ギラン・バレー症候群の分類について簡単に説明します。
まず、その前に末梢神経の構造について説明する必要があります。
末梢神経は、運動神経と感覚神経からなっていることを説明しました。
運動神経は脊髄から筋肉に信号を送っていて、感覚神経は感覚器 (皮膚など) から受け取った信号を脊髄に送っているのでしたね。
末梢神経を簡単なものに例えるのであれば、コードのようなものです。
引用:http://chspmedia.com/ConectWire.html
写真では二つのコードが伴走していますが、上が運動神経、下が感覚神経としましょう。
この二つが合わさって末梢神経となっています (注:末梢神経の中には感覚神経のみのものもある)。
コードは中の銅線とそれを覆う絶縁体がセットになって機能しています。
銅線は電気を通す本体であり、絶縁体はそれを覆うことによりすばやく効率よく電気を通すためのものです。
末梢神経もまさにそれに似たような構造をとっています。
末梢神経は軸索 (じくさく:銅線部分に該当) と髄鞘 (ずいしょう:絶縁体部分に該当) でできています。
では、ギラン・バレー症候群の分類の話に戻ります。
末梢神経が障害されるといっても、軸索 (銅線) が障害される場合と髄鞘 (絶縁体) が障害される場合の二つがあります。
イメージとしては、軸索が障害された場合には信号伝達のスピードは変わらないが信号強度が減衰する、髄鞘が障害された場合には信号伝達のスピードが遅くなり信号強度が減衰することもある、といったイメージでしょうか。
主に運動神経の軸索が障害されるタイプのギラン・バレー症候群はAMAN、運動神経・感覚神経の軸索が障害されるタイプのギラン・バレー症候群はAMSAN、主に髄鞘が障害されるタイプのギラン・バレー症候群はAIDPと呼ばれます。 AMANは運動神経のみ障害されるので、感覚神経の症状は出ません。
これらでは、症状の進行スピードや、合併しやすい症状、予後などもやや異なります。
ただ、原則的には前に記載の通りの具合で、症状が進行し、次第に軽快していきます。
Source: 世界一わかりやすい医学 〜人工知能時代における医学情報の再定義〜
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