どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
さて、今日は久々に「介護×映画」で記事を書きたいと思います。
これまでも「介護×映画」については幾度となく書いてきて、先日「まとめ記事」を書いたところです。
では、今回の記事からは、「介護×映画」第2章といった感じで、お楽しみください!
というわけで、今回の映画は「ゲーム」です。
映画「ゲーム」から介護の何を語るのか??
私は、この「ゲーム」を通して、介護施設に入所した認知症利用者の立場に立つことができる思考を手に入れられるのではないかと思っています。
そして、何より大事なことが「目的ある介護」でハッピーエンドをつかむということです!
それでは、「ゲーム」の世界に入り込みながら、介護について考えていきましょう!
映画「ゲーム」【ネタバレ注意!】
「ゲーム」は、1998年に公開されたデヴィッド・フィンチャー監督の映画です。
デヴィッド・フィンチャーと言えば、「セブン」や「ファイトクラブ」が有名ですが、私の中ではこの「ゲーム」は隠れた名作だと思っています!
今となってはレア度の高い映画で、日本語版はブルーレイ化もされていなければ、Amazonのprime videoでも取り扱われていません…(2020/7現在)。
「セブン」を観て「後味が悪くて嫌だった…」ということで避けていた方も、これを機にぜひ映画「ゲーム」をご覧になってください!
ラストはスッキリですし、どんでん返しが好きな方は必見です!
では、どんな映画か予告編を観てみましょう!
いかがですか!?
面白そうですよね!!
ここからは、「ネタバレあり!」で書いていきますので、ご承知のうえで読み進めてください!
大富豪ニコラスが実態も知らぬままゲームに参加する
物語は、マイケルダグラス演じる大富豪の実業家・ニコラスが、弟のコンラッドから誕生日のお祝いにと謎のゲームに参加できるカードをプレゼントされるところから始まります。
ニコラスは、訳の分からぬまま、ゲームを提供するCRSという会社に出向き、「人生を変える体験」ができるというゲームに参加することにします。
参加するためのテスト!?
ニコラスは、CRS社で訳の分からないテストを受けます。
CRS社は、このテストでニコラスの行動パターンを把握したかったんだと思います。
心理テストに身体検査など、1日がかりでテストが行われるのです
このテストによって緻密なゲームが作り上げられたのでしょう…。
相次ぐ奇妙な出来事
そこから奇妙な出来事が相次ぎ、生命の危機にさらされるようなトラブルに巻き込まれていくのです。
タクシーに閉じ込められ海に落とされたり、トランクに詰められてメキシコに運ばれてしまったり…。
トラブルどころか、かなりタチの悪い罰ゲームのよう…。
ニコラスは、「これはゲームだ…」と自分に言い聞かせる場面もあり、ゲームなのか偶然なのか分からなくなっていくのです。
ゲームには目的があった…
トラブルがエスカレートしていくなかで、ニコラスはCRS社が詐欺集団だと知ることになります。
「ゲーム」は最初からニコラスのお金目的だったのか…!?
CRS社への復讐に燃えるニコラス…。
ところが、映画の終盤、あれもこれも仕掛けられた「ゲーム」だと説明されるのです…。
CRS社が詐欺集団というのも嘘なのか??
誰が本当のことを言っているのか??
もう誰も信じられなくなったニコラスの前に、現れたのは「ハッピーバースデー」を歌う弟コンラッド!?
これはニコラスの誕生日を祝うための「ゲーム」だったのか!?
そうニコラスが思ったのは、咄嗟に弟コンラッドを銃で撃ってしまった後のことでした…。
自暴自棄になったニコラスは、ビルの屋上から飛び降りるのです…。
それが下の動画のシーンです(字幕なしです)。
動画は衝撃ラストのネタバレシーンなので、観たい方は動画を観てください!
最初から観たい方はDVDをご購入ください!
認知症の人が介護施設への入所がハッピーエンドになるために
さて、ここからが介護ブログとしての本題です。
大富豪ニコラスが「ゲーム」のなかで体験した工程を、認知症ニコラスが「介護施設」入所すると置き替えてストーリーを考えてみます。
まず、映画「ゲーム」のあらすじについてですが、4つの見出しで説明してきました。
- 大富豪ニコラスが実態も知らぬままゲームに参加する
- 参加するためのテスト
- 相次ぐ奇妙な出来事
- ゲームには目的があった…
これが映画「ゲーム」の中での大富豪ニコラスがたどった工程です。
ここからは、認知症ニコラスが介護施設に入所するというストーリーなのでこうなります。
- 認知症ニコラスがどんな介護施設かを知らぬまま入所する
- ケアプランのためのアセスメント!?
- 相次ぐ奇妙な出来事??
- ケアプランには目的があった…
では早速、一つ一つの工程を説明していきたいと思います!
認知症の人が介護施設に入所するにあたって映画「ゲーム」のような感覚があることを体感していきましょう!
認知症の人がどんな介護施設かを知らぬまま入所する
認知症のニコラスは、弟のコンラッドに突然こう言われます。
今度の月曜日にCRSに行くから!
CRS??
行ったら分かるから!
訳の分からぬまま、会話を終えたニコラスが月曜日を迎えます。
ニコラス!
CRS行くぞ!
CRS??
いったいどこに連れて行くんだ!?
認知症のニコラスは、先週の話など忘れてしまっていますし、そもそもCRSについて何の説明も受けていません。
認知症だから説明をされても忘れているだろう…。
そんな風に思われているからです。
とはいえ、弟のことを信頼しているニコラスは、とりあえずCRSに向かうのです。
いったいどこに行くというんだろう…。
ケアプランのためのアセスメント!?
CRSに着いたニコラスとコンラッド。
そこは介護施設CRSでした。
ニコラスは、しばらく別室で待たされた後、CRSの職員と話をすることになります。
ニコラスさん、初めまして!
