今日は、ほとんど男性ザイタク患者さんの訪問だった。
いつも以上に診察の時間がかかる。それは、なぜか?
彼らの緩和に必要なものは、薬や医療なんかではない。
彼らの緩和に必要なものは、彼らの生き様を聞くこと、だ。
先生、この会社の自動車の水色は、俺が全部塗ってんで。写真見てみ!
そう言って、でてきた100枚近いキレイな水色の業務車両の写真。一緒に眺める。
その業務車両のミニカーまででてくる。立ち上げた会社の歴史を聞く。僕も楽しくなる。
先生、この番組の制作に俺も関わってたんやで。
今の若い奴らも、色々やりよるけど、
俺らの時代は、もっと泥臭く取材もしたもんや。
パンと缶コーヒー片手に、刑事みたいに張り込みもするねんで。
先生、ワシは、海軍の戦艦に乗ってたんや。
そこの船医さんも立派やったけど、先生も体格は立派やし、髭もええなあ。
ワシの戦艦は大きかったから、船医も乗組員も立派やったわ。
先生、僕は、ずっと自動車整備会社で仕事してきたから、運転には自信があるんやで。
ちょっと、体が不自由になったくらいどうってことない。
これからもずっと運転はするよ。
先日車庫で、ぶつけて、廃車にしたけど、次も買う予定や!
先生、ワシの息子はほんまええやつやけど、アンタも息子みたいに見えてくるわ。
どの男性患者さんも、
息子をみるように、
孫をみるように、
熱く熱く語っていただける。
昨晩は、
もうアカン、俺のお迎えはそろそろやな、、、
と周りの女性達に弱音を吐いていたらしい。
僕には、とても男らしく、
夢を、昔話を、熱く語られる。
声のハリも変わってくるそうだ。
周りの女性達が、こっそり教えてくれる。
帰りには、玄関まで来て、
男らしい優しい笑顔で、
そして、ちょっと照れくさそうに、
また来てや!と言っていただける。
今日もザイタク訪問診療は楽しかった。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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