“スカート”あるある。

スーツやカッチリとした服装ばかりしていた私は、
カジュアルな“ワンピース”というものを着たことがない

いや、記憶を辿れば小学生のとき

母が作ってくれた、
妹とお揃いのワンピースが最後かもしれない

そんな私であるが、昨年あたりから
“ワンピース”にちょっと興味が湧きはじめた

  コーディネートがほとんど必要ないのも楽そうだ

が、初めて買うものは、意外と失敗しやすい

...ということで、昨年の夏、
セールを待ってワンピースを購入してみた

“セール”であれば失敗しても痛手は少ない

が、北海道の夏は短い

セールで買ったワンピースは、
結局、着ることなく終わってしまった

そして今夏

いよいよ“初ワンピース”の出番である

初めて挑戦する洋服は、ちょっと勇気が要る

気慣れていない、見慣れていない

なんだかいつもの自分じゃない...

そして、着てみて気づく

“ワンピースが涼しい”ということに...

ボリューム感のあるスカート部分は、
スカスカとして、なにも身に着けていない感覚だ

「これまでいかに暑い格好をしていたのだろう...」

憧れのワンピースを着た私は、
猛暑の中、出かけようとした

そして、出かける前に、
いつものようにトイレに行った

用を済ませ...

...もう言わなくても察しがつくだろう

そう

スカートの裾が、
おパンツの中に挟まっていたのだ

“おパンツ丸見え”である

そんなことは露知らず、私は外へ出た

スカスカと、なにも履いていないようなワンピース

本当になにも履いていない状態だったのだ

“おパンツにスカート挟み事件”は、よく聞く話

まさか自分がやってしまうとは...

幸い、すぐに気づいたからいいものの――

  乳がんがわかる直前、
  「年相応の恰好をしなければ...」と、
  少し無理をしていた

  自分らしくない服装は、
  自信さえ失わせる

  そんなとき、乳がんになった

  「もうすぐ死ぬかもしれない」

  そう思ったとき、

  「我慢することはない。無理をすることはない」

  と、思った

  人生は一度きり

  ならば、「好きな恰好をしよう」

  そう思った

  好きな洋服を着ると、気持ちも晴れやかになる

  楽しくなる

  “ファッション”も、
  “自分らしく”生きる、一つの要素なのかもしれない

  ...と言いながら、
  あまり冒険はできないのだが...

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Source: りかこの乳がん体験記

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