オルカとネイチャーネットワーク構想

その他

もしあなたが突然何者かに捕まり、
狭い牢獄に閉じ込められ、
薬漬けにされたら

どんな気持ちで日々を過ごしますか?

ここ日本では、
今でも似たようなことは起きています。

日本人が
海洋動物に対して行っている行為もその一つです。

ここからはオルカの話の再掲です。

米国ワシントン州ではオルカを捕まえて、
水族館で飼育することを禁じる方向です。


 

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HuffPost


先日、サーカスでのゾウの実体について書きましたが、

今日はオルカです。


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オルカは,、
体長7m~10m以上、
体重4~8トンを超える大きさで、


とても広い範囲を生活の場とする
世界最大のイルカの仲間です。

1日に泳ぐ距離は150kmを超えます。

そして
海の奥深くまで潜っていくことが出来ます。

雄大な海の中を泳ぐその姿は、
とても美しく
実際に目撃した人たちを
感動させます。

large-Orca-Whale-photo出展:WWF


日本は
米国に次いで、
世界の水族館の中で二番目のオルカたちを狭い水槽に閉じ込めている国です。

毎日美しい大自然の海原を
100km以上泳ぐオルカにとって、
水族館の狭くて浅いプールに閉じこめられてしまうことは、
どれだけの苦難なのでしょうか。

以前、
私も何度か水族館で亡くなったラッコたちの病理解剖を実施したことがあります。

その時には、
すべてのラッコが胃潰瘍と十二指腸潰瘍を患い、
そこから穿孔して腹膜炎を起こして亡くなっていたことがわかりました。

小さなラッコでさえ、
死亡するほどの相当大きなストレスなのだとわかりました。

ましてや、
体の大きく知能の優れたオルカがあれほど狭い空間に入れられ、
薬漬けにされ、
芸をさせられ続けたら・・・。

野生のオルカは雌の母親を中心にした群れで暮らしています。

各群れは、
群れ独自の言葉をもっています。 

ところが、
水族館では、
異なるテリトリーから捕獲してきたオルカを
一緒の狭いプールに閉じ込めるのです。

野生のオルカは、
寿命が長く、
米国海洋大気庁NOAAの最近の調査では、
少なくとも50~100年であることがわかっています。


この写真のグラニーちゃんは、
1911年生まれの満103歳。
タイタニック沈没よりも1年早く生まれています。



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Flickr/MilesRitter

ところが、

水族館に収容したオルカたちは、
たった数か月から数年で
亡くなってしまうのです。

米国の研究報告では、
約5年でした。



水族館でのオルカの寿命は
野生の寿命の10分の1。



ほとんどの個体が
若いうちに死亡します。

そのため、

オルカを水族館で展示する限り、
野生の個体を拉致監禁し続けるしかないのです。

水族館のオルカは、薬漬けにされていることも、
元従業員の証言からわかっています。


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抗生物質
抗潰瘍治療薬
向精神薬
鎮静薬
経口避妊薬




その他にも
脱水を防ぐ目的でエサに大量のゼラチンを混ぜたり、
エサの魚には抗真菌薬をあらかじめ混入しています。

これは、
健康な人を独房に閉じ込めて、
薬漬けにして、
脳を麻痺させておくのと同じこと。

野生のオルカを無理やり拉致監禁し、
人工的な環境の中で芸を強いられ、
薬漬けにされて死んでいくオルカ

「フリーウィリー」という映画がありました。

o-FREE-WILLY-facebookWarner Bros

母親のいない少年と
母親から引き離された捕獲されたオルカの話。

保険金目当てにオルカを殺そうとする人々から、
オルカを救い、
海に帰す物語です。

この映画の撮影に使われたのが、
オルカの雄の
ケイコでした。

ケイコは、
アイスランド沖の大西洋で拉致され、


アイスランド、カナダ、メキシコの水族館へと転売されていき、

健康状態はとても悪くなっていました。

映画で脚光を浴びたケイコは、
世界中で話題となり、


故郷の海へ帰そうという運動が始まったのです。

世界中の人たちの声に支援され、
環境保護団体や海洋動物学者たち、水族館関係者、そして米国とアイスランドとノルウェイ政府も支援することになり、


史上初、
野生のオルカを海に帰す活動になりました。

ケイコは健康を取り戻し、
