学会のシンポジウム
この記事でも紹介しましたが;
2003年のDCCT報告と2008年のACCORDショックで,『日本でも炭水化物による食後高血糖を注意喚起した方がよい』という声が増えてきました. 実際,学会の討論会では,「食事療法」に関連するシンポジウムが突然増加しました.
これに対して,2013年には一連の動きがありました.
2013年3月 | 日本糖尿病学会:『糖質制限は推奨しない』という提言を発表 |
2013年11月 | 日本糖尿病学会:『食品交換表 第7版』を発行して,従来のカロリー制限食を推奨. |
本文解説で,『糖質制限を行わないように』と注記. | |
2013年12月 | UNESCO:無形文化遺産に「和食」を登録 |
これらにより,
炭水化物50~60%のカロリー制限食を日本の糖尿病食事療法とする
ことは,議論が決着して盤石となったように見えました.
[注] 2013年の日本病態栄養学会では,こういう講演がありました.
健康人の標準的な1日所要熱量に比較して糖尿病では約10%低い.食品交換表は世界でも類をみないほど先輩が長年に亘り検討を重ねたもので,2型糖尿病は60~70代が最も多く,悪しき生活習慣によって惹起された症例が殆どである
2013年 日本病態栄養学会 MeetExpert3-1
声は一層大きく
では,これで一件落着となったのでしょうか?
いいえ,そうはなりませんでした. 食事療法をテーマとするシンポジウムは収まるどころか,むしろ いよいよ激しくなったのです.
2014年以降は,それまでよりも なお食事療法をテーマとする講演や討論[=シンポジウムやディベート]などが増えたことが 上図から明らかです.
なぜ,こうなったのでしょうか? そこでは何が【討論】されたのでしょうか?
[44]に続く
Source: しらねのぞるばの暴言ブログ
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