ちょっといろいろ聞かせてほしいんですけど、よろしいですか?
は…はい…。
いいですけど…。
ニコラスさんは、今日はどこから来られたんですか?
ニューヨークですけど…。
ニューヨークなんですか!?
ニューヨークと言えば、入浴なんですけど…。
え?
何で入浴のこと聞くんですか?
そうですね…(^_^;)
では、好きな食べ物とかありますか?
…(-_-;)
ニコラスにすれば、訳の分からない質問ばかりです…。
何のテストなのか疑問に思いながらも、しばらくしてその出来事は忘れてしまい、部屋へと導かれるのです。
いろいろ聞かれたけど…ここにおったらええんか??
相次ぐ奇妙な出来事??
ニコラスが介護施設に入所してから、不思議なことが起きます。
トイレに行こうとトイレを探していたとき、どこからか見知らぬ人が来てトイレに連れて行ってくれます。
1人で散歩に出かけようとすれば、いつしか誰かと話をしながら散歩をしています。
お風呂に行きたくないと言っていたのに、いつしかお風呂に入っています。
これらは不思議な出来事ではあるのですが、幸せな出来事なので、ニコラス自身はそれほど奇妙だとも思わずに過ごしていました。
ところが、ニコラスの心を脅かす出来事が襲い掛かるようになります…。
トイレに行きたいときに、夜でも起き上がっただけで見知らぬ人がやってきて、介助でトイレに座らされます。
1人で散歩に出かけようとすれば、代わる代わる職員が前から後ろから付いてきて、誰もいなくなったと思えば、どこからともなく誰が追いかけてきます。
お風呂に行きたくないと言ったら、いつしか2人の男に囲まれてお風呂に入っています。
なぜ、奴らはワシをこんな目に遭わすんじゃ!?
ケアプランには目的があった!
その後、ニコラスは幾度となく生命の危機を感じながら、生命の危機から救われる体験をします。
ベッドから転落しそうになったときに、突如現れた職員にホッとした表情で支えられます。
CRSから出てしまって迷子になってしまったときは、どこからともなく現れた職員が泣きながら連れて帰ってくれます。
ひどくなっていたお尻のただれもすっかり治って、お風呂に入りたい気持ちになっています。
そうなんです!
すべてはケアプランによって仕組まれた目的のための介護だったのです。
認知症のニコラスは何も知らないわけですが、CRSの職員はアセスメントによってニコラスのことを全て知っています。
安全のため、健康のために、CRSの職員は必死に目的達成のために仕事をやり遂げました。
そして、弟のコンラッドは在宅ではままならない生活を何とかしたいとの思いでCRSに介護を依頼したのでした。
介護施設の入所は、認知症の人にとっては最初は不安でしかありません。
時として心を脅かすようなこともあることでしょう…。
でも、目的のある介護は、きっと幸せへと導いてくれます。
ニコラスは、最終的には幸せな暮らしを手に入れることができるのです。
この介護施設CRSのようなサービスを受けていたら、途中いろいろなことがあったとしても、それはきっとハッピーエンドなわけです!
皆…、ワシのために頑張ってくれてたんやな…。
認知症利用者の立場に立っていない不本意な介護でも「目的ある介護」でハッピーエンドを!
認知症利用者の立場に立って考えたとき、介護施設への入所というのは不安であることが多いものです。
認知症は、いろんなことが分からず、知ったとしても忘れてしまいます。
誤解を恐れずに言えば、そんな認知症の人が、自分の知らない人たちに自分の知らない目的で監視されているような世界なわけですから…。
映画「ゲーム」のニコラスのように、自分の知らないところで何かが起きているような感覚になっても不思議ではありません。
前述のとおり、介護施設の職員はケアプランをもとに利用者の対応をします。
認知症利用者の場合は、当事者の知らないところでケアプランが動いていくことが多々あります。
時として安全策重視により「監視」と思われてしまうような介護になることも多々あるわけです。
そして、「監視」と思われるような介護は、認知症の利用者を不穏にさせてしまうことがたびたびあります。
こいつらに何かされるかもしれない…。
認知症ならBPSDを引き起こしかねません。
※BPSD:認知症の行動・心理症状。徘徊や暴力行為等の不穏症状のこと。
映画「ゲーム」のCRS社の場合は、ニコラスを疑心暗鬼にさせることが目的なので、そう思わせてもよかったんです。
その先にある目的がニコラスの「人生を変える」ことだったので、それでよかったんです。
どんな人生もうまくいくことばかりではありませんし、目的のためには厳しい道を選ばざるをえないこともあると思います。
介護施設においても、目的のためであれば利用者の立場に立っていない不本意な介護をせざるをえないこともあるわけです。
そんなときは、せめてケアプランにおける目標、つまり今している介護の目的は明確にしておきましょう!
最後はハッピーエンドのラストが迎えられるように!
わしは、ここに入所できて幸せじゃった!
まとめ
私が映画「ゲーム」を観たのは、公開された1998年のこと。
今でも鮮明に覚えているラストの衝撃…。
「ゲーム」のように騙される映画の主人公を見ていると、仕事柄どうしても「認知症」と重ねてしまいます(^_^;)
以前にも、映画「トゥルーマンショー」でこんな記事を書いています↓
今回の映画「ゲーム」では、また違う視点で認知症ケアを考えてみたのですが、私がこの記事で言いたかったことはこちらです↓
介護施設に入所した認知症の人は主人公なのに知らないことばかり!
認知症の人の立場にいくら立っても、認知症の人の思いに沿うことは難しいのが現実です。
せめて、目的ある介護でハッピーエンドを!
Source: すべての道は介護に通ず【暮らしかるモダンなブログ】
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