あなたが生まれてくれたことが嬉しい
これはかつて
私がうつを患っていたときに
優しい人が言ってくれたこと
当時の私は
大して飲めないくせに
アイリッシュバーに寄り道した。
ひとりで。
外国人も入り混じり
まるで日本じゃないみたいなその場所で
でも、そこにいくと
みんな明るいから
日常をを忘れることができた。
米軍の男性も
黒人の女性も
とても気さくに話かけてくれる
みんなほとんど英語だし
ノリも違うけど
とにかくじめっとしていなくて
その時は気が紛れた
どこか違う世界へ
誘われたような
とても良い気持ちがした。
でも、だんだんうつが悪化すると
そのバーにも行けなくなった
バーでは、出会った人がいた。
少し年下の日本人
彼はとても優しかった
家がたまたま
近所だったこともあり
元気になって
またバーに行きたいね
そう言って私が回復するのを
ただただ見守ってくれていた
「トマトがたくさん届いたから」
ある日、食べきれないからって
家まで宅急便屋さん風に届けてくれたり
雨の日は
「開いたら桜の花びら柄が見える
傘をプレゼントできたらよかったね」
と言ってくれたり
うつで寝込んでいても
薬を飲んでいても
いつも私を私として見ていてくれた。
とにもかくにも
優しくて、猫が好きな人
聡明で、英語も堪能
洋楽が大好きな
スーツのアパレルで働く青年。
「仕事ができなくなったら
ご飯くらい食べさせてあげるよ」
その静かな笑顔と言葉の加減に
少しもトゲがなくて
まるでスファルとに染み込む
雨みたいな響きだった。
うつとか病気とか
年上とか年下とか
国籍とか文化とか、括りのない人
私は、自分のバーズデーが
大嫌いだったのだけど
あのハートのササクレが
不意にほろりとさせられたのは
「生まれてくれてありがとう」
彼がそう言ってくれたからだった。
その不意打ちに
私の誕生日嫌いは
少しずつ折り返していったのだと思う。
一年一年
小さなトゲを抜くように
「生まれてれてありがとう」
を、思い出す。
温かかった。
トゲのないあの人は
人の心を溶かす矢を放つ。
当時、人と会うこと自体が
しんどくなって
いつしか連絡を
絶ってしまったのだけれど
それ以来
バーにも行っていないけど
今でもあなたが
元気でいることを願っています。
あの頃から
私を救ってくれた言葉
あなたが生まれてくれたことが嬉しい
出逢ってくれてありがとう
この言葉を
今度は私が伝えたいと思う。
大切な人たちへ。
どんな人もみんな
生きるために生まれてきた
意味があって生まれてきた
愉しむために生まれてきた
その存在は誰かを癒すため
その存在は自分を愛すため
たまに忘れそうになるけれど
誰もがみんな祝福される存在
生まれてくれてありがとう。
出逢ってくれてありがとう。
本当に、ありがとう。
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Source: HSP片付けブロガーの「生きづらさ」が消える片付け
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