アイスランドの海を泳ぎまわれるようになり、
野生のオルカとも交流出来るようになりました。

そして、
北大西洋を横断し、
自力でアイスランドからノルウェーまで泳いで行きました。

ノルウェイでも人々の近くまで寄ってくる人気者のケイコは、
その後
人から離れた海洋へと連れて行く予定でしたが、
突然
死亡しました。

この写真は、ケイコのアルバムです。


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http://www.snipview.com

「ブラックフィッシュ」という映画があります。


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blackfishmovie.com

2010年に水族館のオルカのショーの最中に起きた死亡事故を題材にしたドキュメンタリー映画です。

この映画で
人を殺してしまったオルカ「ティリクム」は、
いままでに3件の死亡事故に関与してしまいました。

亡くなった人たちは、
直接ティリクムが噛み殺したのではなく、
溺死です。

この事件の後で、
すべてのオルカは海に帰すべきという意見と、
殺処分しろという意見で全米で議論となりました。

その後も
ティリクムは、
狭いプールに監禁させられたままでした。

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なぜ
このような事故が起きたのでしょうか?




「ティクリム」は
水族館のオルカの中では例外的に長生きし、
約30年間もの間
狭いプールに閉じ込められて
生きてきました。




その身体には、
たくさんの傷があり、
すべて狭い空間でぶつけてついた傷なのです。

そして、
毎日休まず、
多い時で一日8回ものショーを
こなし続けねばばらなかったのです。

この映画を上映をきっかけに、
水族館での飼育は、
オルカにとって拷問ではないか
との声が上がり始めました。

米国で、2015年2月に、水族館のオルカにも絶滅危惧保護対象に指定する動きも出てきました。


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TerraDaily

米国で一番、水族館で長生きして、
最高齢オルカの
ロリータ
野生の同属に並んで絶滅危惧種に指定する動きが出てきました。

ロリータは、
1970年に他の6頭のオルカと共に拉致されました。


他の6頭はすでに死亡。

ロリータだけが生き続けています。




ロリータの種、
南定住型個体群Southern Resident killer whalesは、
いまや
世界で現在78頭しか確認されていません。

ただし、
ロリータが絶滅危惧種に指定されても、
海に帰すような法的な拘束力は無く、


現状は変わらない可能性が高いのです。

日本では、
いまだに
水族館でオルカやイルカなどの海洋哺乳動物を拉致監禁することが
当たり前のように行われています。

本当にそれが正しいことなのでしょうか?

30年以上も野生のオルカの研究を続けているポール・スポング博士という研究者がいます。
スポング博士は、
ある満月の夜、
月光に照らされた静かな海を泳ぐオルカたちの息づかいを聴いて、
感動したのです。



そして、

博士は、
もし世界中の人々がこの美しい瞬間を見ることが出来るなら、
人々の世界観は
大きく変わるだろうと確信しました。

それが、

大自然の中に置いたライブカメラからの映像と音声を全世界に生中継する
ネイチャー・ネットワーク構想
です。

この自由に群れで泳ぐのびのびとした自然のオルカの姿を見てください。



pod_NationalWildlifeFederation


水族館に閉じ込めて虐待されたオルカの姿


       そして
大自然の中で活き活きとした本来の姿のオルカの群れの姿。

どちらを見たいでしょうか?

熊本県天草市
のように、
海に出ればほぼ確実にイルカの群れに会える所もあります。

水族館に閉じ込められたイルカよりも、
野生のイルカを見る方がよいと思います。

北海道のように
海に出れば高い確率でオルカの群れに会えるところもあります。

水族館に閉じ込められたオルカよりも、
野生のオルカと出会う感動は
全く違います。

こういう場所でもネイチャーネットワークが始まるといいですね。

今日もありがとうございます。

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Source: ひかたま(光の魂たち)

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