メトホルミンとの「相性」[2]~メトホルミンはイオンなのです

健康法

メトホルミンはイオンです

といってもこのイオンではありません.

AEON

メトホルミン錠剤の説明書にはこう書いてあります.

『メトホルミン』ではなくて,『メトホルミン塩酸塩』と書いてあります. たしかにメトホルミンの化学構造はこうなのですが,

実はこのままではほとんど水に溶けないので,溶けやすくするために塩酸と反応させたものが,『メトホルミン塩酸塩』です.つまり一種の『塩』(しお)です.

塩酸と反応させると,メトホルミンは塩酸から水素原子を一つもらって,プラスの電荷を帯びた陽イオン(カチオン)になり,塩酸は水素原子の代わりに電子を一つもらって陰イオン(アニオン)になります.

もっと正確に書くとこうなります.

これは,身近なイオン塩である『食塩』と同じです. 食塩は ナトリウム[陽イオン]と塩素[陰イオン]が電荷でひきつけあっていますが,水に溶かすとそれぞれのイオンにばらけます.

メトホルミン錠をお持ちの方は,今度飲む前に少し舐めてみてください. やや食塩に似た味がするはずです. イオン化合物にすると水にすぐ溶けるので『味』がわかるのです.
しかしだからといって,レシピに「塩 少々」とあっても,メトホルミンは放り込まないように.

メトホルミン錠が飲み込まれると,通常は胃の中で錠剤がバラバラになり[★],そのまま水分に溶けてイオンの状態になり,消化管に到達します. これがどうやって吸収されるのでしょうか?

[★] 海外で発売されているメトホルミン徐放剤(XR)は,すぐにはバラバラにならず,水分を含むとゼリー状の塊になって,ここからメトホルミンイオンが徐々に溶け出してきます.

[3]に続く

Source: しらねのぞるばの暴言ブログ

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