されずにある一定の給料を得ることができると言う点では、めぐりめぐって公務員が1番未来のある職業なのかもしれません。
公務員が未来ある職業と言ってしまうとなんとも悲しいのですが、実際はそうなのかもしれません。
Source: 医者夫婦が語る日々のこと、医療のこと
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